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MotoGP ニュース

投稿日: 2020.08.10 23:05
更新日: 2023.02.16 12:35

【レースフォーカス】KTMに歓喜の初優勝をもたらしたビンダー。勝利の鍵はタイヤマネジメント/MotoGP第4戦

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MotoGP | 【レースフォーカス】KTMに歓喜の初優勝をもたらしたビンダー。勝利の鍵はタイヤマネジメント/MotoGP第4戦

 最高峰クラスのルーキー、ブラッド・ビンダー(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)が、大仕事を成し遂げた。MotoGPクラスに参戦4年目のKTMに、悲願の優勝をもたらしたのだ。その一方で、チームメイトのポル・エスパルガロ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)には無念の週末となった。

 チェコGPの予選、ビンダーは6番手から好スタートを切ると、2周目にはファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)の後方3番手につけた。第2戦スペインGPではコースアウトによりポジションを落とし、第3戦アンダルシアGPではミゲール・オリベイラ(レッドブルKTMテック3)と交錯して転倒リタイアという結果だったものの、ここまでの2戦、随所で速さを見せてきたビンダー。この第4戦チェコGPでは、フリー走行3回目でぐっとバイクがよくなったのだという。その調子のよさは決勝レースでも発揮された。

 クアルタラロを交わし、ビンダーは序盤にトップを独走していたフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)を追った。モルビデリに追い付いたとき、ビンダーのタイヤはモルビデリほど消耗していなかった。ラップタイムを比較してみると、ビンダーは14周目まで1分58秒台のタイムをキープ。さらに「人生のなかでもかなりクレイジーな10周」と称した終盤も、1分59秒台のタイムを維持する安定感を見せていた。対するモルビデリは11周目以降からタイムを落とし始め、13周目でビンダーにトップを譲り渡した。

「少しずつタイヤが厳しくなってきたから、リヤタイヤをできるだけセーブするように努めたよ。スロットル操作も、すごく、すごく穏やかに行ったんだ」

 こうしたタイヤマネジメントが、ビンダーを勝利に導いた要因の一つだろう。そして、ついにKTMに最高峰クラスの初優勝をプレゼントしたのだ。

 ビンダー自身にとっても、記録的な優勝だった。最高峰クラスでの自身初優勝。さらにルーキーとしての優勝は、2013年シーズンのマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)以来のことで、南アフリカ人としても、最高峰クラスで初の優勝ライダーとなったのだ。

 KTMとしても2020年シーズン、テストから躍進を感じさせるものがあったのは確かだ。2月上旬のセパン公式テストで登場したKTMのMotoGPマシン、2020年型RC16は、空力デバイスはもちろんのこと、今季からフレーム形状を変更。スチールパイプのトレリスフレームから、現在の主流であるツインスパーフレームとまではいかないまでも、やや平らなフレーム形状へと変化した。

 ビンダーは2019年シーズン後のバレンシア公式テストでRC16を初めて走らせたとき、「やることがいくつかある」と思ったと、決勝後のプレスカンファレンスで答えている。しかしセパン公式テストで乗ったバイクは「違う世界のようだった。ナチュラルになっていた。以前のバイクよりもずっと、乗りやすかった」と言う。「きっとチームはオフシーズン中に、信じられないくらい作業をしてきたんだ」

 実力を示したビンダー。そして、悲願の優勝を手にしたKTM。続けてさらなる躍進を見せたいところだ。

■転倒リタイアの結果に不満のエスパルガロ


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