8月8~10日に行われた全日本ロードレース選手権第1戦SUGO。月曜日が決勝となった開幕戦は最高峰JSB1000クラスのほかにST600クラス、J-GP3クラス、そして新カテゴリーST1000クラスのデビューレースも行われた。また、観客も動員されてようやく開幕したこともあり多くのファンが訪れ、参戦するライダーやレースクイーンも登場し賑わいをみせていた。そんなスポーツランドSUGOで見つけたトピックスをいくつかお届けする。
8日に続き予選日の9日も雨模様のスポーツランドSUGO。セッションはすべてウエット宣言が出された。
全日本ロードでも新型コロナウイルス対策がなされ、サーキットの入場時には問診票を提出しなければならず検温が行われた。そして場内ではマスク着用をしなければならなかった。
パドックでは名門チームのヨシムラがテントで作業をしていた。今年は鈴鹿8耐(8月12日に開催中止が発表)に向けてスポットで参戦したためピットが割り振られなかった。そのことからグランドスタンドからは見えない位置となった。
今年はヨシムラの開発ライダーを務める渡辺一樹(YOSHIMURA SUZUKI MOTUL RACING)。第1戦SUGOは鈴鹿8耐のレースマシンを作るためのテストとして参戦した。渡辺は「残りの3戦も出たいな」とコメントしていた。
今回はゼッケンが『5』をつけている。そのため走行中に1コーナーのボードで順位を確認するタイミングで『26』を探してしまい「26番がないな……。違う違う、5番だった」という場面もあったという。
同じく鈴鹿8耐の出場権を獲得している信州活性プロジェクト・Team長野もパドックのテントで作業をしていた。
SNSがユニークな同チームは、地域活性化を目的とした有志団体だ。長野県はツーリングの聖地があり、たくさんのライダーに知ってほしいことからレース活動も行っている。
また、信州活性プロジェクト・Team長野が使用するBMW S1000RRのカラーリングは『山』がモチーフだという。チームカラーの青をベースとしており、フロントフェイスは北陸新幹線をイメージ。カラーリングのタイトルは『長野県の夜明け』だ。
今回、JSB1000の予選は1度の予選で2レース分のグリッドが決まるルールだった。ベストタイムがレース1、セカンドベストタイムがレース2のグリッド順となる。
両タイムともにトップを記録した野左根航汰(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)がダブルポールポジションを獲得。ポール会見では「レースができることが嬉しい」と語った。
午後に行われたJSB1000クラスのレース1のグリッド1列目はヤマハが独占。ヤマハブルーが目立ったグリッドだった。
スポーツランドSUGOの名物である電光掲示板には『開幕』と書かれており、4カ月遅れでようやくレースが行われたことをライダーもファンも嬉しかっただろう。
ライダーがグリッドに着いている時にはピット前に各チームのTカーが並ぶ。グリッドウォークやピットウォークがなかったため今季型マシンを眺める機会は少なかったが良い光景だった。
レース中は1~S字コーナーまでよく見える位置に多くの観戦客が集まっていた。
レース後のパルクフェルメでは表彰台を獲得したライダーたちとチームスタッフの笑顔が多く見られた。しかしソーシャルディスタンスを守らなければならないため、ライダーとチームスタッフは表彰式後に声を掛け合っていた。
表彰台に登場した清成と野左根はグータッチ。久々のレースでの表彰台に喜びを表した。
■イベントスペースでは多数の新型マシンが展示