MotoGP第2戦スペインGPで右上腕骨折のケガを負ったマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)の欠場が続き、第8戦エミリア・ロマーニャGPまでの7戦で表彰台を獲得できないレースが続いているホンダ勢。
マルクに続いてカル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)もスペインGPで左手舟状骨を骨折し、手術を受け復帰したものの、その影響から右前腕の腕上がり症状に苦しんだ。第7戦サンマリノGPを前にその解消手術を受けたものの、術後の右前腕の状態が悪く、初日のセッションを終了した後、ドクターストップにより欠場を余儀なくされ、続くエミリア・ロマーニャGPも欠場した。
さらにエミリア・ロマーニャGPではマルクの代役として参戦しているテストライダーのステファン・ブラドルが、右ヒジに問題を抱えてフリー走行2回目以降の参戦をキャンセルするなど、ホンダは中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)とアレックス・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)のふたりのみで参戦する状況となった。
中上はMotoGPクラス3年目となる今シーズン、大きな飛躍を果たし、トップライダーの一員に成長。表彰台まであと一歩に迫る活躍を見せている。ルーキーのアレックス・マルケスは、サンマリノGPまで苦戦が続いていたが、サンマリノGP後のテストで何かをつかみ、エミリア・ロマーニャGP決勝朝のウォームアップセッションではMotoGPクラスで初めてトップタイムを記録。決勝でもトップ10圏内を走行した。
中上とアレックスは、最終的に6位争いの接戦を展開。中上が6位、アレックスがMotoGPクラスベストリザルトとなる7位に入賞した。エミリア・ロマーニャGPを終えてふたりは次のように語っている。
「6位でフィニッシュできてとてもうれしい。12番グリッドからスタートしてトップ6に入るのはとても大変だった。特にレース序盤は大きな集団となり、フロントのフィーリングに苦戦した。でもセクター3で力強い走りができてセクター4で何人かをオーバーテイクすることができ、最後までラップタイムも安定していた。厳しいグリッドから6位を獲得できたのでうれしいし、チームに感謝したい。昨日は大きな転倒を2度してしまい、彼らは夜通しマシンを直してくれた。彼らの努力に本当に感謝したい。また、この2週間すばらしい仕事をしてくれたすべてのスポンサーとチームにも感謝したい」と中上。
「先週の日曜日と、特にそのあとのテストで前進することができた。それを今週末につなげることができた。レースウィークを通してとても強さを感じ、コンスタントに前進できた。レースではいいスタートを切ることができ、序盤はアグレッシブな走りができたのでうれしい。序盤はいいフィーリングがあって、(アンドレア・)ドヴィツィオーゾの後ろをキープできたが、残り3周で危ない瞬間があり、エアバックが作動して、中上にパスされてしまった。それでもトップ10のペースがあったので満足している。一生懸命取り組んでくれたチームに感謝している。徐々に強くなってきている。次のカタルニアが楽しみだ」とアレックス。
欠場が続くマルクだが、エミリア・ロマーニャGPの翌週にコメントを発表。サイクリングやランニングなどのトレーニングに取り組み、復帰をめざしていることを明らかにした。マルクは次のようなコメントを残している。