2020年シーズンはマルク・マルケスにとって例年とは違うものになっている。レプソル・ホンダのライダーであるマルケスは、シーズンの最初のラウンドで負った怪我のために、レースを自宅で観戦せざるを得ないのだ。レースを家で観戦するのは辛いことだが、マルクはトレーニングを継続しており、時期が来ればサーキットと彼のホンダRC213Vのもとへ戻れるように努力している。
マルケスは9月25日~27日に開催された母国レースであるMotoGP第9戦カタルーニャGPを前にして、2020年シーズンについて、そして身体およびメンタル面でのコンディション、レプソル・ホンダ・チームのパフォーマンスについて思いを語った。
──マルク、身体面とメンタル面の調子はどうですか?
マルケス:身体的には、今は良い状況にあるよ。もちろん、僕の普段のレベルにははるかに及ばないけれどね。実のところ、先週からランニングとサイクリングを始めたんだ。有酸素運動の点では、両脚と左腕のコンディションはとても良いよ。右腕については、まだ大分回復させる必要があるね。でもさらにエクササイズを始めるようにしているところだ。ジムでもう少し本腰を入れてトレーニングすることを楽しみにしている。でも今のところはタイミングを見計らって辛抱強くならなければね。
メンタル面では、最初は辛かったよ。家にいても何もすることがない。日数や時間までもがとても長く感じた。でも今は毎日の日課がある。理学療法を2セッションやってから、ジムでトレーナーと左腕と両脚のトレーニングをする。有酸素運動もしながらね。だからメンタル面でははるかに良い気分になっている。
一番酷かったときには、レースウィーク中にプラクティスセッション全部とレースをテレビで見ていたけれど、心安らかではいられなかった。そうしたこととは別に、僕はいま幸せだと言える。なぜならすでに僕たちは前に進んで行けていると感じているからだ。
──先週、あなたがすでにプロテクションをつけてトレーニングをしているのを目にしました。今でもそれを使用しているのですか?
マルケス:そうだね。僕たちにはいくつか違ったタイプのプロテクションがある。最初のうちはたくさんのプロテクションをつけていた。手から肘の上までつけていて、完全に動きが制限されていた。そして徐々に、ソーシャルメディアに投稿したこのカーボン製プロテクションを使うようになった。これは肘から肩までのものだ。
今では、特にサイクリングなどのトレーニング以外の普段の生活でプロテクションはつけていない。あのカーボンのプロテクションはまだ使えるんだ。骨と腕を正しい位置で支えてくれるからね。これからはプロテクションのことは忘れていくだろう。うまくいけば来週、すべての活動でプロテクションを外すことができそうなんだ。
──またトレーニングができてどのような気分ですか?
マルケス:サイクリングとランニングを始めた。4、5週間ずっとソファでテレビを見ていたから、もっときつく感じると予想していたんだ。でもランニングを始めて初日からすぐに良い気分になったし、回復し始めているのが分かった。サイクリングのときもそうだった。
一番難しいのは右腕の筋肉だけれど、それでも予想していたよりはいい状態だ。筋肉はまだ残っていて、ちゃんと動くよ。一番重要なのは、すべての動作ができることで、理学療法士のカルロスと一歩一歩進めているところだ。彼は僕の家に泊まり込んでいて、僕たちは回復のために懸命に取り組みを始める予定だ。適切なタイミングと段階を経てね。
──これまでトレーニングができなかったことは残念でしたか?
マルケス:特に最初の2週間はトレーニングがしたかったね。でもそれよりやりたいのはバイクに乗ることだ。今の状況なら小型のバイクに乗ることは望めるが、今の時点では医師から指示されたタイミングと経過を守らなければならない。準備はできたと感じ始めている。でもこれは少々危険なことなんだ。なぜなら、準備ができたと思うと、より多くのことをやりたくなる。でも自分の身体の声を理解しようとしなければならない。
──すでに先週のランニングを見て、多くのファンがあなたがすごく速いと言っていますよ!
マルケス:驚いたよ。通常の僕のランニングのペースは1kmあたり3分50秒だけど、この間は4分10秒だったから良いペースだったと言える。次の日はくたくただったけれどね!
僕の足は完全に力がなかったけれど、その後の1週間で3回走り、サイクリングも1回やった。ベースとなる運動量はそのくらいのようだ。だから体力面では復帰の準備ができたと感じているけれど、でも腕についてはまだだね。