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MotoGP ニュース

投稿日: 2020.10.03 08:30
更新日: 2020.10.02 19:29

優勝まであと一歩、ダブル表彰台で勢いに乗るスズキ/MotoGP第9戦レビュー(2)

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MotoGP | 優勝まであと一歩、ダブル表彰台で勢いに乗るスズキ/MotoGP第9戦レビュー(2)

 MotoGP第9戦カタルーニャGPでチーム・スズキ・エクスターのジョアン・ミルが2位、アレックス・リンスが3位に入賞し、2015年にMotoGPクラスに復帰して以来、スズキのライダーが初めてダブル表彰台を獲得した。

 スズキは4ストローク990㏄MotoGPマシン時代の2002年よりV型4気筒エンジンを搭載したGSV-RでMotoGPクラスに参戦。800cc時代の2007年にはジョン・ホプキンスがランキング4位を獲得した。しかし、800cc時代最後の2011年いっぱいでMotoGP活動を休止。2012年より始まる1000cc新規定に合わせて新型マシンを開発し、2015年よりMotoGP活動再開に至る。

 GSX-RRと名付けられた1000ccマシンは直列4気筒エンジンを搭載し、参戦初年度の2015年は予選でポールポジションを獲得、表彰台獲得はならなかったものの、アレイシ・エスパルガロがランキング11位、ルーキーのマーベリック・ビニャーレスがランキング12位とまずまずの活躍を収めた。

 2年目の2016年にはビニャーレスがイギリスGPで優勝を達成。ランキング4位を獲得し、GSX-RRは復帰2年目でコンセッションを返上する。コンセッションとは新規参戦メーカーに対する年間エンジン使用基数やエンジン開発の優遇措置だ。同じようにコンセッションを持つメーカーとして2016年からMotoGPクラスに参戦したKTMが5シーズンかけて今年ようやく返上。2015年から参戦しているアプリリアはいまだコンセッションを受けている状況にある。

 2017年にはライダーラインナップを一新、アンドレア・イアンノーネと、Moto2から昇格したばかりのルーキー、アレックス・リンスとのコンビとなった。しかし、この年は前年度の課題を解消するためのエンジン仕様の改良が裏目に出て、シーズン中盤まで苦戦を強いられる。

 エンジン開発が凍結されたことで、シーズン中はエンジン本体の変更はできず、開発陣は周辺パーツの改良で対応すると、シーズン終盤にはレース結果が改善。続く2018年は再びコンセッションを受けることになったが、ふたりのライダーで通算9回表彰台に立つ活躍を収め、あっさりとコンセッションを返上した。

 そして、2019年、リンスがエースとなり、Moto2から昇格したジョアン・ミルが加わる。リンスはアメリカズGPで初優勝を達成、イギリスGPではマルク・マルケス(ホンダ)に競り勝って2勝目を記録し、ランキング4位を獲得。ミルも5位を最高位にランキング12位となり、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得するなど、スズキは若手ライダーを起用しながら、結果を残し、タイトル獲得を射程圏内に入れた。

 2020年はスズキにとってグランプリ参戦60周年の記念すべきシーズン。2020年型GSX-RRには世界グランプリに初参戦した、1960年のマン島TTレース参戦当時のファクトリーマシンをイメージしたブルーとシルバーの記念カラーリングが施された。今年は新型コロナウイルスの影響で変則的なシーズンとなってしまったが、スズキのふたりのライダーは開幕前のテストからリンス、ミル共に上位につけ、好結果が期待されていた。

 ところが、MotoGPシーズンの再開となったスペインGPの予選Q2でリンスが転倒し右肩を負傷、決勝を欠場してしまう。ミルも決勝は転倒リタイアに終わり、初戦からスズキ勢は苦しい戦いとなった。しかし、ミルは第5戦オーストリアGPでMotoGPクラス初表彰台となる2位に入賞。以後、トップ争いの常連となり、第7戦サンマリノGPから第9戦カタルーニャGPまで3戦連続で表彰台に立つ活躍を見せ、カタルーニャGP終了時点でランキング2位に浮上した。リンスはケガの影響に苦しんだものの、コンスタントに入賞を続け、カタルーニャGPでついに今シーズン初表彰台となる3位入賞を果たす。初戦のケガさえなければ、リンスはミルと同じような活躍を収めていたはずだ。

■次のページへ:ミル「ダブル表彰台を達成できたことが本当にうれしい」


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