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MotoGP ニュース

投稿日: 2020.10.16 13:02
更新日: 2020.10.16 13:24

ウエットコンディション下でのタイヤ選択が明暗/MotoGP第10戦フランスGPレビュー(2)

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MotoGP | ウエットコンディション下でのタイヤ選択が明暗/MotoGP第10戦フランスGPレビュー(2)

 MotoGP第10戦フランスGPのMotoGPクラスは決勝スタート直前に雨が降り始め、波乱のレースとなった。ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ・チーム)が序盤の接戦を抜け出して独走。最後は追い上げてきたアレックス・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)らに接近されたものの、逃げ切って優勝し、今シーズン7人目の勝者となった。10戦で7人のライダーが勝ち星を収める混戦。唯一、ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)が3勝を記録してランキングトップをキープしているが、チャンピオン争いもまだまだ接戦が続いている。

 フランスGPは通常5月開催のスケジュールだが、これまでもル・マンでは天候が不安定なレースが多かった。今年は新型コロナウイルスの影響で開催日程が10月となり、今回のMotoGPクラスの決勝はMoto3クラスの後、2番目の決勝レースとして、いつもより1時間早い午後1時スタートとされた。公式データでコンディションを比較すると、昨年より気温が3度低く、路面温度は5度低かった。

 そして、グリッドに着き、ウォームアップラップが始まろうとするころに雨が降り始め、スタートディレイとなってしまう。各ライダーとチームはわずかな時間でタイヤ選択を決め、レインタイヤに履き替えたマシンで今シーズン初となるウエットレースに臨むことになった。今回のウィークでウエットだったセッションはFP1のみ。FP2はウエットで始まったが、セッション中盤以降、路面コンディションは回復し、スリックタイヤで走ることができたため、ウェットのデータに関しては各ライダーとも、十分ではなかった。

 優勝したペトルッチはフロントにミディアム、リヤにソフトのニュータイヤを選択。3番グリッドからスタートしたペトルッチは1周目をトップで終えると、接戦が続いたトップ争いをリード。結果的には一度もトップの座を譲ることなく、そのままチェッカーを受けた。

2020年MotoGP第10戦フランスGP ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ・チーム)
2020年MotoGP第10戦フランスGP ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ・チーム)

 2位に入賞したアレックス・マルケスもフロントにミディアム、リヤにソフトを選択。フロントは4周走ったユーズド、リヤはニュータイヤという組み合わせだった。アレックスは、18番グリッドからのスタートにも関わらず、1周目に10番手まで挽回しており、その後も次々に前走者をパスすると、残り7周で3番手、残り3周で2番手に浮上し、MotoGP初表彰台となる2位に入賞。タイヤ選択がうまく決まったことも好結果につながった。

 3位に入賞したポル・エスパルガロ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)はフロント、リヤ共にソフトのニュータイヤを選択。序盤からトップ集団の後方につけていたが、終盤にアレックスに交わされ、3位となった。レース後、「13、14周目あたりからフロントタイヤのパフォーマンスが低下し始めた。路面が乾き始めたラスト3周は、リスクを背負った。フロントにミディアムを選んだアレックスの戦略は最善だった」と語っている。

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