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MotoGP ニュース

投稿日: 2020.10.28 08:15
更新日: 2020.10.28 12:17

【レースフォーカス】スズキのミルがランキングトップをキープ。12戦を終えてなお、混とんとするタイトル争い/MotoGP第12戦

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MotoGP | 【レースフォーカス】スズキのミルがランキングトップをキープ。12戦を終えてなお、混とんとするタイトル争い/MotoGP第12戦

 2020年シーズンのMotoGPはすでに12戦を終えた。しかし、チャンピオンシップはいまだ落ち着きを見せない。第12戦テルエルGPのヤマハの明暗、KTMの躍進、そして残り3戦となった今季のチャンピオンシップについて触れていく。

■モルビデリの快勝とビニャーレス、クアルタラロの消沈

 スペインのモーターランド・アラゴンで2戦連続開催となったテルエルGPは、フランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)がほぼ独走で優勝を飾った。レース中盤までは、2番手のアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)が0.5秒ほどの差を維持して後方につけていた。しかし、残り6周になるころにはその差が1秒になり、最後には2秒以上になった。モルビデリはオープニングラップの5コーナーで中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)が転倒を喫したあとにトップに立つと、そのままレースをリードし続けたのだった。

「フランコは本当に素晴らしく、先週よりも速かった。僕はオーバーテイクするチャンスがなかったよ」というリンスの言葉が、モルビデリの今回の強さを証明している。モルビデリが決勝レース後の会見で語ったところによれば、テルエルGPのセッションでは「ユーズドタイヤで周回を重ね、タイヤのグリップが落ちたときに向けてバイクをセッティングしてきた。それがうまくいった」のだそうだ。

 一方、同じヤマハ勢のマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は7位、ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)は8位だった。

2020年MotoGP第12戦テルエルGP マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)
2020年MotoGP第12戦テルエルGP マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)

 ビニャーレスは、フリー走行4回目では走り込んだタイヤでのタイムもよく、自信があったという。しかし、決勝レースでは「(自己ベストの)1分48秒5を出してから完全になにもかも失ってしまった。チャタリングが多かったんだ。問題はタイヤとセッティング。今日は自分のポテンシャルにはほど遠く、最後にはバイクにとどまろうとただ、クルージングしていた」という状態だった。

 また、クアルタラロも決勝日午前中のウオームアップセッションでは感触がよかったものの、決勝レースが始まってみればそのフィーリングががらりと変わったと語る。「フィーリングもグリップも、トラクションもなかった。どうしてなのかわからないよ」

 ビニャーレスとクアルタラロはレース序盤にペースが落ち、1分49秒台のタイムで周回していた。対するモルビデリが1分49秒台のラップタイムを記録し始めたのは、終盤の18周目から。このラップタイムを見るだけでも、ビニャーレスとクアルタラロがモルビデリよりも苦戦を強いられていたことがわかる。

 ちなみに走らせているマシンの側面から見れば、ビニャーレスとクアルタラロは2020年型、モルビデリは“Aスペック”。モルビデリ曰く「新しいヤマハのバイクは、僕のM1と比べてかなりの強みがあり、そして弱みもある」とのこと。もちろん、バイクの違いがこの結果を生んだすべてではないだろう。ただ、ヤマハ勢のなかで明暗が分かれる結果となったのは確かである。

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