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MotoGP ニュース

投稿日: 2020.11.08 23:15
更新日: 2020.11.09 11:36

MotoGP第13戦:ミルが最高峰クラス初優勝を飾り、スズキが38年ぶりのワン・ツーフィニッシュ。中上は惜しくも4位

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MotoGP | MotoGP第13戦:ミルが最高峰クラス初優勝を飾り、スズキが38年ぶりのワン・ツーフィニッシュ。中上は惜しくも4位

 MotoGP第13戦ヨーロッパGPの決勝レースがスペイン・バレンシアのリカルド・トルモ・サーキットで行われ、MotoGPクラスはジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)が最高峰クラス初優勝を飾った。2位にはアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)が入り、スズキが1982年以来の最高峰クラスにおけるワン・ツーフィニッシュを果たした。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は4位でフィニッシュし、インディペンデントチームのライダーのトップだった。

 ヨーロッパGPが行われた週末は金曜日、土曜日が雨が落ち、ウエットコンディション。決勝日の午前中に行われた20分のウオームアップセッションではドライコンディションとなり、スリックタイヤを履いての走行となった。ただ、MotoGPクラスの決勝レースが始まるころは、いまだ1コーナーイン側にウエットパッチが残る状況。

 気温22度、路面温度は27度で決勝レースが始まった。なお、前日の予選で6番グリッドを獲得したアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)は、Q2で青旗を無視したことから3グリッド降格のペナルティが科され、9番グリッドからのスタート。また、マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は、ヨーロッパGPの初日にシーズンで定められた上限数を上回る6基目のエンジンを投入したために、ピットレーンからのスタートとなった。

2020年MotoGP第13戦ヨーロッパGP
2020年MotoGP第13戦ヨーロッパGP

 ホールショットを奪ったのは、ポールポジションのポル・エスパルガロ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)、2番手にンス、3番手には中上、そしてミル、ミゲール・オリベイラ(レッドブルKTMテック3)、ヨハン・ザルコ(エスポンソラーマ・レーシング)などが続く。6コーナーでミルが中上をオーバーテイク。中上は4番手に後退する。

 オープニングラップでは8コーナーで、チャンピオンシップのランキング2番手につけるファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)が、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)とともにクラッシュを喫する。確認できる限りでは、ふたりに接触はなかったようだ。クアルタラロはこの週末を通じて苦戦を強いられていたが、決勝レースでも転倒という苦渋を味わうことになった。クアルタラロはその後、レースに復帰した。

 上位陣はP.エスパルガロ、リンス、ミルの順。2周目にはリンスがP.エスパルガロを交わし、トップに浮上する。中上はオリベイラに交わされ、5番手に後退してしまう。

 3周目を迎えるころ、ブラッド・ビンダー(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)にロングラップ・ペナルティのサインボードが出される。ビンダーは前戦テルエルGPの決勝レースにおいて、1周目2コーナーでジャック・ミラー(プラマック・レーシング)と接触、転倒。ロングラップ・ペナルティはこれに対して科されたペナルティである。

 その翌周には、ミルがP.エスパルガロを交わして2番手に浮上。リンス、ミルのスズキがワン・ツー体勢を築く。6周目にはミルがファステストラップを叩き出し、トップのリンスを追う。リンスとミルの差は0.3秒ほどの僅差であるが、同時にミルと3番手のP.エスパルガロとの差も0.4秒ほどで、4番手のオリベイラまでが1秒以内。その約0.5秒後方に中上が5番手でつける状況。中上にはさらに、ザルコが迫る。中上はフロントにハードタイヤ、リヤにミディアムタイヤを履くが、ザルコはフロント、リヤともにソフトタイヤを選択している。

 レース折り返しの14周を迎えても、上位陣の差はほとんど変わらない。リンスがトップ、2番手がミル、3番手がP.エスパルガロ。それぞれの差はオーバーテイクを仕掛けるほどの僅差ではないが、独走と言うほど大きなものでもない。4番手のオリベイラ以下に対し、少しずつ、トップ3が差を広げていく状況。中上はオリベイラの約0.5秒後ろをキープする。

 16周目、中上が4番手を走っていたオリベイラをオーバーテイク。4番手を奪還した。この時点で、3番手のP.エスパルガロとは約2秒の差がある。中上のラップタイムはトップ3とほぼ変わらない。

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