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MotoGP ニュース

投稿日: 2020.11.12 17:27
更新日: 2020.11.12 17:59

着実に前進しインディペンデントライダーのトップに位置する中上貴晶/MotoGP第13戦レビュー(2)

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MotoGP | 着実に前進しインディペンデントライダーのトップに位置する中上貴晶/MotoGP第13戦レビュー(2)

 MotoGP第13戦ヨーロッパGPで中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)が、第2戦アンダルシアGPに続いて、MotoGPクラスベストタイとなる4位に入賞した。前戦テルエルGPではポールポジションからスタートし、トップを走りながら1周目に転倒に終わっていた中上だが、ヨーロッパGPの舞台となるバレンシアは、昨年、右肩に負ったケガの治療のため欠場しており、MotoGPクラスではルーキーイヤーの2018年以来のレースとなった。加えて、初日から雨続きで予選まではトリッキーな路面コンディション。さらに決勝日はドライコンディションとなるなど、全員が同じとは言え、難しい条件のレースとなった。

 そんな状況の中、中上はフリー走行総合4番手でQ2に進むと、Q2では終盤のアタックラップ中に転倒を喫してしまったものの、3番手、2戦連続でフロントロウを獲得する。最後の転倒もプッシュしすぎた結果で、攻める気持ちは健在だった。

 ドライコンディションとなった決勝は、1周目にジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)に交わされ4番手、2周目にはミゲール・オリベイラ(レッドブルKTMテック3)に交わされ5番手に下がってしまう。常にトップが見える位置で周回を重ねた中上だったが、オリベイラの前になかなか出ることができず、その間に先行する3台とは少しずつ差が広がって行った。パッシングのためにラインを外すと転倒のリスクが高いためか、今回のレースは全体的にパッシングシーンが少なく、それはトップグループでも同様だった。

 レース中盤にオリベイラをようやくパスした中上は、そこからペースを上げてトップ集団との差を縮めていく。この時点でトップに立っていたミルは逃げ切りに入っており、2番手のアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、3番手のポル・エスパルガロ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)もポジションを争うことなく、周回を重ねていた。表彰台を目指して、最後までプッシュした中上は、終盤にポル・エスパルガロとのギャップを縮めていく。いっぽう中上に交わされたオリベイラは、ついていくことができず、あっという間に後方に下がって行った。

 27周のレースの26周目に全体で2番手となるレース中の自己ベストラップを記録した中上は、ポル・エスパルガロにコンマ8秒差まで迫るが、勝負をしかけるには至らず、4位でゴールした。ていねいなスロットルワークに定評がある中上は、タイヤへの負担も少ない走りで、レース後半戦までタイヤをキープできると言われている。今回のレースは改めてそれを証明する結果となった。

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