MotoGP第14戦バレンシアGPの予選がスペインのリカルド・トルモ・サーキットで行われ、MotoGPクラスはフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)が2020年シーズン2度目のポールポジションを獲得した。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は3戦連続のフロントロウを獲得。また、タイトル獲得がかかるジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)は12番手で、決勝レースを4列目から迎える。
予選日からはイケル・レクオーナ(レッドブルKTMテック3)が出走予定だったが、バレンシアに到着後に受けたPCR検査で陽性の結果となり、今大会も欠場となった。レクオーナは前戦ヨーロッパGP前に、アシスタントである弟がPCR検査で陽性となったため、レクオーナは濃厚接触者として拠点とするアンドラ公国の法律により10日間の自己隔離を余儀なくされ、ヨーロッパGPを欠場していた。
MotoGPクラスのフリー走行3回目前に行われたMoto3クラスのフリー走行3回目では、セッション中に小雨が落ち始める。しかしMotoGPクラスのセッションが始まるころには、部分的にコース上にうっすらと陽が射す様子が確認できるようになった。
ただ、こうしたコンディションからセッション序盤から走行するライダーは少なく、アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)やポル・エスパルガロ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)など4名ほどがコースイン。レインタイヤで走行を行った。
セッション開始15分を過ぎるころになると、走行するライダーはスリックタイヤを履くようになり、少しずつコースインするライダーが増えていく。ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)はこのタイミングで、ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)は少し遅れてコースイン。初日総合16番手だったクアルタラロ、転倒し総合12番手だったミルは、このセッションで初日を上回るタイムをマークできなければQ1から予選に挑まねばならない。
セッション後半にはすべてのライダーがスリックタイヤで走行を実施。しかし、全体的にいまだ前日のタイムには届かない状況。残り時間5分を切って、セッション終盤のアタックが始まる。まずビニャーレスが前日のタイムを更新してセッション2番手に浮上。さらにP.エスパルガロがタイムを更新したのに続き、フランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)が、初日総合トップのジャック・ミラー(プラマック・レーシング)のタイムを上回る1分30秒168のトップタイムをマークする。
最終的にセッショントップはモルビデリ。P.エスパルガロが2番手、ヨハン・ザルコ(エスポンソラーマ・レーシング)が3番手で、ビニャーレスは4番手。5番手は終盤のアタックでタイムを更新したミルが入り、3回のフリー走行の総合としても7番手に入った。
中上はセッション6番手、総合としても6番手で予選Q2へのダイレクト進出を決めている。一方、クアルタラロはセッション9番手だったものの総合としては11番手。また、リンスはセッション11番手、総合15番手で、チャンピオンシップのランキング2番手、3番手のふたりが予選をQ1から臨むことになった。
フリー走行4回目はスタートからドライコンディションで行われ、トップはリンス、2番手には中上がつけた。3番手はザルコ、4番手はモルビデリで、5番手にミル。11番手がビニャーレス、そしてクアルタラロは16番手だった。