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MotoGP ニュース

投稿日: 2020.11.25 08:15
更新日: 2020.11.27 20:37

【レースフォーカス】クラッチローとドヴィツィオーゾ、“別れ”のレースとなった最終戦/MotoGP第15戦ポルトガルGP

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MotoGP | 【レースフォーカス】クラッチローとドヴィツィオーゾ、“別れ”のレースとなった最終戦/MotoGP第15戦ポルトガルGP

 2020年シーズンのMotoGP最終戦、ポルトガルGPではいくつかの“別れ”があった。そのなかから、カル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)とアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)に焦点を当てていく。このふたりについて、ポルトガルGPが『ラストレースだった』という表現は適切ではないだろう。ただ、ひとつの別離のレースだったことは確かだ。

■クラッチロー、すべてを尽くした“ラストレース”

 既報の通り、クラッチローは2020年シーズンをもってLCRホンダ・カストロールを離脱。11月13日にヤマハによって発表されたように、2021年はヤマハのテストライダーに就任する。スーパースポーツ世界選手権(WSS)とスーパーバイク世界選手権(SBK)参戦時代にはヤマハを駆り、その後、2011年にMotoGPへ戦いの場を移したときも、当時のモンスター・ヤマハ・テック3から参戦した。クラッチローにとっては古巣へ舞い戻ったと言えるかもしれない。

 そんなクラッチロー、今季をおおよそ振り返ってみると、初戦となったスペインGPでの左手舟状骨骨折から始まり、多くの怪我を抱えたシーズンだった。そうしたシーズンの締めくくりとして迎えたフル参戦ライダーとして、そしてLCRホンダ・カストロールから参戦するラストレースでは、4番グリッドからスタート。5番手付近を走行していた。ただ、残り5周の1コーナーでオーバーランを喫し、大きくポジションダウン。13位フィニッシュだった。

「感動的な終わりだったよ。レースではすべてを尽くした」とレースを振り返るクラッチロー。ただ、結果は期待したものではなかったようで「結果にはがっかりしている。いいグリッドにいたから、いいポジションで終わることができるかもしれないと思っていた。でも、リヤタイヤがかなり消耗してしまった。それから、序盤におそらくトラクションコントロールが足りなかったのかもしれない」と言う。それでも、クラッチローにとっては最後のレースでチェッカーを受けることが大事だった。「フィニッシュできてうれしい」とも語った。

 上述のように、クラッチローは来季、ヤマハのテストライダーとなる。ワイルドカードや代役としてレースに参戦する可能性は、もちろんあるだろう。それでもこのポルトガルGPがクラッチローにとって区切りのレースとなったことは間違いなく、また、その心境はレギュラーライダーとしてのそれとは少し違う場所に移動しつつあるようだった。レース後、クラッチローはこう話している。

「安心感があるよ。さっきも言ったように、終わったと感じている。すべてのチャンピオンシップで、やりたかったことをすべてやったと思う。レースに導くのは、多くの決意だと言ったのは僕が最初だ。たぶん、僕は最も才能がなかったけれど、だからこそ長く続き、欲求があった。朝起きたときにモチベーションがなければ、引退するといつも言っていた」

「でもまだ、朝起きても、バイクやトレーニングなどを続けるモチベーションがあるよ。ただ、もう自分がしたいようなレベルで競い合うことができない。とてもシンプルなんだ。僕はまだ速い。でも、今季のチャンピオンシップでわかる。家にいたいという気持ちになった」

 今後数週間の予定を問われると、プライベートな一面が混じった。愛妻家であり、家族思いのクラッチローらしい、微笑ましいコメントだ。

「家に帰るよ。家族と一緒に過ごす。3週間も会っていないからね。今年、(妻の)ルーシーとはあまり会っていないし、(娘の)ウィローもパパに会っていない。今年は僕もウィローとたくさん会えていなかった。そして、間違いなく僕はルーシーとたくさんの時間を過ごしてきて、ウィローが生まれてからは、いつも一緒につれていた。だから、今年はいつもとは違っていた。家に帰るのが待ちきれないよ」

 チームやライダーばかりではなく、取材で向き合うジャーナリストからもレギュラーライダーを退くことを惜しまれていたクラッチロー。愛され続けるライダーは、こうも言った「僕は一歩下がって、友人や若いライダーが頑張るのを見ているよ」。それは、現状のクラッチローの心境を思わせる言葉だった。

■ランキング4位で苦戦のシーズンを終えたドヴィツィオーゾ


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