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MotoGP ニュース

投稿日: 2020.12.26 08:00
更新日: 2020.12.25 19:13

MotoGP:スズキ、前半戦のパフォーマンスは80%と評価/2020年シーズン振り返り(1)

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MotoGP | MotoGP:スズキ、前半戦のパフォーマンスは80%と評価/2020年シーズン振り返り(1)

 MotoGP第9戦カタルーニャGPのプレスカンファレンスで開かれたエンジニアたちのテックトーク。スズキ、ホンダ、アプリリアの3チームが前半戦をどのように評価していたか改めて振り返ってみよう。

■河内健:チーム・スズキ・エクスター テクニカルマネージャー
「我々はおおよそ自分たちのパフォーマンスに満足している。パフォーマンスについては80パーセントくらいかもしれない。進歩はそう大きなものではなかったが、2019年からバイクを改善することができたし、ファクトリーも良い仕事をしている。ライダーたちは向上したし、チームも素晴らしい仕事をしている」

「我々の目標は、乗りやすさを犠牲にすることなく馬力を常に少しずつ上げていくことだ。2020年と2021年は仕様を変えることはできないので、非常に慎重に取り組んでいる」

■横山健男:HRCテクニカルマネージャー
「ライダーが何人も負傷してしまうと、すべての面で困難になる。それでもまだ我々には優れたライダーたちがいる。アレックス(・マルケス)はルーキーだが、彼は成長しており、良いフィードバックを与えてくれた。カル(・クラッチロー)は怪我をしている時でさえ、多くのことを試み、優れたフィードバックを送ってくれる。そしてタカ(中上貴晶)についてはお分かりのように、大きな成長を遂げ、チャンピオンシップの上位で戦っている。マルク(・マルケス)がいないことで、状況がさらに難しいのは事実だが、多くのフィードバックがもたらされている。我々は最大限の努力をし、自分たちの道を進んでいる」

「(9月15~16日に行われた)ミサノテストは我々にとって大成功だった。ミサノでの1戦目(第7戦サンマリノGP)と2戦目(第8戦エミリア・ロマーニャGP)のリザルトを比べてみると分かると思うが、我々はテストを間に挟みながら何歩も前進した。実際のところ、少しずつすべての領域に取り組んでいたのだ。来年はエンジンを変更できない。主にシャシーの作業とミシュランタイヤをどう使いこなすか理解しようとしている。昨年から今年にかけて、彼らは特にリヤタイヤの構造を変更しているからだ。いまはすべての面について懸命に取り組んでいるよ」

2020年ミサノテスト:アレックス・マルケス
2020年ミサノテスト:アレックス・マルケス

■パオロ・ボノラ:アプリリア・レーシング トラックマネージャー
「冬期テストの間、我々は昨年のバイクと比べてアプリリアRS-GP2020の大きな改善を目の当たりにした。残念ながらシーズン開幕当初からエンジンの信頼性に問題があった。そのため他のマニュファクチャラーにピストンのスペックを認証されているものから変更してくれるよう依頼した。ありがたいことにその後、変更することができた」

「また我々はエンジン面においても懸命に作業をしていた。なぜならセパンと、冬に行った最初のテストにおいて、バイクはコーナリングに優れており、変更の方向性が間違っていないことがわかったからだ。しかしエンジン面では多少欠けている面があったので、重要なポイントはエンジンに取り組むことにあった。確実に馬力を増強するようにした。ライダーにとって馬力が大きすぎるということはないからね」

「そしてエンジンの信頼性にも取り組んだ。ライダーに最大限の加速と自信を与えるために、当初のエンジンの感触からより良い結びつきを見つけ出そうとした。しかし、その時点では我々のバイクに改善が見られなかった。なぜならライダーがひとりしかいなかったからだ。ブラッドリー(・スミス)は優れたテストライダーだが、アンドレア・イアンノーネ(※)がコースに出ていたら、我々にとって状況は異なったものになったはずだ。我々は大いに悩んだ。その時にはバイクの開発のために激しくプッシュできるのはアレイシ・エスパルガロしかいなかった。また、ブラッドリーにバイクに乗る際、オフィシャルライダーとしての自信を与えらえるよう模索した」

「新型コロナウイルスはすべてのマニュファクチャラーにエンジン開発、そしてバイク開発において大きな困難をもたらした。我々の場合、レースウイーク中にできるだけ多くのテストを行おうとしているが、ライダーのパフォーマンスを失うことなしにテスト関連のことを行うのは難しいことだ。今はテストチームに集中しているが、ブラッドリーをレースに出すのは難しい。しかしレースウイーク中にブラッドリーといくつかテストを行えるようにベストを尽くしているところだ」

※MotoGPライダーのアンドレア・イアンノーネ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)は、ドーピング陽性反応により2019年12月17日から2021年6月16日までの18か月間の出場停止処分となっていた。その後スポーツ仲裁裁判所(CAS)は、イアンノーネに対し2023年12月16日までの4年間の資格停止を科すことを新たに発表している。

※MotoGP第11戦アラゴンGPのテックトーク:ヤマハ、ドゥカティ、KTMによる前半戦の振り返りへ続く


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