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MotoGP ニュース

投稿日: 2020.12.31 13:28

全日本ロード:初代王者の高橋裕紀が語るST1000クラスの特徴やマシンセッティング

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MotoGP | 全日本ロード:初代王者の高橋裕紀が語るST1000クラスの特徴やマシンセッティング

 2020年に全日本ロードレース選手権のST1000クラスで初代チャンピオンを獲得した高橋裕紀(日本郵便 HondaDream TP)。今季スタートしたST1000クラスと新型マシンのホンダCBR1000RR-Rのセッティングについて説明した。

 全日本ロードで2020年に新設されたST1000クラスはJ-GP2クラスにかわるカテゴリーで、ベースマシンは1000ccの市販スーパースポーツとなる。ベースマシンはJSB1000クラスと同じだが改造範囲が狭く、より市販状態に近い状態で戦うこととなる。

 ブレーキは市販車のキャリパーを使わねばならず、ほかにダンロップのスリックタイヤのワンメイクで行われており、コスト高騰を防ぐためにパーツの買取規制が設けられている。

2020年全日本ロード最終戦鈴鹿 ST1000:高橋裕紀(日本郵便 HondaDream TP)
2020年全日本ロード最終戦鈴鹿 ST1000:高橋裕紀(日本郵便 HondaDream TP)

 全日本ロードではGP125、GP250、J-GP2、JSB1000と数多くのカテゴリーに参戦してきた高橋はST1000クラスについては「チーム力、バイクメーカーの力が勝敗を分けること」が特徴だと語る。

「JSB1000クラスのファクトリーチームは別世界というイメージがありますが、地方選手権を戦っている誰もが同じバイクとタイヤを用意することができるのが面白いところです。1000ccのなかでも同じパッケージで同じサーキットを走ることができるのが良いことだと思っていて、言い訳ができないカテゴリーだと思うので、若手が育って行ってくれたらいいなと思っています」

2020年全日本ロード第1戦SUGO ST1000:ホールショットを奪った高橋裕紀(日本郵便 HondaDream TP)
2020年全日本ロード第1戦SUGO ST1000:ホールショットを奪った高橋裕紀(日本郵便 HondaDream TP)

 高橋自身は新カテゴリーなうえに新型マシンで戦うこととなった2020年だが、まずホンダCBR1000RR-Rの印象について先代マシンと比較して以下のように述べた。

「ジオメトリーで一番違うところでは、フロントのキャスター角が前に開いていて、ブレーキングに強いバイクになっているというイメージがあります」

「僕はブレーキングを得意とするライダーなので、ブレーキングでは追いつけるけど立ち上がりはうまく加速させられなくてという、良くも悪くも僕の走りとは合っています。ブレーキングからうまく旋回してリヤタイヤのグリップを活かしきれれば苦手なところがなくなっていくのかなと思っています」

2020年全日本ロード第1戦SUGO ST1000:高橋裕紀(日本郵便 HondaDream TP)
2020年全日本ロード第1戦SUGO ST1000:高橋裕紀(日本郵便 HondaDream TP)

 また、進化した部分については「トップスピードですね。直線の速いホンダが戻ってきたというイメージです。ST1000車両だと各メーカーのバイクが持っている素のポテンシャルが引き出されると思うので、ストレートが速いというのはレースする上ではものすごく強い武器になります」と続けた。

「もちろんウイングも付いていますし、フロントの接地感や旋回性、バイクの軽さも出ています。まだまだ(マシンの性能を)出し切れているとは思っていないですが、ストレートの速さは鈴鹿でも他車のバイクをリスクを負わずに抜けるというのは大切なことです。総合力も上がっていますが、今までのCBRよりはるかに上回っているのは特にあげるとエンジンパワーですかね」

2020年全日本ロード最終戦鈴鹿 ST1000:高橋裕紀(日本郵便 HondaDream TP)
2020年全日本ロード最終戦鈴鹿 ST1000:高橋裕紀(日本郵便 HondaDream TP)

 では、車体のセッティングについては、同じバイクを使うJSB1000クラスなどとはどのように変わるのだろうか。改造範囲が少ないST1000クラスでは「今までより難しく感じています」と説明する。

「変更してはいけないもの(セットアップやパーツ)で解決することがわかっているのにそれができず、それを補うために自分たちにあるものでなんとかしないといけません。(解決策が)わかってしまっているがために、かゆいところに手が届かないといったイメージがあります」

「変更できないところを補ったら別に悪い所がでてきて、トータルでどうしたらよいのかという意味では悩みどころです。今までのセオリーが通じないところが結果的に今年4レース戦ったうえでも腑に落ちない部分があるのでST1000車両ならではの経験になっていくのかなと思います。ライダー力、チームの総合力が問われるので、楽しいカテゴリーになっていくのではないかと思います」

2020年全日本ロード第1戦SUGO ST1000:高橋裕紀(日本郵便 HondaDream TP)
2020年全日本ロード第1戦SUGO ST1000:高橋裕紀(日本郵便 HondaDream TP)
2020年全日本ロード ST1000:高橋裕紀と手島雄介監督(日本郵便 HondaDream TP)
2020年全日本ロード ST1000:高橋裕紀と手島雄介監督(日本郵便 HondaDream TP)


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