全日本ロードレース開幕戦 公開テストは3月25日(木)に2日目を迎え、各クラス45分2セッションで行われた。朝方は、日差しもあり暖かい陽気だったが、お昼過ぎには空を雲が覆い、気温も下がると、ST1000クラスの2回目のセッションも折り返しとなるころにパラパラっと雨が落ち、レッドクロスが提示されピットに戻るライダーもいたが、一時的なもので、ほぼ全セッションドライコンディションで行われた。
初日に転倒を喫した中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)は、痛む身体の調子を見ながらペースアップして行く状態だったが、常にリーダーボードのトップにその名を刻み、1回目に1分49秒296をマークすると、2回目には1分48秒989までタイムアップ。Tカーでも1分49秒005をマークしており、2台のマシンをうまく仕上げて来ている。
「朝起きたら全身が痛かったので、うまく乗れるか分からなかったのですが、使うタイヤも決められましたし、やりたかった作業ができたので、よかったと思います。あとはレースウイークで、どこまで詰めていけるかがカギですね。清成選手を始め、ライバルもレースでは、絶対来ると思うので、気を引き締めていいスタートを切りたいですね」と中須賀。
今回のテストで1分48秒台を記録したのは中須賀、ただひとり。2019年の開幕戦ツインリンクもてぎで高橋巧と繰り広げたレースでは、1分47秒台、予選では、1分46秒878というコースレコードをたたき出しているだけに、まだまだ詰めどころは満載という状態だ。同じような走りを中須賀が見せれば、2レースともワンサイドとなる可能性が高いだろう。
中須賀の対抗馬として目されている清成龍一(Astemo Honda Dream SI Racing)は2日目も問題点の洗い出し作業に集中。タイムアタックは一切せず1分50秒379がベストとなり6番手で2日目を終えている。
「2日目もメカさんに大変な作業をしていただき、大きくセットを振ってみたのですが、なかなかいい方向が見えてきていないのが現状です。今回のデータを検証して、レースウイークには、必ずうまく行くと信じて全力で挑みます」とテストを終えた清成。
2番手タイムは、今シーズンからJSB1000クラスにスイッチする名越哲平(MuSAShI RT HARC-PRO.Honda)が1分49秒713でつけ、徐々にタイムアップしてきている。
以下、加賀山就臣(Team KAGAYAMA)、津田一磨(BabyFace Powered by YOSHIMURA)、濱原颯道(Honda Dream RT 桜井ホンダ)、清成をはさみ、秋吉耕佑(Kosuke.TJC.RT)と1分50秒台で続いている。
ST1000クラスは、2日目も渡辺一馬(Astemo Honda Dream SI Racing)が1分50秒962をマークし他を圧倒。特にアベレージでは抜きん出ている状態だ。
「昨日のタイムを更新できなかったのは、悔しいですが、レースに向けていろいろ試すことができたので、いいテストになったと思います。周りもタイムを上げてきていますし、高橋裕紀選手も絶対に速いと思うので、レベルの高いレースになると思います。とにかく14周のレースをいかに速く走るかを考えてレースウイークに臨みます」と渡辺。自信を深めてきたようだ。
ディフェンディングチャンピオンの高橋裕紀(日本郵便 Honda Dream TP)は、EWCル・マンテストに参加して帰国。2週間の隔離期間のため事前テストには参加できず、今週末のスポーツ走行を走り、レースウイークに入る予定だ。
2番手に1分51秒185の榎戸育寛(SDG Motor Sports RT HARC-PRO.)、3番手にST1000にスイッチした昨年のST600チャンピオン岡本裕生(bLUcRUニトロレーシング51ガレージ YAMAHA)が1分51秒515、4番手に、この日から走り始めたBMWを駆る星野知也(TONE RT SYNCEDGE4413 BMW)が1分51秒908、JSB1000からST1000にスイッチした前田恵助(bLUcRU伊藤レーシングBORGヤマハ)が1分51秒966で5番手につけた。
ST600クラスは、2回目のセッション終盤にアタックした國峰啄磨(TOHO Racing)が、ただひとり1分53秒台に入れ、1分53秒894でトップ。新型ホンダCBR600RRのフィーリングは、すごくいいとコメントしていた。
2番手の長尾健吾(NCXXRACING&善光会 TEAMけんけん)、3番手の横山尚太(ガレージL8 Racing Team・YAMAHA)、4番手の小山知良(日本郵便Honda Dream TP)、5番手の荒川晃大(MOTOBUM HONDA)、6番手の鈴木光来(MOTOBUM HONDA)、7番手の中山耀介(伊藤レーシングSHOTA BORGヤマハ)、8番手の佐野優人(TEAM VITAL SPIRIT)、9番手の菅原陸(保険職人 GBSレーシング YAMAHA)と続き、ここまで1分54秒台をマークしている。
この日から走り始めたJ-GP3クラスは、久しぶりに軽量クラスに帰って来た尾野弘樹(P .MU 7C GALE SPEED)が、まだ身体の慣らし中という状態ながら2分01秒044でトップ。2番手に昨年ランキング2位だった小室旭(Sunny moto Planning)が2分01秒499で続いた。3番手の成田彬人(SDG Motor Sports RT HARC-PRO.)が2分03秒260とトップの2台が後続を大きく引き離す結果となった。
テスト3日目は、タイヤメーカー枠と全日本ロード参加者限定の枠が行われる。
全日本ロードレース選手権 もてぎ公開テスト2日目のタイム結果は以下の通り。