レース界のマニアック“ヘンタイ”カメラマンこと鈴木紳平氏がお届けする全日本ロードレース選手権ブログ。今回は、5月22~23日に行われた2021年MFJ全日本ロードレース選手権の第3戦スーパーバイクレース in SUGO編です。
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全国のモータースポーツファンのみなさま、いかがお過ごしでしょうか。
鬱陶しい梅雨時期ではありますが全日本ロードレース選手権 第3戦SUGOが行われていた週末は4輪、2輪レースが目白押し。そんな週末でしたが土曜日の段階でスポーツランドSUGOは濃霧によって金曜、土曜と午後の走行がキャンセルに。明日の決勝がどうなるか気を揉むところですが、考えても仕方がないのでこの週末に気になった局地的トピックスをお届けしたいと思います。
前半は搬入日より、人、バイク、ハンドルの握り方、後半は新型ホンダCB1300白バイ仕様に迫ります。それでは“全日本ロードレース SUGO ブログ”いってみましょう!
まずは搬入日(金)の様子から、YAMAHA FACTORY RACING TEAMのピット前です。
2021年シーズンの全日本ロードレース選手権で唯一のファクトリーライダーである中須賀克行選手が自身の愛機であるヤマハYZF-R1の暖気を見つめます。ファクトリーなのだから速くて当たり前、勝って当たり前と言われるなか、勝ち続けることは大変なプレッシャーと察します。
その中須賀選手がJSB1000クラスで駆るヤマハYZF R-1のガソリンタンク(スプリント仕様)を間近に見ます。普段はピットの奥に置かれるため、細かく見る事はできません。タンク容量は24リッターちょっとのようです。
今回YAMAHA FACTORY RACING TEAMの隣は、ゼッケン3番のHonda Dream RT 桜井ホンダ。ヤマハのメカニックが遠巻きにホンダCBR1000RR-Rを覗きます。ちなみに奥の赤い自転車に乗っているのがこのバイクの運転手、濱原颯道選手。この後ヤマハのメカニックの方とお話されていました。
さてここからはバイクのハンドルの握り方の話になります。最近バイクに乗り始めた私としてはとても気になっているところであります。今回登場してくださるのは全日本ロードレース選手権のなかでもひときわ長身の濱原選手。
まずは右手、アクセルとフロントブレーキの握り方です。グリップの握りは親指と人差し指、ブレーキは中指で操作するとのこと。指2本で操作すると関節の位置がそれぞれ異なるため違和感があるというのが理由のようです。それにしても大きい手です。
左手にいってみましょう。クラッチレバーは場合によって握り方が異なるようですが、半クラッチなどは写真のように人差し指で行うとのこと。スタートのときなどは指4本で握るそうですよ。
コロナ禍ということを忘れて思わず手合わせをお願いしました。身長173センチ、手は小さ目でクローブはMサイズの私ですが一関節分違います。
濱原選手のグローブのサイズは3L。メーカーにサイズ設定が無いため特注品とのこと。同時に自分の手にはハンドル径が細く合わないのが目下の悩みとのことで対策としてグローブの手のひら部分を厚くして対応しているようです。
ではここからはちょっとだけJSB1000マシンを見ましょう。2021年シーズン好調、亀井雄大選手駆る11号車、Honda Suzuka Racing Teamのマシンです。2020年シーズンまではキット車とは異なるスイングアームを使用していましたが今シーズンからはキット車のそれに。
リヤブレーキホースはホンダ勢唯一のステンメッシュホースを使用。以前ほかのライダーにノーマルホースの使用理由を聞いたところタッチが柔らかいから、という事でしたがやはり亀井選手も使用感からでしょうか。
11号車のマフラーはチームと同じく鈴鹿市が拠点のノジマエンジニアリング製。若干トルクが細いといわれるホンダCBR100RR-Rのエンジンですが、エキゾーストチューニングによってトルクの改善を図っているのでは、と言われています。
トップブリッジです。多くの選手がしなやかな動きを求め柔らかい素材や厚みを薄くするなどしていますが、11号車は真逆の仕様に。見た目かなりの厚み、剛性感を感じます。