レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

MotoGP ニュース

投稿日: 2021.06.02 22:05

バスティアニーニ、スタート前に起きたザルコへの追突の真相/MotoGP第6戦イタリアGP

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


MotoGP | バスティアニーニ、スタート前に起きたザルコへの追突の真相/MotoGP第6戦イタリアGP

 5月30日、ムジェロ・サーキットでMotoGP第6戦イタリアGPの決勝レースが行われた。このレースで起きた2件のエアバッグに関係する“ハプニング”を紹介する。

■スタート直前に起きたバスティアニーニの追突の理由
 MotoGPの決勝レースでは、スタート前にウォームアップランが1周行われ、グリッドに着いてからスタートする。ウォームアップランではレース直前のコースコンディションの確認、タイヤの温め、近年はホールショットデバイスを使用するためにサスペンションを沈める作業などが見られる。

 そのウォームアップランで、ホームストレートに戻ってきた時に、エネア・バスティアニーニ(アビンディア・エスポンソラーマ)が前方のヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)に追突してしまい、転倒を喫した。このアクシデントの影響はなく、レースはそのまま進行してスタートが切られている。

エネア・バスティアニーニ(アビンディア・エスポンソラーマ)/2021MotoGP第6戦イタリアGP
エネア・バスティアニーニ(アビンディア・エスポンソラーマ)/2021MotoGP第6戦イタリアGP

 バスティアニーニの追突は、ザルコがブレーキテストで突然減速、ホールショットデバイスを作動させサスペンションを沈めたことによるものだと思われたが、バスティアニーニがエアバッグに気を取られていたことが原因だった。

「残念なことに、デュパスキエを失って以来、非常に厳しい日曜日になった。グリッドに到着しようとしたとき、エアバッグが作動していないことに気づき、あまり集中していなかったんだ」とバスティアニーニ。

「ウォームアップランの最終コーナーから立ち上がったところで(エアバッグに)触れていたら、ザルコが強いブレーキをかけ、クラッシュを回避することができなかった。セカンドバイクに乗るためにできるだけ早くピットインしようとしたが、1周目にクラッシュしてしった。すべてが不運だった」

 MotoGPでは2018年からライダーのレーシングスーツにエアバッグシステムの装着が義務付けられている。このエアバッグは電子コントロールによるもので、左前腕のLEDで電源のチェック、システムがオンとなる作動フラップの確認などを行っていたのだろう。

無事にスタートを切ったヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)/2021MotoGP第6戦イタリアGP
無事にスタートを切ったヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)/2021MotoGP第6戦イタリアGP

 また、追突されたザルコは「誰もが最終コーナーでタイヤの温度を維持させ、スタートの準備を整えるために加速とブレーキをする。スタート前にクラッシュした後、ダメージがあるのか、レースに参加できるか不安だったが、後ろを見て、大丈夫だったから、スタートした」と述べた。

「最終的にはすべてがうまくいった。無事にレースを終えることができたことを嬉しく思う。表彰台を獲得すれば、もっと多くのポイントを稼ぐことができたけど、問題があった後だから、(4位で)13ポイントを獲得できて嬉しい」

 ちなみに、バスティアニーニのエアバッグは、スタート前の転倒で正常に作動しているためエアバッグに問題はなかったようだ。

■レース中の接触でビンダーのエアバッグが作動
 レース開始2周目に、3コーナーでマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)がブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)に接触してクラッシュを喫した。マルケスはリタイアとなったが、ビンダーはそのまま走り切り5位入賞を果たした。

 実はこの接触でビンダーのエアバッグは作動していたのだ。エアバッグは転倒を察知した場合はもちろん、体に強い衝撃を受けた時にも作動するようにできており、作動後は少し経てばガスが抜ける。

ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)/2021MotoGP第6戦イタリアGP
ブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)/2021MotoGP第6戦イタリアGP

 ビンダーは「クレイジーなレースだったけど、今日の5位には満足している。完璧なスタートではなかったし、最初の3周は慎重だった。マルク(・マルケス)が僕に突っ込んできた時に、エアバッグが作動して1周近く動けなくなった!」と接触時の状況を説明する。

「その後、ようやくリズムに乗って目の前のグループを追いかけることができたがなかなかペースが上がらなかった。とにかく、トップ5に満足しているし、次のレースに向けてこの勢いを維持したい」

転倒を喫したマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/2021MotoGP第6戦イタリアGP
転倒を喫したマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/2021MotoGP第6戦イタリアGP


関連のニュース