全日本ロードレース選手権第4戦筑波に向けた特別スポーツ走行が6月9日(水)・10日(木)の日程で行われている。JSB1000クラスの開催はなく、昨年はコロナ禍のために中止となっているため、2年振りの全日本ロード筑波ラウンドとなる。ST1000クラスも初開催となることから、そのラップタイムに注目が集まった。
朝から夏を思わせる厳しい日差しの下、そのST1000クラスでトップタイムをマークしたのは、榎戸育寛(SDG Motor Sports RT HARC-PRO.)でタイムは56秒780というものだった。
「事前に筑波を走っているライダーもいますが、僕は前日のスポーツ走行から走り始めています。筑波を走るのは久しぶりですし、1000ccは初めてですが、走り出しからチームのおかげで、いいフィーリングで走ることができています。まだまだ周りもタイムアップしてくると思いますし、僕も詰めていく部分があるので、もっとアベレージを上げていきたいですね」と榎戸。
56秒台をマークしたのは、榎戸のみ。2番手以下は、57秒台でズラリと並ぶ。豊島怜(speedHeartDOGFIGTHRACINGYAMAHA)が57秒296で2番手、3番手に津田拓也(WestPower SUZUKI)が57秒304で続いた。
津田は、筑波を走るのは、JSB1000開催最後となった2013年以来、8年振りのことだったが「とにかく狭い!」というのが走って見た感想だった。
「久しぶりに筑波を走ったので狭く感じました。ST1000は600からスイッチしたライダーが多いので、やはり2年前に走っているからか、すごくうまいですね。走りを見せてもらって勉強になっています。路面温度も50度を超えたときに走るのは初めてでしたし、いいテストになっています。筑波は、他メーカーとの差がつきにくいので、いいレースができると思います」と津田。
1本目にトップタイムをマークした岡本裕生(bLUcRUニトロレーシング51YAMAHA)が57秒321で4番手。「1本目で56秒台に入れておきたかったですね。2本目は、セットを外してしまいましたが、いいダメ出しができたと思えばポジティブですね。セッティングの方向性も見えて来ているので、2日目は、さらに詰めていきたいですね」と岡本。
EWC世界耐久選手権に参戦するために欠場する高橋裕紀(日本郵便 Honda DreamTP)の代役として伊藤和輝(日本郵便 Honda DreamTP)が登場。1本目では、セッション序盤からトップタイムをマークするなど、非凡な才能を見せていたが、2本目は1コーナーで転倒。幸い怪我はなく2日目も走行できそうだ。
6番手に57秒574の前田恵助(bLUcRU伊藤レーシングBORGヤマハ)がつけ、渡辺一馬(Astemo Honda Dream SI Racing)は、1本目はマシントラブルのために走れなかったが、2本目までに解消。2本目のみを走り57秒613で7番手となっている。8番手に57秒645の作本輝介(Astemo Honda Dream SI Racing)、9番手に57秒699の南本宗一郎(AKENO SPEED・YAMAHA)、10番手に57秒823の星野知也(TONE RT SYNCEDGE4413 BMW)と続いた。
ST600クラスは、國峰啄磨(TOHO Racing)が57秒934でトップにつけた。
「1本目から57秒台に入れたかったのですが、タイムが出ませんでした。2本目は路面温度が上がったからかフィーリングが変わってしまい苦戦。新品タイヤを入れてもタイムが出なかったのですが、玉田さんのアドバイスで変えたセットがうまくはまりユーズドタイヤでベストタイムが出ました。今回のタイムも玉田さんのおかげです」と國峰。
2番手には、鈴木光来(MOTO BUM HONDA)が58秒178で続いた。
「走り始めからタイムは出ていますが、路面温度が上がったために、走りづらい部分があるので、そこを改善していきたいですね。アタック中に転倒がありましたが、その原因も分かっていますし、2日目は、より走りやすいセットを追求します」と鈴木。SUGOラウンドでは、初表彰台も見えていただけに悔しい転倒リタイア。今回の筑波で表彰台に上がりたいところだろう。
3番手に荒川晃大(MOTO BUM HONDA)が58秒242、4番手に横山尚太(ガレージL8 Racing Team・YAMAHA)が58秒279、5番手に埜口遥希(MuSASHi RT HARC-PRO.)が58秒344、6番手に阿部恵斗(Webike チームノリックヤマハ)が58秒441と続いている。
J-GP3クラスは、小室旭(Sunny moto Planning)が1本目にマークした1分00秒628でトップタイムとなった。「2本目は、路面コンディションなのか、うまくタイムを伸ばすことができませんでした。レースに向けて、いい状態で臨めるように2日目もいろいろ試してみます」と小室。
2番手に2本目でトップとなる1分00秒672を記録した尾野弘樹(P.MU 7C GALE SPEED )がつけた。
「筑波サーキットは、J-GP2で走った2019年が最後でしたが、軽量クラスになると2009年以来なので、実に11年振りなので、走り方を思い出すというよりも、新しいサーキットに来たような感覚でした(笑)」と尾野。足の怪我も回復してきている。今回も小室と尾野が抜きん出ており、タイトル争いは、筑波の2レースでどう転がるか注目したいところだ。
3番手に1分01秒048の木内尚汰(TEAM PLUSONE)、4番手に1分01秒092の濱田寛太(ライダーズサロン横浜)、5番手に1分01秒107の細谷翼(realize racing team )と1分00秒台前半で続いた。
2日目(6月10日)も同じスケジュールで各クラス2本走行が行われる予定となっている。
■ST1000 フリー走行1回目
Pos. | No. | Rider | Team | Motorcycle | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 | 39 | 岡本裕生 | bLUcRUニトロレーシング51YAMAHA | ヤマハYZF-R1 | 57.321 |
2 | 5 | 榎戸育寛 | SDG Motor Sports RT HARC-PRO. | ホンダCBR1000RR-R | 57.425 |
3 | 1 | 伊藤和輝 | 日本郵便HondaDream TP | ホンダCBR1000RR-R | 57.561 |
4 | 47 | 豊島怜 | speedHeartDOGFIGHTRACINGYAMAHA | ヤマハYZF-R1 | 57.757 |
5 | 40 | 南本宗一郎 | AKENO SPEED・YAMAHA | ヤマハYZF-R1 | 57.858 |
6 | 3 | 作本輝介 | Astemo Honda Dream SI Racing | ホンダCBR1000RR-R | 57.867 |
7 | 38 | 前田恵助 | bLUcRU伊藤レーシングBORGヤマハ | ヤマハYZF-R1 | 57.889 |
8 | 6 | 星野知也 | TONE RT SYNCEDGE4413 BMW | BMW S1000RR | 58.044 |
9 | 14 | 渥美心 | TONE RT SYNCEDGE4413 BMW | BMW S1000RR | 58.131 |
10 | 12 | 長谷川聖 | Team KAGAYAMA powerdby YOSHIMURA | スズキGSX-R1000 | 58.171 |
11 | 7 | 津田拓也 | WestPower SUZUKI | スズキGSX-R1000R | 58.209 |
12 | 41 | 和田留佳 | RS-ITOH ☆FirstStar | カワサキZX-10RR | 58.407 |
13 | 19 | 新庄雅浩 | AUTOBOY☆Firststar | カワサキZX-10RR | 58.472 |
14 | 43 | 村瀬健琉 | Team TKR | スズキGSX-R1000R | 58.655 |
15 | 18 | 柴田義将 | OGURA CLUTCH with RIDE IN+TPFS | ヤマハYZF-R1 | 58.674 |
16 | 17 | 谷本音虹郎 | speedHeartDOGFIGHTRACINGYAMAHA | ヤマハYZF-R1 | 58.702 |
17 | 44 | 梶山知輝 | RankUp Aprilia | アプリリアRSV4 RF LE | 58.773 |
18 | 21 | 松川泰宏 | モトバム+サイ・パートナーズ | ホンダCBR1000RR-R | 59.712 |
19 | 48 | 坂本崇 | 41planning oguracluch ridein | ヤマハYZF-R1 | 59.913 |
20 | 31 | 中澤孝之 | DOGFIGHTRACING・YAMAHA | ヤマハYZF-R1 | 1’00.238 |
21 | 25 | ジェゲデ・ゼカライヤ | Rank Up Aprilia TTP Racing | アプリリアRSV4 RF | 1’00.307 |
22 | 46 | 鈴木孝志 | OGURA CLUTCH with RIDE IN+TPFS | ヤマハYZF-R1 | 1’00.348 |
23 | 29 | 武田数馬 | 浜松チームタイタン | スズキGSX-R1000R | 1’00.504 |
– | 4 | 藤田拓哉 | JDS DOGFIGHTRACING・YAMAHA | ヤマハYZF-R1 | 計測出来ず |
– | 37 | 渡辺一馬 | Astemo Honda Dream SI Racing | ホンダCBR1000RR-R | 計測出来ず |
■ST1000 フリー走行2回目
Pos. | No. | Rider | Team | Motorcycle | Time |
---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | 榎戸育寛 | SDG Motor Sports RT HARC-PRO. | ホンダCBR1000RR-R | 56.780 |
2 | 47 | 豊島怜 | speedHeartDOGFIGHTRACINGYAMAHA | ヤマハYZF-R1 | 57.296 |
3 | 7 | 津田拓也 | WestPower SUZUKI | スズキGSX-R1000R | 57.304 |
4 | 1 | 伊藤和輝 | 日本郵便HondaDream TP | ホンダCBR1000RR-R | 57.411 |
5 | 38 | 前田恵助 | bLUcRU伊藤レーシングBORGヤマハ | ヤマハYZF-R1 | 57.574 |
6 | 37 | 渡辺一馬 | Astemo Honda Dream SI Racing | ホンダCBR1000RR-R | 57.613 |
7 | 3 | 作本輝介 | Astemo Honda Dream SI Racing | ホンダCBR1000RR-R | 57.645 |
8 | 39 | 岡本裕生 | bLUcRUニトロレーシング51YAMAHA | ヤマハYZF-R1 | 57.660 |
9 | 40 | 南本宗一郎 | AKENO SPEED・YAMAHA | ヤマハYZF-R1 | 57.699 |
10 | 6 | 星野知也 | TONE RT SYNCEDGE4413 BMW | BMW S1000RR | 57.823 |
11 | 4 | 藤田拓哉 | JDS DOGFIGHTRACING・YAMAHA | ヤマハYZF-R1 | 57.984 |
12 | 43 | 村瀬健琉 | Team TKR | スズキGSX-R1000R | 58.051 |
13 | 41 | 和田留佳 | RS-ITOH ☆FirstStar | カワサキZX-10RR | 58.222 |
14 | 19 | 新庄雅浩 | RS-ITOH☆Firststar | カワサキZX-10RR | 58.260 |
15 | 18 | 柴田義将 | OGURA CLUTCH with RIDE IN+TPFS | ヤマハYZF-R1 | 58.338 |
16 | 14 | 渥美心 | TONE RT SYNCEDGE4413 BMW | BMW S1000RR | 58.372 |
17 | 17 | 谷本音虹郎 | speedHeartDOGFIGHTRACINGYAMAHA | ヤマハYZF-R1 | 58.378 |
18 | 44 | 梶山知輝 | RankUp Aprilia | アプリリアRSV4 RF LE | 58.831 |
19 | 21 | 松川泰宏 | モトバム+サイ・パートナーズ | ホンダCBR1000RR-R | 59.240 |
20 | 31 | 中澤孝之 | DOGFIGHTRACING・YAMAHA | ヤマハYZF-R1 | 59.527 |
21 | 46 | 鈴木孝志 | OGURA CLUTCH with RIDE IN+TPFS | ヤマハYZF-R1 | 59.648 |
22 | 48 | 坂本崇 | 41planning oguracluch ridein | ヤマハYZF-R1 | 59.912 |
23 | 25 | ジェゲデ・ゼカライヤ | Rank Up Aprilia TTP Racing | アプリリアRSV4 RF | 1’00.039 |
24 | 12 | 長谷川聖 | Team KAGAYAMA powerdby YOSHIMURA | スズキGSX-R1000 | 1’00.438 |
25 | 29 | 武田数馬 | 浜松チームタイタン | スズキGSX-R1000R | 1’01.233 |