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MotoGP ニュース

投稿日: 2021.06.21 21:41

M.マルケス、得意の左回りザクセンリンクで11連勝達成「最も重要で最も大変な瞬間だった」/MotoGP第8戦ドイツGP

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MotoGP | M.マルケス、得意の左回りザクセンリンクで11連勝達成「最も重要で最も大変な瞬間だった」/MotoGP第8戦ドイツGP

 6月20日、ザクセンリンクで開催された2021年MotoGP第8戦ドイツGP MotoGPクラスの決勝で、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が2019年の最終戦バレンシアGP以来581日ぶり、復帰後初の優勝を飾った。また、ザクセンリンクでは11大会連続の勝利となった。

 マルケスは、昨年7月の第2戦スペインGPで右腕上腕を骨折して以来、3度の手術を受け、約9か月間、治療とリハビリを続けた。今季も開幕戦には間に合わず、4月の第3戦ポルトガルGPでようやく復帰を果たす。

 以降はシングルフィニッシュを果たしたものの、転倒も続き、ポールポジションや表彰台には届かずにいた。

2021MotoGP:第1~7戦までのホンダRC213Vのエアロパーツ/マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)
2021MotoGP:第1~7戦までのホンダRC213Vのエアロパーツ/マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)
2021MotoGP第8戦ドイツGPに投入した新型のエアロパーツ
2021MotoGP第8戦ドイツGPに投入した新型のエアロパーツ

 そして、今回のドイツGPでは前戦の第7戦カタルーニャGP翌日に行われたカタルーニャ公式テストで試した新型のエアロパーツを投入。さらに、レトロ風のデザインを施したスペシャルヘルメットやブーツ、グローブを使用し、特別な一戦として戦った。

レトロなデザインの装備品で戦ったマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/2021MotoGP第8戦ドイツGP
レトロなデザインの装備品で戦ったマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/2021MotoGP第8戦ドイツGP

 なぜなら、マルケスはドイツGPの開催地であるザクセンリンクで2010年の125ccクラス、2011~2012年のMoto2クラス、2013~2019年のMotoGPクラスと10年連続ポール・トゥ・ウインを果たしているからだ。ドイツGPは2020年に新型コロナウイルスの影響を受けて開催がキャンセルされたため、11連続ザクセンリンクでのポール・トゥ・ウインを狙っていた。

 また、マルケスはサーキット・オブ・ジ・アメリカズなども含めて反時計回り(左回り)のサーキットを得意としており、今シーズンに関しては骨折した右腕や負荷がかかった右肩の負担が少なくなることに利点があった。

ザクセンリンクで新型のエアロパーツを投入したマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/2021MotoGP第8戦ドイツGP
ザクセンリンクで新型のエアロパーツを投入したマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/2021MotoGP第8戦ドイツGP

 しかし、ドイツGPの初日では総合12番手となり、「正直、まったく問題がないことを期待していたが、まだベストなライディングができていない」とマルケスは金曜日の2セッションを振り返った。土曜日のFP3では9番手で、ダイレクトに予選Q2まで進み5番手スタートとなり「ポール獲得に集中したわけではない。1周のタイムに苦戦しているが、レースペースはそれほど悪くない」とコメントしている。

トップを走るマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/2021MotoGP第8戦ドイツGP
トップを走るマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/2021MotoGP第8戦ドイツGP

 ドイツGPの11大会連続ポールポジション記録の更新は果たせなかったが、迎えた決勝はスタートで2番手まで浮上し、オープニングラップの最終コーナーでアレイシ・エスパルガロのインを抑え、トップを奪った。

 2周目はアレイシ・エスパルガロが12コーナーでマルケスの前に出たが、続く最終コーナーでマルケスが再びトップに立つ。レース中盤に小雨が降り、すぐにあがるが、全体的にペースが落ちる。しかし、マルケスはほぼ同じペースで周回し、2番手以下に2秒近いリードを築いた。

トップでチェッカーを受けるマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/2021MotoGP第8戦ドイツGP
トップでチェッカーを受けるマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/2021MotoGP第8戦ドイツGP

 その後は、ミゲール・オリベイラが迫るが、マルケスは後続を引き離し、30周すべてラップリーダーというレース内容で復帰6戦目にして優勝飾った。この優勝は2019年の最終戦バレンシアGP以来581日ぶりで、怪我から336日後、そしてザクセンリンクでMotoGPクラスでは8大会連続、3クラスでは11大会連続(125cc、Moto2、MotoGP)の記録を守り抜いた。

マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)のスペシャルヘルメット/2021MotoGP第8戦ドイツGP
マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)のスペシャルヘルメット/2021MotoGP第8戦ドイツGP

 マルケスは、ウイニングランでは涙を見せたが、パルクフェルメや表彰台では喜びを爆発させた。「今回は自分のキャリアの中で最も重要で、最も大変な瞬間だった。今日はすばらしいチャンスがあると分かっていた」とマルケスはレースを振り返る。

復帰後初の優勝を遂げたマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/2021MotoGP第8戦ドイツGP
復帰後初の優勝を遂げたマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)/2021MotoGP第8戦ドイツGP

「フィニッシュラインを通過したときは、とにかく、その瞬間を楽しんだ。チーム全体で達成した。感動した。非常に難しい状況を彼らのおかげで乗り越えることができたんだ。ひとりでここまで来ることは不可能なことだ」

「多くの人々の支えが必要だった。いいチーム、医療チーム、理学療法士、そしてホンダ。ホンダは僕を本当にリスペクトしてくれた。アルベルト・プーチ、エミリオ・アルサモラ、そして僕の家族は本当によく僕をサポートしてくれた。今はこの週末を楽しみたいね」

「ずっとガソリンスタンドを探していたが、ようやく見つけて燃料を満タンにしたような気分だ。僕はもちろんのこと、ホンダ、エンジニア、チームのモチベーションはさらに上がっているよ。この先どうなるのか楽しみだ。4、5周目で雨粒が見えたとき、『これは僕のレースだ』と思った。この瞬間からプッシュし始めたんだ」

「そのあと雨が強くなってくると、さらにプッシュした。それからはオリベイラとのレースになった。彼は一生懸命プッシュしていて、とても速かったね。いろいろな思い出、この1年間の僕の生活が頭によぎった。集中力をキープするのが大変だったが、達成することができた。これからもまた達成していくよ」

2021MotoGP第8戦ドイツGP 表彰台
2021MotoGP第8戦ドイツGP 表彰台

 ホンダにとっても今季初表彰台で初優勝を獲得。MotoGPだけでなくF1、インディカー、スーパーフォーミュラ、全日本ロードでもホンダのエンジン・マシンが優勝しており、マルケスだけでなくホンダにとっても素晴らしい一日となった。


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