MotoGP第14戦サンマリノGPで、アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ペトロナス・ヤマハSRT)がヤマハからMotoGPに復帰した。ドヴィツィオーゾにとって、ヤマハのバイクによるレースは実に2012年以来のことだ。ドヴィツィオーゾは9年ぶりに乗ったヤマハYZR-M1にどう取り組み、どう感じていたのだろうか。
ヤマハのファクトリーチーム、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPからマーベリック・ビニャーレスが去り、このシートにフランコ・モルビデリが起用されたことで、空いたペトロナス・ヤマハSRTの一席に抜てきされたドヴィツィオーゾ。左ひざのけがから復帰したモルビデリとともに、サンマリノGPからの参戦となった。
2020年のシーズン後、ドゥカティを去り「2022年以降のMotoGP参戦の可能性を模索する」として“長い休暇”に入っていたドヴィツィオーゾ。35歳のベテランライダーの復帰に、木曜日には単独会見が行われた。
今季、ドヴィツィオーゾに供給されるのはヤマハYZR-M1のAスペックで、2019年型仕様に近いと言われているもの。ただ、2022年シーズンにはファクトリースペックのバイクを走らせることが決まっている。
「今年大事なのはバイクのポジションの面でいいフィーリングを見出すこと、そしてバイクを理解することだ」とドヴィツィオーゾは2021年、残り5戦に向けた挑戦について述べていた。
「以前のバイクとはまったく違う方法で乗らないといけないだろう。時間がかかるだろうね。まずはポジションだ。バイクよりも(ライディング)ポジションのほう懸念しているよ。ポジションがとれるようになったら、攻めて、フィードバックを提供することになるだろうね。今のMotoGPは、とてもタイトだ。理由はいくつかあるけどね。みんな、スピード面でかなり近い。でも今は心配はしていないよ」
ドヴィツィオーゾが冷静にそう語ったとおり、ドヴィツィオーゾは走行を重ねてじっくりと確実にタイムを縮めていった。フリー走行1回目ではトップのマーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)から2.545秒差の24番手、ウエットコンディションとなったフリー走行2回目はトップのヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)から2.433秒差の21番手。翌日の土曜日にはフリー走行3回目でトップのフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)から1.138秒差の20番手、予選Q1ではこのセッションでトップのエネア・バスティアニーニ(アビンティア・エスポンソラーマ)から1.222秒差で24番グリッドという結果だ。
ドヴィツィオーゾは初日を終えて9年ぶりのYZR-M1についてライディング・ポジションやバイクの大きさが違うと指摘していたが、土曜日にはその走りについてこう述べた。
「ブレーキングと旋回はかなりいい。ただ、本当に速く走るためには旋回中にとても速く走らないといけないし、かなりのスピードでトラクションエリアに到達しなければならない。僕が過去やっていたこととはかなり違っている」