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MotoGP ニュース

投稿日: 2021.10.27 08:25
更新日: 2021.10.28 19:19

【レースフォーカス】優勝か、転倒か……トップ走行中に転倒もタイトルへの可能性に懸けたバニャイア/MotoGP第16戦エミリア・ロマーニャGP

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MotoGP | 【レースフォーカス】優勝か、転倒か……トップ走行中に転倒もタイトルへの可能性に懸けたバニャイア/MotoGP第16戦エミリア・ロマーニャGP

 MotoGP第16戦エミリア・ロマーニャGPではファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がチャンピオンを獲得したその一方で、このレースではフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)の転倒、そしてレプソル・ホンダ・チームのワン・ツーフィニッシュというトピックスがあった。ここではその二つに触れていきたい。

■タイトルの可能性に挑んだバニャイア。

 チャンピオンシップでランキング2番手につけていたバニャイアは、ポールポジションから決勝レースに挑んでいた。バニャイアは23周にわたってレースをけん引。2番手に続くマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)との差は0.1秒から0.3秒とわずかで、しかしバニャイアはその差を保ったまま安定したペースを刻み、16周目にはファステストラップのこれまでのレコードを更新するラップタイムを記録した。終盤の22周目に入って、少しずつ2番手のマルケスとの差を拡大し始めた、そのときに転倒は起こった。

 23周目、15コーナーでのクラッシュ。たとえクアルタラロが転倒を喫したとしても(実際にはクアルタラロは4位フィニッシュを果たした)、ポイント差は52のままとなり、残り2戦で獲得できる最大ポイント数が50ポイントであることから、この瞬間にバニャイアはタイトル獲得の可能性を失ったのだった。転倒したあと、バニャイアは憤懣やるかたないといったようにグラベルに右こぶしを打ちつけた。

「今日は、勝つか転倒するかのどちらかだった」と、レース後の取材のなかで、バニャイアは語った。少なくとも、そのとき、その表情は気持ちの整理をつけたように穏やかに見えた。

「勝つためにあらゆることをしたけれど、転倒してしまった。タイヤ選択は正しかったと思う。ブレーキングを考えたら、このタイヤしかなかった」

 バニャイアはフロントにハードタイヤ、リヤにミディアムタイヤを選択していた。タイヤ選択は「正しかった」とバニャイアは言う。ただ、タイヤが機能する温度を保つために、すべての周で攻め続けなければならなかった。「あの周は、8コーナーでちょっと早めにブレーキをしてしまったのかもしれない」。バニャイアはそう、15コーナーの転倒について振り返っている。

 すぐ後方には、マルケスがいた。それも、序盤から終盤までほとんど差は変わらなかった。しかし、バニャイアはマルケスの影響はなかったと述べている。マルケスはフロントにミディアムタイヤ、リヤにソフトタイヤを履いており、レース後半では自身に有利だとわかっていたからだ。

「僕はただ、できるだけ一定のペースで走るようにしていた。(マルケスが選択した)ミディアムタイヤに対し、終盤には僕の方に分があるとわかっていたからね。僕はただ攻めていたし、マルクが後ろにいるのはわかっていた。でも、僕にポテンシャルがあることも知っていたんだ」

 今季、特にシーズン後半に入って強さを発揮してきたバニャイア。特に第13戦アラゴンGP、第14戦サンマリノGPで2連勝を飾り、ランキングトップをひた走るクアルタラロをおびやかす存在になっていた。

「(チャンピオンシップについては)ムジェロ(第6戦イタリアGP)でチャンピオンを失ったと思っている。先頭を走っていてクラッシュした。オーストリア(第10戦スティリアGP)では、選んだタイヤが機能しなかった。シルバーストン(第12戦イギリスGP)でも。この3レースでチャンピオンシップを失ったと思う。これらのミスから学んでいるよ」

 バニャイアは「ファビオはチャンピオンにふさわしい」と称え、そしてまた、こうも語っている。

「来年にはもっと(チャンピオン争いの)準備ができていると思う」

 そして、バニャイアのチームメイトであり、2番グリッドからスタートしたジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)もまた、2番手走行中のレース序盤、4周目に転倒でレースを終えている。バニャイア同様のタイヤを選択し、同じく15コーナーでの転倒だった。

「タイヤ選択に問題があったのだと思う。僕たちは、ハードタイヤをフロントに選択した。フィーリングはよかったんだ。13時ごろ、それは素晴らしいアイデアだと思っていたんだけど、グリッド(14時前)に着くと、雲が出始めた。それで路面温度は(タイヤが機能する)ボーダーラインくらいだった。たぶん、温度が低かったんだ。8コーナーでペッコ(※フランセスコ・バニャイアの愛称)に接近したものだから、ブレーキングが緩んだ。それがタイヤの温度に影響したのかもしれない」

「今日は、(バニャイアと後方のライダーとの)壁になろうと思っていた。ペッコも僕も、序盤はすごくいいペースで、ペッコはその後もさらにトップを維持していたけれど……、そう簡単じゃなかったね」

■ホンダが達成したワン・ツーフィニッシュ


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