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投稿日: 2021.12.15 13:30
更新日: 2021.12.17 21:18

【ブログ】全日本ロード第7戦オートポリス(前編)ヤマハファクトリーの矜持/“ヘンタイ”カメラマン現地情報

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Blog | 【ブログ】全日本ロード第7戦オートポリス(前編)ヤマハファクトリーの矜持/“ヘンタイ”カメラマン現地情報

 レース界のマニアック“ヘンタイ”カメラマンこと鈴木紳平氏がお届けする全日本ロードレース選手権ブログ。今回は、9月18~19日に行われた2021年MFJ全日本ロードレース選手権の第7戦 スーパーバイクレース in 九州編 前編です。

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全国のモータースポーツを愛する皆様、いかがお過ごしでしょうか。

楽しかった夏も過ぎ去り各カテゴリー天王山を迎える時期となっていますが、全日本ロードレースはシーズンがすでに終了、早くもオフを迎え2022年シリーズへと走り始めています。全日本の最高峰JSB1000クラスはゼッケン7番 YAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀克行選手が10戦全勝を達成、一方、2年目を迎えたHONDA CBR1000RR-R勢は苦汁をなめる形となりました。

ではその中で両陣営どういった開発を行い2021シーズンを戦いそしてどのように2022年に向かおうとしているのか。関係者のインタビューからその一端を覗くのが今回のブログになります。ホンダ勢の来季への決意は必見です。

それでは‘2021 全日本ロードレースブログ オートポリス編’いってみましょう!

先ずは2021シーズンの全勝チャンピオンに敬意を表し、YAMAHA FACTORY RACING TEAMからいってみましょう。吉川和多瑠監督よろしくお願いします!

今シーズンを振り返っていかかでしょうか。

まず今シーズンは2台体制から1台体制となりました。ただシーズンオフには決まっていた事なので人員配置などチーム体制として不安はありませんでした。

昨年は中須賀の調子がとても良かったのですが、良すぎた部分があって行き過ぎて菅生で転倒しケガを負ってからそれからのシーズンの組み立てが上手くいかなかったシーズンでした。その後野左根がワールドスーパーバイクに参戦となり1台体制になり、昨年まで少なからず野左根の事も横目でケアしながらという事も無くなり、10年以上共に過ごしてきたスタッフと共に今年はとても安定したシーズンだったのかと思います。本人の中では昨シーズンと同じミスを繰り返さないという事に気を付けながら、開幕戦こそ緊張はあったと思いますが上手く滑り出せここまで来れたと思っています。

バイクに関しては昨年と大きく変わっていませんが、昨年から現行モデルのYAMAHA YZF-R1を使用しているので多少の変更点があった中で、昨年出来なかった細かい箇所の詰めを行いました。というのも昨シーズンは中須賀と野左根のバトルとなった為に細かい部分が詰め切れなかったというところがあったという事です。またベースとなるYZF-R1は現行の排ガス規制に則っている為、その辺りのJSB1000仕様へ合わせ込みが開発するにあたり目標となっていきました。その中でエンジンに関しては吸気系のチューニングを行っています。

車体に関しては昨年まで中須賀と野左根の要求するところの中間ぐらいだったのですが、今年に関しては中須賀が納得いくまで詰めれていると思います。ですから中須賀にとって今年のYAMAHA YZF-R1はより手足に近い状態になっていると思います。ただそれがタイムに反映されるかといえば必ずしもそうではない事もありますが、バイクはライダーの精神面も含めたトータルパッケージですのでそれは必要な事と思っています。

ただ中須賀はMotoGPマシンのテストもしている事もあり要求レベルがとても高い。頭の中では切り替わっていると思いますが、中須賀が求めるレベルにJSB1000仕様を到達させるのは難しいと考えています。ですからレースウィークでは転倒のリスクも含めて中須賀が行き過ぎるのを僕が抑えているというのが現状です(苦笑)。

ヤマハファクトリーレーシングの今後はいかがでしょうか。

体制やバイクに関しては大きな変更は無いかな、というのが現状です。戦い方としては、2019年のようにファクトリーレーシングが増えライバルたちと切磋琢磨出来れば、とは思います。我々自身とすれば理想はやはり2台体制、それを踏まえたうえで国内で中須賀を頂点としてジュニアチームを再結成し、世界へと繋ぐことが出来ればと思っています。それはメカニックも同様で、ヒトを育てるのには時間が掛かる事なのでMotoGPテストなどを通しての人材育成は必要と考えています。ですのでまずは全日本から世界に行った野左根には頑張ってもらわないと、と思っています。

我々は今シーズン、チャンピオンを獲得しましたが常にライバルに対してチャレンジする精神で臨みたい、そう思っています。ファクトリーレーシングとして唯一の参戦で賛否両論がある事は分かっていますが、ヒトを育て技術を伝承させていくという使命、全日本の灯を消さない為にも必要な事だと思っています。

来シーズンも引き続きのご声援、よろしくお願いします。

前回のブログでも触れましたが速さだけでなく、ヒト、技術の伝承というキーワードがでてきました。ファクトリーとしての気概、感じます。


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