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投稿日: 2021.12.16 13:30
更新日: 2021.12.17 21:18

【ブログ】全日本ロード第7戦オートポリス(中編)ホンダ首位の濱原颯道が語るCBR1000RR-R/“ヘンタイ”カメラマン現地情報

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Blog | 【ブログ】全日本ロード第7戦オートポリス(中編)ホンダ首位の濱原颯道が語るCBR1000RR-R/“ヘンタイ”カメラマン現地情報

 レース界のマニアック“ヘンタイ”カメラマンこと鈴木紳平氏がお届けする全日本ロードレース選手権ブログ。今回は、9月18~19日に行われた2021年MFJ全日本ロードレース選手権の第7戦 スーパーバイクレース in 九州編 中編です。

* * * * * * *

では次はホンダ勢、まずは2021シーズンランキング2位となったゼッケン3番 Honda Dream RT 桜井ホンダの濱原颯道選手に伺います。

先ずは2021シーズン、HONDA CBR1000RR-Rの変更点を教えてください。

一番大きい変更はスイングアームが変わった事でしょうか。キット車仕様からリヤタイヤ交換用のクイックチェンジが追加されたTSR製の耐久仕様へと変更されています。これは鈴鹿8耐を見据えての変更です。その他エンジン、車体に関して大きな変更はありません。

現在フロントサスペンションに関してはショーワさんのワールドスーパーバイクでも使用されているアウターチューブの剛性を変化させる事が出来るサスペンションを使用しています。これによってブレーキング時の反力が調整出来ます。ブレーキング時のサスペンションのバネが戻り、アウターチューブが戻り、フレームが戻っていくタイミングやバランスを締め付けトルクなどで調整しています。

このフレームの部分はブレーキング時に外側に膨らむ為感度が高い箇所になりますので、エンジンマウントボルトも径が異なるもの、中空のもの、締め付けトルクなど色々と試しています。

現在ホンダ勢最上位です。

HONDA CBR1000RR-Rはウイングがついた事でバイクの動きが重たくなったので体格が大きい僕がバイクを振り回しやすいのかとも思います。ですから他のライダーもその重さに慣れきってしまえば問題ないと思います。ただ乗り方を固定してマシンを仕上げていくのか、マシンによって乗り方を変えるのか、そこは難しいと思います。ただYAMAHA FACTORY RACING TEAMには追い付けていません。そこは来年への課題であり目標になります。

ウイングレットの影響はやはり大きいのでしょうか。

安定感もでますが反作用として重さも感じますし、ウィリーしにくいけどし始めると落ちにくいという感じです。本来ならば30kmぐらいから効き始めるダウンフォースを100kmぐらいまでウィリーしないように電子制御でコントロールしそこから本来の空力を作用させたいところですが、キット車ゆえに制御に頼れない現状はそこの部分をライダーがコントロールしながら走らせている(もちろんウィリーによってロスも発生している)というのが現状です。

現状JSB1000のHONDA CBR1000RR-Rは8耐仕様ですがスプリント仕様で走らせた場合どのような変化があると思われますか?

速くなる事は間違いないと思います。以前ヤマハに乗っていた時にスプリントから8耐仕様に乗った途端にタイムが落ちた事がありました。フロントもそうですが、特にリヤの剛性感が上がってしまい乗りづらくなる、という事はあります。

それを理解したうえでJSB1000に8耐仕様で走ると。

そうですね、やはり桜井ホンダとしての優先順位は鈴鹿8耐。そこに向かってマシンを仕上げていくというのが大前提となります。

来年の開幕戦まで約半年インターバルが空きますが、何をやりたいですか?

まずは少し自分自身の体重を減らす事でしょうか。ただ以前体重を絞った際に持久力の低下を感じたので気を付けながら励みたいと思います。バイクに関しては桜井ホンダ自体ではパーツの新規作成は難しいのでニューアイテムの登場を待つ、という事になります。また僕は体格が他のライダーに比べ大きいので評価が万人受けしないという側面があります(笑)。他のホンダ勢よりハードなタイヤを使っても柔らかい、低速のトルクが無いように感じますし、バイクにもっとパワー感(トルク)が欲しい、と言っているのも僕だけらしいです。

ライダーの多くはコーナーを立ち上がる時にフォームを決めそのフォーム(運転姿勢やハンドルを握る角度等)の中でアクセル開度に対して回転数やトルク感がこのくらい欲しいといのを要求していると思います。今は電動スロットルなのでアクセルとスロットルの開度を各々調整すればいいと思いますが、例えば緩い右コーナーを走る時、回転数が高いとアクセルを開け込み辛いと感じるので、もっと低回転で合わせる事が出来たらHONDA CBR1000RR-Rはもっと曲がるバイクになるんじゃないか、そう思っています。

コーナー立ち上がりでアクセルを早めに開けてあとは電子制御に助けてもらいながら加速していく、これが今風の乗り方です。オートポリスの第三セクターの登り区間などは、アクセルを開ければすぐに回転数がついてくるのが好きなギャンギャン系のライダーと、トルクでじっくり行く派と二つにわかれます。僕も含めてトルクで登っていった方がレース中のバトルもし易いと思います。電子制御が効きにくい低回転が上手く使えるとオートポリスのジェットコースターコーナーから登りの区間も下りきってからではなくその前のコーナーから姿勢を作る事が可能になり登りの区間が楽になります。

開発や新規パーツ制作の主体はAstemo Honda Dream SI RacingやMuSASHI RT HARC-PRO.HONDAになるので我々としては受け身ですが、乗り方、タイヤの使い方、セッティングでまだまだ詰める事が出来ると思っています。来シーズンのHONDA CBR1000RR-R、桜井ホンダに期待してください。


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