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投稿日: 2022.01.30 18:52

【ブログ】恒例の全車撮り、覚え直しのゼッケンで一苦労。カメラマンから見た全日本ロード/第1戦もてぎ

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Blog | 【ブログ】恒例の全車撮り、覚え直しのゼッケンで一苦労。カメラマンから見た全日本ロード/第1戦もてぎ

 毎年、全日本ロードレース選手権をまわり、シャッターを切り続けるカメラマン「Nob.I」がお届けする『カメラマンから見た全日本ロード』。記念すべき第1回目は4月3~4日に開催された2021年シーズン第1戦、ツインリンクもてぎです。ゼッケンは昨年度のランキング順をもとに指定となり、改めてライダーを把握しつつコースサイドで全車撮りを行った開幕戦ならではの苦労とは?

* * * * * * *

まさかまさかの編集部からブログオファー

2021年シーズンを振り返り、「カメラマンから見た全日本ロードレース」を執筆することになりました。

カメラマンがまさかのライターデビュー! つたない文章で恐縮ですが、ご拝読いただければ幸いです。

2020年は新型コロナウイルスの影響で、開幕戦が8月となりましたが、2021年はスケジュール通り4月に開幕しました。レースが無事開催できること、関係者の皆様に感謝です。

2021年シーズンの開幕戦は、ツインリングもてぎで行われました。開幕戦は「今年はどんなドラマがあるのかな?」と楽しみと期待がある一方、実は辛さもあります…… 毎年全車撮りを依頼されるからです。

左から右、右から左と望遠レンズを振る機械と化します。

ST1000に参戦する、DOGFIGHT RACING YAMAHAのように、同じカラーリングのマシンが3台も出走していると、「この車両撮ったっけ?」状態になります。

「バリエーション多く」とリクエストされますが、編集部は何処かで掲載してくれているのでしょうか?

3台体制で臨むDOGFIGHT RACING YAMAHA
3台体制で臨むDOGFIGHT RACING YAMAHA
3台体制で臨むDOGFIGHT RACING YAMAHA
3台体制で臨むDOGFIGHT RACING YAMAHA
3台体制で臨むDOGFIGHT RACING YAMAHA
3台体制で臨むDOGFIGHT RACING YAMAHA

ST1000は37台のエントリーがありましたが、出走台数が多いと嬉しい反面、「何としても全車撮らねば!」というプレッシャーとの戦いでもあります。

さらに、2021年シーズンに頭を悩ませたのが、希望ゼッケンの廃止です。基本は昨年度のランキング順となりましたが、クラススイッチがありますので、選手とゼッケンを覚えなおすのに一苦労です。

MuSASHi RT HARC-PRO.Honda 2021年シーズンは定着したゼッケン「634」ではない。名越哲平選手はST1000からのスイッチ
MuSASHi RT HARC-PRO.Honda 2021年シーズンは定着したゼッケン「634」ではない。名越哲平選手はST1000からのスイッチ

それでは、2021年で2年目となったST1000から参りましょう。

開幕戦でいきなりドラマが生まれました。その主役は、初年度王者、ゼッケン1を背負う高橋裕紀選手(日本郵便HondaDream TP)。

予選は2番手だったのですが、エンジントラブルによるエンジン載せ替えのため、なんとピットスタートとなります。

ピットスタートの高橋裕紀選手(日本郵便HondaDream TP)
ピットスタートの高橋裕紀選手(日本郵便HondaDream TP)

そしてスタート前には大粒の雨が落ちてきて…… レースはウェット宣言。スタート前のグリッド上で慌ててタイヤ交換するチームもあり、波乱の予感。

スリックタイヤ(左)とレインタイヤ(右)に分かれる。スクリーンにも雨粒が確認できる
スリックタイヤ(左)とレインタイヤ(右)に分かれる。スクリーンにも雨粒が確認できる

レース序盤はレインタイヤを選択した渥美心選手(TONE RT SYNCEDGE4413 BMW)が2位と大差をつけてリード。

しかし、次第に雨がやんでいき、路面が乾いていくにつれて後方から驚異的なタイムで追い上げてくる選手が……

高橋裕紀選手(日本郵便HondaDream TP)
高橋裕紀選手(日本郵便HondaDream TP)

ピットスタートの高橋裕紀選手! スリックタイヤを選択していました。

6LAP終盤、ホームストレート入口で高橋裕紀選手が渥美心選手をとらえます。「おおお、目の前で抜くのかぁ!?」と撮る方にも力が入ります!

渥美心選手を抜きに出る高橋裕生選手
渥美心選手を抜きに出る高橋裕生選手

そのまま抜き去り、その後はトップを譲ることなく、最後尾から35台のマシンをかわして優勝。

ピットスタートという逆境、また、天候が難しくタイヤ選択が割れる状況のなか、最後尾からの優勝というドラマが生まれました!

手島雄介監督率いる日本郵便HondaDream TP。高橋裕紀選手の優勝に歓喜
手島雄介監督率いる日本郵便HondaDream TP。高橋裕紀選手の優勝に歓喜

どんなスポーツも、試合終了までどうなるか分かりません。ありきたりな言葉ですが「最後まであきらめない」、その心が大事だと再認識しました。

開幕戦からドラマチックでしたが、「最後尾から追い上げる高橋選手」を表現できなかったのが悔しいです。もっとレース展開を考えて臨まなければなりません。日々精進です。

続いてJSB1000に参りましょう。

開幕戦には、YOSHIMURA SERT MOTUL、渡辺一樹選手が参戦しました!

皆さんご存知の通り、ヨシムラはSERT(Suzuki Endurance Racing Team)とタッグを組んでFIM世界耐久選手権(EWC)に参戦しています。

渡辺一樹選手はEWCでは第4ライダーを務め、そのマシン開発を担っています。

コースへ向かう渡辺一樹選手(YOSHIMURA SERT MOTUL)
コースへ向かう渡辺一樹選手(YOSHIMURA SERT MOTUL)

次はいつ撮れるのか分からないので、集中的に狙います。ヨシムラの鮮やかな赤はとてもキレイで、個人的に好きです。余談ですが、もちろんJSB1000も全車撮り!

YOSHIMURA SERT MOTULはスポット参戦のためピットは間借り。ちょっと寂しい
YOSHIMURA SERT MOTULはスポット参戦のためピットは間借り。ちょっと寂しい
YOSHIMURA SERT MOTULのGSX-R1000には、2021年シーズンから許可されたブレーキエアダクトが装着されている
YOSHIMURA SERT MOTULのGSX-R1000には、2021年シーズンから許可されたブレーキエアダクトが装着されている

急な参戦にもかかわらず、レース1・2のダブルポールと表彰台を獲得。

レース2では中須賀克行選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)と激しい優勝争いを演じ、ファンはもちろん、カメラマンをも楽しませてくれました。

活躍の舞台をEWCに移していますが、また全日本ロードにフル参戦しないかな?

レース2首位争い。左から渡辺一樹選手、中須賀行選手、清成龍一選手
レース2首位争い。左から渡辺一樹選手、中須賀行選手、清成龍一選手
ツインリンクもてぎの5コーナーを立ち上がる渡辺一樹選手
ツインリンクもてぎの5コーナーを立ち上がる渡辺一樹選手

ツインリンクもてぎは表彰式の後、選手たちはオーバルコース上を歩いてコントロールタワーにある記者会見場へ向かいます(注:MotoGPとは表彰場所が異なる)。

この区間、選手間でいつも何かを話しながら歩いていきます。いったい何を話しているのでしょうか?

レースの振り返りをしているのか、今回は赤旗のタイミング(レース2は雨による赤旗でレース終了)を話しているのか……

レース2終了後、表彰式から記者会見場へ向かう3位濱原颯道選手(左)と2位渡辺一樹選手(右)
レース2終了後、表彰式から記者会見場へ向かう3位濱原颯道選手(左)と2位渡辺一樹選手(右)

開幕戦の両レースを制したのは、中須賀克行選手。

昨年は転倒がありランキング7位に終わったものの、その速さは健在。中須賀克行選手の話題は豊富なので次戦以降に持ち越し…… この勝利が最終戦のドラマにつながります。

レース1・2を制した中須賀克行選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)
レース1・2を制した中須賀克行選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)
闘い終わった男たちの背中。記者会見場へ向かいます(レース1)
闘い終わった男たちの背中。記者会見場へ向かいます(レース1)

左から3位の渡辺一樹選手、2位の清成龍一選手(Astemo Honda Dream SI Racing)、1位の中須賀克行選手。次はどんなドラマを見せてもらえるのか……

いかがでしたでしょうか?
いざ執筆してみると、あれも書きたいこれも書きたいと話題を絞るのに苦労しました。

各レースのトピックスやサーキットならではの特徴を、カメラマン目線で伝えていきたいと思います。

ライターの気持ちがちょっと理解できました。次回もよろしくお願いいたします。


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