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投稿日: 2022.02.11 18:54
更新日: 2022.02.11 19:21

【ブログ】魔物が棲むSUGOのドラマ。カメラマンから見た全日本ロード/第3戦SUGO

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Blog | 【ブログ】魔物が棲むSUGOのドラマ。カメラマンから見た全日本ロード/第3戦SUGO

 毎年、全日本ロードレース選手権をまわり、シャッターを切り続けるカメラマン「Nob.I」がお届けする『カメラマンから見た全日本ロード』。第3回は5月22~23日に開催された第3戦、スポーツランドSUGO。“魔物”があらわれるというSUGOで起きたドラマとは?

* * * * * * *

打ち切りになるのではないかとビクついていますが、思いのほか好評で嬉しい限りです。

全日本ロードは第3戦、SUGOを迎えました。SUGOは2020~2021年のオフシーズン、施設の一部を改修しました。

コースでは、ピットの作業エリアが2m拡幅され、それに伴い、メインストレートがスタンド寄りに2mオフセットされました。また、ピットロード出口の変更により、3コーナーも少し変わっています。

新しいSUGO楽しみだな~と向かったものの……「SUGOの魔物があらわれた」

視界不良で土曜午後のJSB1000レース1は中止。写真奥が1コーナー。ピットロードは改修により幅広になった
視界不良で土曜午後のJSB1000レース1は中止。写真奥が1コーナー。ピットロードは改修により幅広になった

午前中は路面ウェットで始まったものの、だんだんと乾いていきJSB1000予選後半にはドライタイヤで走れるまで回復。

JSB1000のポールポジションは、この難しいコンディションにうまく適応し、ドライタイヤでアタックした津田一磨選手(BabyFace Powered by YOSHIMURA)。

しかしながら、午後になると霧が出てしまい、写真のようになりました。こいうとき、選手はもちろんですがメディアも、走るのか走らないのか、スケジュールがどなるのか、とやきもきします。

レース中止が発表されると、この天候では仕方がないと思いつつ、さすがに編集部に何かネタを送らねば……とピット前に行ってみました。

ポールシッター、津田一磨選手の写真撮影をしていたので、他メディアに混じってパシャリ。

津田一磨選手、せっかくのポールポジションにも関わらずレース1は中止。霧が深いです
津田一磨選手、せっかくのポールポジションにも関わらずレース1は中止。霧が深いです

ちなみに、ピットロード出口と3コーナーは写真のようになりました。

3コーナーとピットロード出口。車検場の場所も変更。以前は写真左、Astemoのフラッグあたりに車検場があった
3コーナーとピットロード出口。車検場の場所も変更。以前は写真左、Astemoのフラッグあたりに車検場があった

これで本日の仕事は全うできましたでしょうか?

気を取り直して、日曜日のレースに参りましょう。

天候は生憎の空模様ですが、昨日の霧に比べれば無事開催されることに感謝です。今日はどんなドラマが生まれるのでしょうか?

JSB1000レース2スタート前。曇り空ですが……
JSB1000レース2スタート前。曇り空ですが……

本日の注目は、ST1000でポールポジション獲得の、渡辺一馬選手(Astemo Honda Dream SI Racing)。事前テストから調子が良いと聞いています。

渡辺一馬選手(Astemo Honda Dream SI Racing)。ポールポジション獲得
渡辺一馬選手(Astemo Honda Dream SI Racing)。ポールポジション獲得

余談ですが、タンクの上にあるドリンクボトル。渡辺一馬選手のヘルメットにもデザインされているユニコーンが描かれています。

オリジナルデザインのヘルメットを観察するだけでも楽しいですが、選手がさりげなく使用している、オリジナルグッズを見つけるのもおもしろいかもしれません。

他にも、選手の特徴を見つけるのも楽しみのひとつです。有名なのは「肘擦り」や「足出し」でしょうか?
※足出しはロッシが生み出した? (/bike/178490?all

ブレーキングでの足出し
ブレーキングでの足出し

レースは一時、ST600からスイッチした岡本裕生選手(bLUcRUニトロレーシング51 YAMAHA)がトップを走るものの、転倒で再び渡辺一馬選手がトップに。

2021年のST1000は群雄割拠で、毎回どうなるかハラハラしながら撮っています。

トップを走る岡本裕生選手。残念ながらこの後転倒。彼のドラマはまた今度
トップを走る岡本裕生選手。残念ながらこの後転倒。彼のドラマはまた今度

レースは渡辺一馬選手がそのまま逃げ切り、チェッカー。

サーキットは、コース毎にピットやコントロールライン、チェッカーフラッグの配置が異なり、撮れるフィニッシュ写真が異なります。

今回は、Astemo Honda Dream SI Racingのピットとコントロールラインの位置を考え、ピットクルーと渡部一馬選手のガッツポーズを絡めた写真を撮ろうと計画しましたが……

最終ラップ、コントロールライン手前。私の後方がチェッカーマン。渡辺一馬選手、ガッツポーズしてほしかったなぁ……
最終ラップ、コントロールライン手前。私の後方がチェッカーマン。渡辺一馬選手、ガッツポーズしてほしかったなぁ……

……あえなく撃沈。

アクションが小さいのも、また選手の特徴です。

思い通りに撮れないからこそ、次回はああしよう、こうしようとリベンジに燃えます。毎戦精進です。

しかし、この後に素敵な写真が撮れました。

伊藤真一監督と渡辺一馬選手の抱擁。Astemo Honda Dream SI Racingは初勝利
伊藤真一監督と渡辺一馬選手の抱擁。Astemo Honda Dream SI Racingは初勝利
優勝した渡辺一馬選手。2018年JSB1000オートポリス以来の勝利
優勝した渡辺一馬選手。2018年JSB1000オートポリス以来の勝利

今年のST1000は面白くなりそうです。

続いてJSB1000に参りましょう。

なんと、1周目で津田一磨選手が転倒し、セーフティカー導入。

せっかく昨日ポールポジション獲得したのに……残念。本人は当然ですが、メディアもガッカリです。

転倒したBaby Face POWERED by YOSHIMURA津田一磨選手のマシン
転倒したBaby Face POWERED by YOSHIMURA津田一磨選手のマシン
SUGOのセーフティカーはトヨタのスープラ。サーキット毎に異なるので、こういった違いを見つけるのも面白いかも?右下が改修されたピットロード出口
SUGOのセーフティカーはトヨタのスープラ。サーキット毎に異なるので、こういった違いを見つけるのも面白いかも?右下が改修されたピットロード出口

セーフティカーが導入されるものの、解除後に何の波乱もなく、レースは危なげなく中須賀克行選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が独走して優勝。

大きな差がつき、バトルがないとネタも少なく、こういう風にちょっと遊びます。編集部、ごめんなさい。

トップを独走する。中須賀克行選手
トップを独走する。中須賀克行選手

勝者がいれば、敗者がいます。

前回表彰台を獲得した亀井雄大選手(Honda Suzuka Racing Team)は、2位走行中に最終ラップで転倒してしましました。

2位走行中の亀井雄大選手。この後、最終ラップに馬の背コーナーで転倒……残念
2位走行中の亀井雄大選手。この後、最終ラップに馬の背コーナーで転倒……残念
チェッカーを受けたものの、悔しがる亀井雄大選手。目から、その悔しさが伝わってきます
チェッカーを受けたものの、悔しがる亀井雄大選手。目から、その悔しさが伝わってきます

こういう時は、「敗者を追いたい」という衝動を抑え、表彰台に向かいます。

何故敗者を追いたいのか? それはそこに「人間くささ」が出るからです。

喜ぶ姿ももちろん絵になりますが、悔しい姿もまた絵になります。

そのような「人間くささ」を表現できるようなカメラマンになれるよう精進です。

編集部、いかがでしょう? ダメですか? え? 仕事しろ?…… はい。

土曜日の天候で、この週末はどうなるかと思いましたが、ST600終了まで雨に降られず、全カテゴリー無事消化できました。

村田町の天気、ありがとう!

JSB1000レース2 ハイポイント付近から望むSUGO。曇り空ですが、奥にはかろうじて蔵王が見える。個人的にはお気に入りの場所
JSB1000レース2 ハイポイント付近から望むSUGO。曇り空ですが、奥にはかろうじて蔵王が見える。個人的にはお気に入りの場所

ST600では地元の若手ライダー、横山尚太選手(ガレージL8 RT・YAMAHA)が初表彰台(3位)を獲得しました。

ST600は出走台数も多く、また、若いライダーが多いので楽しみなカテゴリー。先に触れた岡本裕生選手もST600で2度王者を獲得しています。

S字を立ち上がる、横山尚太選手
S字を立ち上がる、横山尚太選手
3位獲得の横山尚太選手。全日本初表彰台。若干二十歳のナイスガイ。快く撮影に応じてもらえた
3位獲得の横山尚太選手。全日本初表彰台。若干二十歳のナイスガイ。快く撮影に応じてもらえた

お楽しみいただけましたでしょうか?

カメラマンも、毎戦何をどうやって撮ろうか、四苦八苦しながら撮影しています。

うまく撮れないのは、私のウデがまだ未熟なだけですが、ライダーがタイムを更新するように、私も成長していければと臨んでいます。


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