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MotoGP ニュース

投稿日: 2022.04.26 11:25
更新日: 2022.04.30 22:27

クアルタラロが表彰台で噛み締めた2021年イギリスGP以来の優勝/MotoGP第5戦ポルトガルGP

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MotoGP | クアルタラロが表彰台で噛み締めた2021年イギリスGP以来の優勝/MotoGP第5戦ポルトガルGP

 MotoGP第5戦ポルトガルGPでファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が今季、初めて表彰台の頂点に立った。クアルタラロにとっては、2021年第12戦イギリスGP以来の優勝だった。

 ポルトガルGPはライダーにとって天候とコンディションへの対応が求められる週末となった。金曜日とフリー走行4回目まではウエットコンディションでレインタイヤでの走行となり、予選では特にQ2でスリックタイヤで走ることができるコンディションとなったが、それでも完全なドライコンディションではなかった。決勝日午前中に行われたウオームアップ走行で、ようやくドライコンディションの走行となったのだ。

 そんな状況で迎えたレースで、5番グリッドからスタートしたクアルタラロは序盤から好ペースを発揮する。3周目に1分39秒836、4周目に1分39秒457をマークしたクアルタラロは、その力強いペースをほぼ終盤まで維持し、最終的には2位でフィニッシュしたヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)と5.409秒差を築いての独走優勝だった。

 クアルタラロはウエットコンディションとドライコンディションで走ることになったポルトガルGPについて、「金曜日を除いて、これまでで最高の週末になったと思う」と決勝後の会見で述べた。

「今朝(ウォームアップ走行)はすごくいいペースがあると感じていたんだ。4周目には1分39秒4が出て、自分でもびっくりしたよ。スリックで走る時間がなかったのに、すぐに1分39秒が出たものだからとても不思議だった。でも、あのペースを維持できたのでとても満足だ」

 このレースでひときわ印象的だったのは、クアルタラロが序盤にジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)からトップを奪ったオーバーテイクだ。アウトドローモ・インターナショナル・アルガルベは13コーナーを抜けると高速コーナーの14、15コーナーへと続き、15コーナーを立ち上がると上り坂となってメインストレートに続いていく。最終の15コーナーでミルの背後につけたクアルタラロは、メインストレートでスリップストリームを利用し、ミルを抜き去った。

「確かに、僕たちのバイクはトップスピードが欠けているけれど、このサーキットでは、トップスピードについてのフィーリングは悪くなかった」と、クアルタラロは語る。最終セクターのレイアウトとその攻略が優勝を決定づけたオーバーテイクにつながったという。

「最終コーナーではとても速く立ち上がり、そして、(最終コーナーの先の)坂を上り切ったところでうまくウイリーを抑えた。そこでは僕はとても強かったんだ。僕のキーポイントは、最終セクターだったと思う。でも、実際には(バイクは)何も変わっていないよ」

 2022年シーズンの第4戦アメリカズGPまで、クアルタラロが表彰台を獲得したのはウエットレースだったインドネシアGPでの2位のみ。さらにさかのぼれば、昨年第12戦イギリスGP以来の優勝だっただけに、喜びもひとしおだ。表彰台では目頭を押さえるシーンもあった。

「長いこと優勝できていなかったから(表彰台で感情的になった)。それに、今年もタフな時間だった。4戦という短い時間だったけれど、チャンピオンを獲得したならまたチャンピオン争いがしたいと思うのが普通だから」

 今季のクアルタラロは、2月の公式テストから自身のライディングの話をすることが多かった。それは、今、己が手にしているものの中でなすべきことに全力を尽くすと言っているように見えた。

「オースティン(アメリカズGP)のレーススタート前、優勝争いはできないだろうと考えるのはきつかったよ。でも、レースをスタートして、どんなポジションであれ、100パーセントの力を出すと自分に言い聞かせたんだ。それをやってのけて7位でフィニッシュした。7位ではすごくうれしくはなかったけれど、でも、全力を尽くした」

「2019年、2020年では、いったん(順位が)落ちたら落ちる一方だった。でも今年と昨年は、落ちてしまっても表彰台争いのときみたいに7位、8位、9位でフィニッシュできるように頑張っているんだ。これが、昨年のヘレス(スペインGP)で僕が大きく変えたことだ。ヘレスでは僕は腕上がりで13位だったけれど、3ポイントを得た。(今年は)カタールで9位、アルゼンチンで8位、オースティンで7位。そして今、僕はチャンピオンシップをリードしている。残念なレースはあるものだと思う。そして、シーズンの最後には、それが大事なポイントになるんだ」

 昨年から精神面を強化してきたクアルタラロが、チャンピオンとしての強さを優勝という形で示した。


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