毎年、全日本ロードレース選手権をまわり、シャッターを切り続けるカメラマン「Nob.I」がお届けする『カメラマンから見た全日本ロード』。2022年第3回目は5月21~22日に開催された第3戦オートポリスの2&4レースです。
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実はオートポリスの2&4は初めてで、少々緊張気味のレースウイークとなりました。
とはいえ、いつもとすることは変わらないので、写真はきちんと撮ります、編集部。
毎度のとおり、レース記事は編集部にお任せするとして、私は「ライバル以外との闘い」をお伝えします。
週間予報では週末は好天のはずだった、オートポリス。
さすが山の上(標高800m)、天候がころころ変わり、土曜日の午前中は雨模様。
ってゆーか、マジで寒いです……ダウンを着る人もいました。
選手はもちろんのこと、カメラマンもその自然のいたずらに翻弄されます。
予選開始時はウエット路面。マシンのスクリーンには雨粒が確認できるくらいの小雨が降り、皆レインタイヤを選択する中……
予選セッションの後半には路面が乾きはじめ、「この状況では一発逆転をかけてスリック組が出てくるかも?」と構えていたら案の定、来ました!
終始レインタイヤだった中須賀克行選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)を抑え、スリックを選択した亀井雄大選手がレース1・2のダブルポールポジションを獲得。
後のコメントによると、「残りのタイヤがスリックしなかった」とのことですが、運も実力のうち!レース1に期待がかかります。
このように、自分やライバルだけではなく、天候や路面コンディションにも左右される競技、それがロードレースです。土曜予選、日曜決勝の天候が異なることも珍しくありません。
亀井雄大選手のスリック走行を撮れて安堵していたのは内緒です。
その午後のレース1は午前とは打って変わり、雲が出ているものの陽が出て暑くなりました。山の天候は本当に分かりません……まさか1日のうちで天候がこうも変わるとは……
しかしながら、レースが始まってみると、トップ集団に亀井選手がいない?
どうやら、グリッドにつけずピットスタートとなり、結果は1LAP遅れの22位。
レース2はポールポジションからスタートし、序盤は中須賀克行選手とトップ争いをするものの、その後順位を下げ、最終ラップに渡辺一樹選手にパスされ、惜しくも4位。
なお、今戦のHonda Suzuka Racing Teamは仕事の都合でメカニックがふたりという人員不足で、チームにとっても厳しいレースでした。ワークスより厳しい環境かもしれませんが、負けるな!サラリーマンライダー!
さて、レース1、2ともに3位になった渡辺一樹選手ですが、SUGOテストでの転倒により、背骨の『横突起(おうとっき)』骨折という怪我を負いながらの参戦となりました。
背骨の骨折というと重症のように思われますが、ドクターいわく「痛みだけ」という診断だそうです。
ちなみにこの骨折、中須賀克行選手も経験があるらしく、記者会見で「痛いんだよ、コレ」と経験者同士の共感が。会場には笑いが起こっていました。
そんな渡辺一樹選手はレース2後には……
自転車が用意されていました。これはこれで楽しそう!?
また、このレースでは、これまで怪我で欠場していた名越哲平選手(SDG Honda Racing)が復帰しました。
また、両レースとも2位の岡本裕生選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2)も予選の転倒により、体に痛みがあったそうです。
他のスポーツとは異なり、怪我のリスクが大きいのがロードレース。
松葉杖をつきながら走った選手も知っています。
満身創痍で走るレースもありますが、必ず自走で元気に帰ってきてほしいものです。
「レース」そのもの以外の情報にも目を向けると、さらに楽しく観戦できると思いませんか?
最近は選手もSNSで情報発信をしていますので、覗いてみてはいかがでしょうか?
次戦SUGOは、日本で唯一モトクロスコースも併設している施設。
東日本のレースファンの皆様、是非SUGOに足を運んでみてください。
(もちろん、西日本のファンもお待ちしております)