2022鈴鹿8耐：MOTO AIN、Wojcik Racing Teamが辞退で45チームに。海外チーム、外国人ライダーが参戦しづらい背景

　6月21日、ホンダモビリティランド株式会社は8月7日に鈴鹿サーキットで開催される『2022 FIM世界耐久選手権（EWC）“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第43回大会』の47チームによる暫定エントリーリストを公開した。しかし、6月24日にエントリーが更新され、MOTO AIN、Wojcik Racing Teamが出場辞退し、全45チームとなることが明らかとなった。

　夏の一大イベントとして親しまれており、コロナ禍以降、3年ぶりに行われる予定の鈴鹿8耐。現在、開催に向けて準備が進められており、6月21日に暫定エントリーリストが公開された。

　その暫定エントリーリストは、EWC契約チームであるYoshimura SERT Motul、F.C.C. TSR Honda France、YART-YAMAHA OFFICIAL TEAM EWC、WEBIKE SRC KAWASAKI France、BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM、MOTO AIN、Wojcik Racing Teamの7チームを加えた全47チームだった。しかし、その3日後にMOTO AINとWojcik Racing Teamは参戦を辞退することになり、45チームへと変更された。

■予算の問題
　鈴鹿8耐は最大65チームが出場可能となり、出場権行使チームが35チーム、主催者推薦チームが3チーム、8耐トライアウトが5チームと計43チームのエントリーが事前に決定していた。そこにフル参戦の22チームを加えてフルグリッドとなる予定だった。

　EWC側は、フル参戦しているEWC契約の約20チーム、最低13～14チームを参戦させる予定だったが、出場への準備を進めると次々と辞退していき、現状では5チームのみエントリーしている状態だ。

　エントリーが減った理由は、日本への渡航と輸送に必要な費用が以前の約3～4倍であるため、外国人ライダーとスタッフの渡航、すべての機材の運搬に必要な予算の問題でプライベートチームから出場を断念していったからだ。

　外国人ライダーを擁すが、日本チームであるYoshimura SERT Motul、F.C.C. TSR Honda France、そして、メーカーが絡み海外を拠点としているYART-YAMAHA OFFICIAL TEAM EWC、WEBIKE SRC KAWASAKI France、BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMは出場予定だ。このなかでも予算の問題で出場が厳しいチームもあったが、問題はクリアとなり、現状では参戦の条件を満たせている。

　以上の予算による理由で、最終的にMOTO AINとWojcik Racing Teamも出場を辞退した形となる。

■ビザの問題
　6月25日、外国人ライダー3人の起用を予定していたTeam Frontierが「大会規約制定時点で参加する選手の入国が日本政府より認められなかったため、本大会への参加が叶わなくなってしまいました」と参戦断念の理由を発表した。

　外国人を擁すチームは、EWCや鈴鹿サーキットと連携して、かなり前から各国の大使館と政府にビザを申請する準備をしていた。その段階で事前エントリーしていた43チームから外国人ライダーを起用する相談があればフル参戦チームと同じく申請ができたが、現状では申請が間に合わないことから日本チームが外国人ライダーを起用することが難しくなった。

　もちろん、Team Frontier以外にも外国人ライダーの起用を予定していたが、日本人ライダーに変更したチームもある。そのため、事前に外国人ライダーの起用が予想されたフル参戦チームと主催者推薦チームは外国人ライダーを走らせることができる。

　関係者以外はパドックに入場できないが、現時点ではピットウォークのチケットも販売されており、45チームとはなるが3年ぶりに鈴鹿8耐が開催されそうだ。

■2022鈴鹿8時間耐久ロードレース 第43回大会 暫定エントリーリスト（6月24日現在）