【途中経過】ジョナサン・レイまさかの転倒。レース復帰もTeam HRCとの差はさらに広がる／鈴鹿8耐4時間

　三重県の鈴鹿サーキットで8月7日11時30分にスタートを迎えた『2022 FIM世界耐久選手権（EWC）第3戦 “コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第43回大会』の決勝レースは4時間が経過し、3時間経過に引き続きTeam HRC（長島哲太／高橋巧／イケル・レクオーナ）がトップを走行している。

　3時間経過時点ではTeam HRCがセーフティカー（SC）導入も味方につけトップ独走体制を築いていた鈴鹿8耐。レースは3時間台に突入し、F.C.C. TSR Honda France（TSRホンダ）を始めに上位勢はルーティンピットへと向かい、ライダーふたりで戦うヨシムラSERT Motulは渡辺一樹がコースに出ていく。

　コースに復帰したTSRホンダだったが、直後にライドスルーペナルティが科されてしまい再びピットロードへと向かうことを余儀なくされる。これでTSRホンダは15番手までポジションを落とすことに。その後の84周目にはトップを走行するTeam HRCがピットイン。イケル・レクオーナから高橋巧へと交代し首位のままレースに復帰する。

　86周目には2番手から追い上げたいKawasaki Racing Team Suzuka 8H（カワサキ8H）がピットイン。43秒という無駄のないピットストップでジョナサン・レイがこの日2回目のスティントに出ていく。コースに出たレイはトップとの差を縮めるべくプッシュを開始し2分07秒のタイムを連発、さらにチームベストとなる2分07秒521を記録してTeam HRCを追う。対して首位のHRCも高橋が安定して2分08秒台を並べてくる。

　しかしスイッチの入ったレイの勢いは留まることなく、89周目には2分07秒177にタイムを更新。Team HRCの長島哲太が記録した2分07秒147というファステストラップに迫る速さを披露すると、前を行く高橋も2分07秒519をマークしてくる。3番手にはYART-YAMAHA OFFICIAL TEAM EWCのニッコロ・カネパが続くがタイムは2分09秒台と、Team HRCとカワサキ8Hのトップ2チームが別次元の戦いを繰り広げる。

　3時間46分には10番手を走行していたBMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMのイルヤ・ミハルチクがバックストレートでスロー走行となりピットへ戻る。その直後、鈴鹿サーキットのモニターには200Rシケインで転倒しているグリーンのマシンが映し出される。そのマシンは、なんと追い上げを見せていたKawasaki Racing Team Suzuka 8Hのレイだった。

　幸いにもライダーとマシンに大きなダメージはなく、レイはすぐさま横たわったマシンを起こして走行を再開したが、これで1分10秒まで縮まっていたトップのTeam HRCとのギャップは1分40秒に広がってしまった。しかし、まだ諦めるのは早いとばかりに、6度のスーパーバイク世界選手権（SBK）王者であるレイはピットに戻ることなく走行を続け、2分09秒台で周回を続ける。

　その後レースは折り返しとなる4時間が経過。レイの転倒によってさらに盤石のギャップを築き上げたTeam HRCをトップに、Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hが2番手、ヨシムラSERT Motulが3番手に続いて後半戦へと突入していく。

■2022鈴鹿8時間耐久ロードレース　決勝4時間経過順位（編集部集計）