8月21日、MotoGP第13戦オーストリアGPの決勝レースがレッドブル・リンクで行われ、MotoGPクラスはフランセスコ・バニャイア（ドゥカティ・レノボ・チーム）が優勝を飾り、自身初の3連勝を果たした。中上貴晶（LCRホンダ・イデミツ）は転倒リタイアでレースを終えた。
決勝レースは気温21度、路面温度23度のドライコンディションで始まった。ホールショットを奪ったのは2番グリッドスタートのフランセスコ・バニャイア（ドゥカティ・レノボ・チーム）、2番手にはエネア・バスティアニーニ（グレシーニ・レーシングMotoGP）、3番手にはジャック・ミラー（ドゥカティ・レノボ・チーム）が続く。
2周目に入ると4番手のホルヘ・マルティン（プリマ・プラマック・レーシング）の後ろには、7番グリッドスタートのマーベリック・ビニャーレス（アプリリア・レーシング）が浮上した。チャンピオンシップランキングトップのファビオ・クアルタラロ（モンスターエナジー・ヤマハMotoGP）は6番手、クアルタラロとタイトルを争うアレイシ・エスパルガロ（アプリリア・レーシング）は7番手につける。
序盤、トップ集団はバニャイア、バスティアニーニ、ミラー、マルティンという4人のドゥカティライダーによって形成された。4周目、3コーナーでミラーがバスティアニーニをかわして2番手に浮上。バスティアニーニはマルティンにもかわされて4番手に後退する。
5周目になるとクアルタラロなどがトップ集団に接近。クアルタラロは6周目にバスティアニーニをかわして4番手に浮上した。そのバスティアニーニはグラベルを直進してしまう。最高峰クラスで初めてポールポジションからのスタートとなったバスティアニーニは、その後ピットに戻ってリタイアとなった。
トップ争いはドゥカティ・レノボ・チームのチームメイト同士のバトルとなった。トップを走るバニャイアに、ミラーが迫る。しかしバニャイアもトップの座を守る。そんなふたりに、3番手のマルティンがギャップを詰めていく。11周目、マルティンがトップふたりに追いついた。
13周目になるとバニャイアがミラーとの差を広げ始める。さらに、ミラーとマルティンにクアルタラロが迫っていた。クアルタラロはレース中盤、マルティンとの差が約1秒あったところから、コンスタントにギャップを削っていた。クアルタラロの後方、5番手にはアレイシ・エスパルガロがつけていたが、その差は1秒以上ある状況だ。
そんな中、マルティンは17周目に2aコーナーをショートカットしてしまい、コースに戻ったその先でクアルタラロにパスされる。3番手に浮上したクアルタラロは、次に、ミラーとの差を詰めていく。
その後方では、アレイシ・エスパルガロと13番手スタートだったルカ・マリーニ（ムーニーVR46レーシング・チーム）による激しい5番手争いが繰り広げられていた。マリーニはアレイシ・エスパルガロをパスすることに成功し、5番手に浮上。アレイシ・エスパルガロは6番手に後退した。さらにアレイシ・エスパルガロはヨハン・ザルコ（プリマ・プラマック・レーシング）にも接近され、苦しい展開となる。
ミラー、クアルタラロ、マルティンは、2番手争いのワンパックとなっていた。残り4周、クアルタラロが2bコーナーでミラーをとらえた。クアルタラロは2番手に浮上。ミラーとマルティンを引き離していく。ミラーとマルティンは3番手争いを展開していたが、マルティンは最終ラップの1コーナーで痛恨のスリップダウンを喫してしまう。
最終ラップ、2番手のクアルタラロはバニャイアを猛烈な勢いで追い上げる。しかし1秒以上の差を縮めることはできず、バニャイアがトップでチェッカーを受けた。
バニャイアはこの優勝によって、2008年にケーシー・ストーナーが達成して以来となる、ドゥカティライダーとしての3連勝を果たしている。クアルタラロは2位を獲得。3位はミラーで、この週末上位を席巻してきたドゥカティ勢の中にクアルタラロが食い込む形となった。
4位はマリーニ、5位はザルコが入り、アレイシ・エスパルガロは最終的に6位でゴールしている。中上貴晶（LCRホンダ・イデミツ）は10周目に転倒を喫し、リタイアでレースを終えた。
