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MotoGP ニュース

投稿日: 2022.09.17 17:10
更新日: 2022.09.18 09:17

ヨシムラSERT Motul、2年連続タイトルへ。渡辺一樹「決して気を抜けないができない目標ではない」/2022EWC第4戦ボルドール24時間

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MotoGP | ヨシムラSERT Motul、2年連続タイトルへ。渡辺一樹「決して気を抜けないができない目標ではない」/2022EWC第4戦ボルドール24時間

 9月15~16日、2022FIM世界耐久選手権(EWC)第4戦ボルドール24時間耐久ロードレースの予選がフランスのポール・リカール・サーキットで行われ、ヨシムラSERT Motulは3番グリッドを獲得した。2年連続でのEWCチャンピオンがかかったヨシムラSERT Motulから鈴鹿8耐に続き参戦することになった渡辺一樹に予選の振り返りと決勝に向けた意気込みを聞いた。

 レギュラーライダーだったチャビエル・シメオンが今季限りで現役を引退することになり、ヨシムラSERT Motulは最終戦のボルドール24時間をグレッグ・ブラック、渡辺、シルバン・ギュントーリの3人、リザーブにクリスチャン・イドンを帯同させて戦うことになった。

渡辺一樹(チーム・スズキ・エクスター)/2022MotoGP第14戦サンマリノGP 決勝
渡辺一樹(チーム・スズキ・エクスター)/2022MotoGP第14戦サンマリノGP 決勝

 もちろんシメオンの引退だけでなく、全日本ロードでの活躍やMotoGP第14戦サンマリノGPでの走り、そしてEWCでの第4ライダーや鈴鹿8耐の走りが認められて渡辺がシートをゲットした形になる。

 まずは、2週間前のボルドールテスト、MotoGPサンマリノGPを経て、再度ボルドールでレースウイークを迎えた渡辺。15日の午後には予選1回目があり、イエローライダーの渡辺は16時30分からコースインして1分54秒071で9番手タイムを記録した。

「予選1回目に関しては、グレッグが一番最初に走ったタイヤを使用して、中古の状態で走りました。セットアップで合わない部分があり、タイムを伸ばすことができなかったのと、アタックラップでのミスも比較的多くて、上手く1周をまとめられませんでした」と渡辺。

渡辺一樹(ヨシムラSERT Motul)/2022EWC第4戦ボルドール24時間 予選
渡辺一樹(ヨシムラSERT Motul)/2022EWC第4戦ボルドール24時間 予選

 翌16日の予選2回目は午前10時25分に行われ、渡辺は1分52秒508と前日から約1.5秒タイムを更新して3番手タイムを記録した。そして、チームの平均1分52秒288で3番グリッドを獲得した。

「(予選1回目は)全然良いタイムではなくすごくフラストレーションが溜まるセッションでしたが、予選2回目はコンディションも少し良くなって、セットアップもチームがいろいろトライしてくれたおかげで、いいものが見つかりました。決勝に向けてはある程度自信を持って行けるだけの手応えと、タイムもしっかり伸ばすことができたのでよかったと思います」

 また、3週間ほど海外で生活しているが、「身体のコンディションはすごく良くて、しかも世界最高峰の耐久レースとスプリントレース(EWCとMotoGP)ととんでもなく贅沢な環境でバイクに乗っているので、フィジカル的にバイクに乗るストレスというのは、ほとんどない状態で走れているかなと思います。時差ボケとかのリスクを考えなくて良くなったので、むしろストレスなく過ごせています」と語る。

渡辺一樹(ヨシムラSERT Motul)/2022EWC第4戦ボルドール24時間
渡辺一樹(ヨシムラSERT Motul)/2022EWC第4戦ボルドール24時間

 予選2回目ではタイムも伸ばしマシンの状態も良く、そして渡辺自身も調子が良い状態だ。しかし、渡辺は第4ライダーとしては帯同したことはあるものの、単純計算ひとり8時間走行の24時間レースを経験するのは今回が初めてだ。

「他のライダーに『めちゃくちゃハードだよ』と聞くので、到底想像できるようなハードさではないというニュアンスは伝わってきます。全く不安がないかと言われると、そんなことはないですけど、想像できないことを想像しても仕方がないことです」

「近くで24時間レースを見ていて、その長さを体感しながら、ライダーの表情を見て、ライダーの身体を見て、めちゃくちゃダメージあることを見てきているので、覚悟を決めてやるしかないですね。世界チャンピオンに手がかかっている立場のチームに、自分がライダーとして走れているという意味で、どんな気持ちで日曜の午後3時を迎えられるのか楽しみにしています」

 そしてランキングは第3戦終了時点でヨシムラSERT Motulは2位に23ポイント差をつけている状況だ。ヨシムラSERT Motulは2年連続のEWCチャンピオンを狙っており、できるだけ上位でフィニッシュすることが目標となる。

2021シーズンFIM世界耐久選手権(EWC)のチャンピオンとなったヨシムラSERT Motul
2021シーズンFIM世界耐久選手権(EWC)のチャンピオンとなったヨシムラSERT Motul

「当然チャンピオンチームの空気感というのもレースごとに感じながら過ごしているので、チーム内の空気感は非常に良い状況にあります。鈴鹿8耐での表彰台はすごく喜んでくれたし、あのおかげで今回リードできていることをみんなポジティブに考えてはいます」

「ただ、ポイント差は決して気を抜けるようなものではなくて、8時間、16時間、最後の24時間の3回のポイントも決して気を抜けるような状況ではないという、緊張感はキープしたままみんなレースに挑んでいると思います」

「24時間レースはおそらく何もドラマなく……というのは、かなりハードルが高いことだと思いますが、3人のアベレージは非常に良いので、そこをしっかりキープして仕事をこなせば、決してできない目標ではないと思います。目標は淡々と24時間しっかり走って、チャンピオンを獲得することです」

 9月17日のフランス時間15時(日本時間22時)に、記念すべき100周年、85回目のボルドール24時間が2022年のEWC最終戦としてスタートする。


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