スペイン在住のフリーライター、アレックス・ガルシアのモータースポーツコラム。先週、マレーシア・セパン・インターナショナル・サーキットで2017年初のオフィシャルテストが開催された。このテストから、17年シーズンはかなりの大混戦になるとガルシアは予想している。果たしてその理由とは……?
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マレーシア料理はどちらかと言えばかなりスパイシーだ。そして、2017年最初のオフィシャルテストの舞台であるセパン・インターナショナル・サーキットでも、“スパイシー”な話題が多く見ることができた。
4つのファクトリーチームはセパンテストで非常に競争力があり、ライダーに関してもいくつか驚きがある。それ以外にも、17年シーズンを理解する分析を行う上で重要になる手がかりも多く隠されていた。
■ドゥカティがテストで速さを見せるも、ロレンソは新型マシンに苦戦
セパンテストでの最初の話題は、初日にケーシー・ストーナーが怪しげな“ブラックボックス”をテールに装着し、デスモセディチGP17でトップタイムを記録したことだ。トップタイムを出したときはソフトタイヤを履いてた。
ストーナーは、オフィシャルテストの前にテスト走行を行っていたものの、悪天候に阻まれ25周程度しか走れていなかった。ストーナーが持ち前の速さと技術的な理解を少しも失っていないのは明らかだが、彼のペースを見たときに導き出せる結論はただひとつ。ドゥカティが速いということだ。アンドレア・ドビジオーゾもテストを通じて3番目に速く、チームの仕事に満足していた。17年シーズンのドゥカティには明らかに競争力がある。
ただひとり不満を抱いていたのがホルヘ・ロレンソだ。彼はドビジオーゾやストーナーと同じ新型のデスモセディチGP17に乗り、速さで及ばなかっただけでなく、型落ちのデスモセディチGP16に乗ったアルバロ・バウティスタにも遅れを取ったのだ。