3月11〜12日、ロードレース世界選手権の2023年シーズン開幕に先立って、MotoGPクラスのポルティマオ公式テストがポルトガルのアルガルベ・インターナショナル・サーキットで行われ、ドゥカティ・レノボ・チームのフランセスコ・バニャイアが総合1番手、エネア・バスティアニーニが6番手で終えた。
2日間に渡って行われた今回のテストは、両日とも好天に恵まれ、バニャイアとバスティアニーニともに着実にテストメニューをこなした。約2週間後に迫った開幕戦と同じ舞台で行われた今回のテストは、最後の調整を行える重要な2日間となる。
今回のテストでふたりは両者ともにエアロをアップデートし、ダウンウォッシュダクトを採用していた。そんななか、総合トップで終えたバニャイアは、2日間で計139周を重ねた。初日から1分38秒771マークしてトップに立つと、2日目はさらに1分37秒968までタイムを縮めた。
このタイムは、2021年に自身が記録したコースレコードの1分38秒725を0.757秒上回る圧倒的なタイムで、2番手のヨハン・ザルコ（プリマ・プラマック・レーシング）には0.296秒の差をつけている。
一方のバスティアニーニは、2日間で118周をこなした。初日はユーズドタイヤで走行し、序盤にいくつか抱えていた問題を克服したが、転倒を喫してしまったことにより、早々にテストを終了。しかし、2日目にはタイムを大幅に更新して、1分38秒373の総合6番手でテストを終えた。
2日間の総合結果では、2022年シーズンの王者であるバニャイア率いるドゥカティ・レノボ・チームも含めて、トップ8台のうちドゥカティ勢が7台を占めるなど、ドゥカティ・デスモセディチGP23の速さを見せつけた。2週間後に控えた第1戦ポルトガルGPでは、順調にテストをこなして好調さを示すドゥカティ勢が制するのだろうか。
■フランセスコ・バニャイア（総合：1番手）
「先月のマレーシア・セパンでの3日間を含め、5日間のプレシーズンテストがうまくいったことに感激している。すべてのセッションで改善し、作業プログラムを完了させることができた。新しいバイクは気に入っているし、昨年のものよりも気に入っている。しかし、これからはすべてのサーキットで速く走るために、地に足をつけて、謙虚に仕事を続けなければならない。他メーカーも重要な一歩を踏み出したのだから、我々は集中しなければならない。『ミッションは達成された』と言える。新しいシーズンを迎える準備はできている」
■エネア・バスティアニーニ（総合：6番手）
「初日は本当にアンラッキーだったが、この2日間はポジティブだった。今日はいつもと違うメンタリティでスタートできたので、すぐに大きな前進ができたし、全体的にとてもうまくいったと思う。特にテストは行わなかったが、2週間後にここで開催される最初のレースに向けて、バイクのセットアップと自分のライディングスタイルに焦点を当てた」
「優勝争いをするためには、まだ何かが足りないと思っているが、そう遠くはないだろう。今日はスプリントレースのシミュレーションも初めて行ったが、タイヤの寿命は問題ないだろうと思っているが、日曜日のレースに使用するものをまだ選択していない。いずれにせよ、今年最初のグランプリに向けて、ハッピーな気持ちでコースに戻ることができる」
