レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

MotoGP ニュース

投稿日: 2023.03.24 07:40
更新日: 2023.03.25 13:59

野左根航汰、Moto2への新たな挑戦。テストで感じたSBKマシンとの違い/第1戦ポルトガルGP

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


MotoGP | 野左根航汰、Moto2への新たな挑戦。テストで感じたSBKマシンとの違い/第1戦ポルトガルGP

 スーパーバイク世界選手権(SBK)で2シーズンを戦った野左根航汰が2023年に戦いの場とするのは、ロードレース世界選手権Moto2クラスとなった。フル参戦としては、初めての挑戦。野左根はプレシーズンに行われたテストでMoto2マシンをどう感じたのか。そして、全日本ロードレース選手権JSB1000、SBKという経験を踏まえ、Moto2にどう挑もうとしているのだろうか。

 2023年シーズン開幕戦の地、アウトドローモ・インターナショナル・アルガルベのパドックの1コーナー側に位置するCorreos Prepago Yamaha VR46 Teamのピットボックスを訪れると、野左根航汰はレーシングスーツに身を包んで、ピットロードで写真撮影を行っている最中だった。上半身が黄色を基調としたレーシングスーツ姿の野左根は、新鮮な印象だ。

 野左根は2023年シーズン、SBKを離れ、ロードレース世界選手権Moto2クラスへの参戦を開始した。SBKでは2シーズンを戦ったものの、苦しみ続けたライダーに2023年のシートは残されていなかった。そんな野左根に、Moto2参戦のチャンスがやってきた。

 SBKからMoto2クラスへの変更。野左根は「(Moto2参戦への)迷いは本当にありました」と認めている。

「今までYZF-R1でやってきたことが通じない部分が多いだろうな、と思ったし、似たようなスピードで走っていても、乗り方も違うし、排気量もタイヤも違う。車重もMoto2マシンはSBKマシンに比べて、30kgくらい軽いんです。それにエンジンパワーでは、SBKよりも60馬力以上、少ない」

野左根航汰(Yamaha VR46 Master Camp Team)
野左根航汰(Yamaha VR46 Master Camp Team)

 SBKが1000ccの市販車をベースに争われる一方、Moto2クラスはトライアンフのストリートトリプルRSの765cc3気筒エンジンをレース用にチューニングしたものを搭載し、シャシーについては各シャシーコンストラクターのオリジナル。これまで重くてパワーのあるバイクで戦っていた野左根にとっては、Moto2マシンは「軽くてパワーの少ないバイク」。Moto2マシンは野左根に全く異なる印象を与えていた。

「バイクもコンパクトですし、ホイールベースも短い。けっこうピーキーに感じるというか。(SBKマシンとMoto2マシンで)似ている部分、共通している部分はほとんどないんです。新しいカテゴリーに挑戦している、という感じで、そこがさらに大変な部分ですね」

 当然、ライディングスタイルの変更が求められた。2014年から全日本ロードレース選手権JSB1000、2021年からはSBKでYZF-R1を駆り戦った野左根は、つまり1000ccバイクでのレース歴が長い。だが、Moto2は中排気量クラスとなる。テストを経て、野左根は己の課題を感じていた。

「僕はもともとコーナリングスピードを乗せていくタイプだったんですけど、長年1000ccに乗ってきて、そしてSBKマシンにも乗ってきたので、もう少し600cc(中排気量車)のような乗り方が必要なのかもしれません」

「今の一番の課題はハイスピードコーナーかなと思います。コーナリングスピードを乗せて走ること。それから、全体的なつながりをスムーズにすることですね。パワーがないので、アクセルを開けてもタイヤがスピンしてラップタイムにつながらなかったりするんです。全体的なバランスをうまくとる、というのも、今の課題かなと思います」

 では、強み、という点ではどうだろう。野左根には、これまで全日本ロードJSB1000、SBKに加え、FIM世界耐久選手権(EWC)に参戦した経験がある。

「大きいバイクから少し小さなバイクになっているので、例えばMoto2ライダーでも腕上がりに苦しんだりする人がいるみたいですが、僕はSBKでも腕上がりにならないタイプだったので、(強みとしては)ある意味でそういうフィジカル面みたいなところ、でしょうか。でも、今はあまり生かせていないかな、と……」

 今は課題のほうが気になる? と聞けば、「もちろん、今は順位としても強みといえる部分が少ないので」と、率直だ。テストではまだ、トップとのタイム差が開いている状況だった。武器よりも必要な改善点に目を向けるのは、当然といえば当然かもしれない。

「もう少しして(Moto2に)適応すれば、今持っている自分の強みみたいなものも、生かすことができるのかな、と思います」

■「ポルティマオはSBKで走るよりも好き」


関連のニュース