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MotoGP ニュース

投稿日: 2023.03.28 22:20
更新日: 2023.04.02 03:58

ビニャーレス、決勝レースで2位表彰台獲得。開幕戦で見せたアプリリアの存在感/第1戦ポルトガルGP

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MotoGP | ビニャーレス、決勝レースで2位表彰台獲得。開幕戦で見せたアプリリアの存在感/第1戦ポルトガルGP

 MotoGP開幕戦の決勝レースで2位表彰台を獲得したのは、マーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)だった。2022年シーズンに飛躍を果たし、2023年シーズン前のテストでも好調だったアプリリア。開幕戦を迎えて、その勢いは続いている。

 マーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)は日曜日の決勝レースを6番グリッドから挑んだ。3周目に2番手に浮上すると、トップを走るフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)を追いかけた。

 トップのバニャイア、2番手のビニャーレスは序盤から後方を引き離し、トップ争いはふたりによる一騎打ちとなった。トップを守るバニャイア。追従するビニャーレス。そのポジションは変わることなくゴールしたが、ビニャーレスにとっては2022年第14戦サンマリノGP以来の表彰台獲得となった。

 ビニャーレスはバニャイアの後ろを走りながら、バニャイアがタイヤをセーブしていると感じた、と決勝レース後の記者会見で語った。

「僕はペッコ(バニャイア)の後ろでとても気持ちよく走っていた。うまく走っていたし、(後ろとの)ギャップも開いていった。序盤は、レースでの自分たちのポテンシャルを理解しようとしていた。10周目、11周目になると、ペッコはまた一段速いペースを刻んだ」

「僕は彼を追いかけようとして、何度かブレーキングでミスもした。それから『OK、タイヤを冷やして最終ラップで挑もう』って思ったんだ。僕はそうしたけど、彼はスマートだったね(苦笑)。彼はレース中ずっとタイヤをセーブしていた。でも、アプリリア、僕のクルーたちの仕事を誇りに思うよ。トップ争いができたっていうのは、とても重要だ。喜ばないとね」

「エンジンはいいよ。スリップストリームではトップスピードを出すことができる。でも、ペコがタイヤをセーブしているのがわかったから『OK、OK』って思ったんだよ」そう笑ったビニャーレスは「たぶん、序盤に僕はアグレッシブすぎたんだよね。でも、エンジンは力強いよ」と続けた。

「速いし、ポルティマオのようにグリップをきかせて立ち上がるコーナーでは、僕たちはとてもいいと思う」

 2位表彰台に笑みを浮かべるビニャーレスだが、もちろんドゥカティの強さも承知している。

「新しいバイクはよく走っているし、僕のライディングスタイルに合うバイクになった。大事なことは、ここで立ち止まらないことだ。一歩一歩、チャンピオンシップを戦っていく。僕たちは自分たちのポテンシャルをわかっている。でもドゥカティが優勝候補であることは忘れちゃいけない。彼らに追随し、追い付き、最終ラップで競えるようにしないとね」

2022年中盤からアプリリアで表彰台を獲得し始めていたビニャーレス。今季は表彰台獲得という形でスタートを切った
2022年中盤からアプリリアで表彰台を獲得し始めていたビニャーレス。今季は表彰台獲得という形でスタートを切った

 一方、レース序盤からビニャーレスの追随を受け続けたバニャイアは、「僕は(ビニャーレスとの)ギャップをあまり考えすぎないように努めた。差が詰まってきていたのがわかっていたからだ」と明かしていた。レースをコントロールしているようにも見えたが、実のところ余裕があるわけでもなかったという。

 とはいえ、このようなレース展開でミスをしなくなったのが、バニャイアがより強くなった証でもある。バニャイアは2022年フランスGPでトップを走行していて2番手のエネア・バスティアニーニ(当時グレシーニ・レーシングMotoGP)のプレッシャーを受け、ミスをして転倒した。チャンピオンを獲得したとき、フランスGPから自分を変えていった、と語っていたのだ。

「でも、リヤタイヤに負担がかかるから、もっと攻めなくちゃ、と思いたくはなかった。できるだけコンスタントに走ろうとしていたし、毎周、少しでも速く走ろうと頑張った。それはうまくいったよ。15,16周以降、マーベリックが再び攻めて僕との差を詰めてきた。だから僕もまた攻めたんだ」

「残り2周は完全にグリップがなく、ちょっと困った状況になった。でもすべてうまくいったよ。僕は少しはコントロールしていたけど、同時にかなり無理もしていたんだ」

 話をアプリリアに戻すと、ポルトガルGPの決勝レースでは、アプリリアのサテライトチーム、クリプトデータRNF・MotoGPチームのライダーであるミゲール・オリベイラも、3周目の接触、転倒までは表彰台圏内を走行していた。オリベイラは土曜日のスプリントレースでも、最終ラップに10コーナーでミスをするまで3番手を走っていた。

 ポルトガルGPはオリベイラの母国グランプリであり、得意としているサーキットだが、それを差し引いても、KTMから移籍して早々に上位に食い込まんとする走りを見せたことは事実だ。

 2022年は、アプリリアにとって大きな飛躍のシーズンだった。そして2023年シーズンはサテライトチーム(クリプトデータRNF・MotoGPチーム)を持ち、メーカーとしての勢力を拡大した。開幕戦を終えたばかりではあるが、ポルトガルGPのポテンシャルを見るに、アプリリアの存在感がますます大きくなっていることは間違いない。上昇気流に乗るアプリリアは開幕戦にして、ドゥカティの対抗馬として名乗りを上げたといっていいだろう。


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