日本カー・オブ・ザ・イヤーの2017-2018イヤーカーに選ばれたボルボXC60。選考委員60人中9人が10点をつけ、294点を獲得し受賞した。ボルボ車の日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞は今回が初となる。並み居る国際車を退けたXC60とは、果たしてどのようなクルマなのだろうか。
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XC60は、2008年にデビューした高級ミッドサイズSUVだ。日本で発売されたのは2009年で、当時は国内で初となる自動ブレーキ採用車として大きな注目を集めていた。今回受賞したXC60は、2017年10月にフルモデルチェンジした2代目となる。
カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した理由は、扱いやすい手頃なボディサイズに、現代のSUVに求められる快適性、機能性、運転の楽しさなどが高次元でバランスされている点だ。そして、北欧デザインを感じさせる美しい内外装とクオリティの高さに加え、ボルボが力を入れている安全装備の充実も戴冠を強力に後押しした。
XC60にはガソリンターボ、ディーゼルターボ、プラグインハイブリットと用途や輸出国のエネルギー事情に合わせ、豊富なパワートレーンが用意されている。今回はガソリンターボエンジンを搭載するXC60 T5 AWD Inscripiton(インスクリプション)を試乗した。
まず目を引くのが車両の大きさだ。XC60はミッドサイズのSUVで、上位モデルにボルボXC90が存在するが、車体はけっして小さくなくダイナミックなイメージを与えるクルマであることに変わりはない。また、SUVと聞くと車高が高く、乗り降りがしにくいイメージだが、XC60は設計が巧みであるためスムーズに車内へ乗り込むことができた。
受賞理由のひとつとなった内装に関しても、クオリティの高さがうかがえた。まず目についたのが物理的なボタンの少なさ。センターコンソールには、音楽再生用のボタンが3つと、デフロスタとリヤウィンドウデフォッガー、非常点滅灯スイッチの計6つしか存在しない。空調の管理や安全装備の設定などはすべて中央のタッチスクリーン式9インチディスプレイで操作する形だ。このディスプレイが実に優秀で、スマートフォン感覚で直感的に操作することができた。
運転席のメーターパネルは12.3インチの液晶ディスプレイとなっている。ディスプレイは、4モードからグラフィックを選択することが可能だ。また、運転席側のフロントガラス下にはヘッドアップディスプレイが備わっており、速度や標識などが映る仕組みとなってるため、メーターを見なくても現在のスピードを知ることができた。目線を動かす回数が減ることは、さまざまなことを意識して運転しなければならないドライバーにとってはありがたいだろう。