ポルシェのコンパクトSUV、ポルシェ・マカンを編集部ヒラノとオートスポーツwebナビゲーター森園れんさんが試乗インプレッション。ポルシェ・マカンの乗り味はどのようなものなのか。
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【編集部ヒラノレポート】
「いつかはポルシェ」
過去には「いつかはクラウン」という広告キャッチが有名だが、個人的にはこういった仕事を生業にするからには、いつかポルシェに乗りたい、所有したい……という夢があった。モータースポーツの歴史を知れば知るほど、やはり『ポルシェ』の名は偉大だ。ヨーロッパのスポーツカーレースに取材に行くと、ますますその気持ちが強くなってしまうのは向こうのプロモーションが巧妙なだけではあるまい。
ただ、フリーランスのライター兼カメラマン風情ではなかなかそこまで余裕がない。厳しい夢だと思っていたが、この企画を通じてひょんなことから夢の一端が実現してしまった。スーパーGT第3戦鈴鹿の取材の際に、ポルシェ・マカンを使用させて頂くことになったのだ。
今回試乗したマカンは、筆者が個人的に「ポルシェを買うならコレだろう」と思っていたズバリそのもの。筆者は仕事柄出張が多く、機材やスーツケースがきちんと乗り、かつ高速のクルージングが楽なクルマを求めているからだ。ふだんはCセグメントに入る別メーカーのドイツ車に乗っているが、あとちょっと大きいのも魅力的。その意味で、マカンやもう少し小ぶりなサイズのSUVは常々気になっていたのだ。
■高級SUVらしい室内空間
というわけで、待望のマカンとご対面。メカニズムや機能についての説明は他市販車サイトに記された自動車ライター諸氏の紹介の方が詳しいはずなので、差し控えよう。今回レポートするのは率直に“感想”だけとさせていただく。
外観は一見グラマラスな“ポルシェ・フライライン”と呼ばれるボディラインもあってか、非常に大きく感じる。ただ、都市部での通行は、よほど細い道に入らなければ、さほど困らないサイズだろう。車体の周囲にセンサーが配置されており、接触の心配もない。バックミラーには逆側のサイドミラーに着けられた車体下部の映像も出るので、これは便利だ。
流行る気持ちをおさえつつコクピットへ。シュツットガルトの紋章からとられたあのエンブレムが目に入る。センターには多数のスイッチが配置されるが、押すと「カチッ」と音がする質実剛健な印象だ。また、内装のレザーはあまり滑ることもなく、ほどよい肌触り。ステアリングやシートの調整もすべて電動なのは、このクラスのクルマらしい。
以前同じグループに属するメーカーのクルマに乗っていたこともあってか、操作はあっさり習熟できた。ポルシェだからといって難しいものは何もない。ナビゲーションシステムも操作は容易で、視認性も高い。室内も広く、ルーフのクリアランスに余裕があるため、実際にポルシェに乗っている印象は止まっている間はない。