アストンマーティンは7月22日、新型ミッドエンジンハイパーカー『ヴァルハラ(VALHALLA)』を、東京のアストンマーティン青山ハウスにて国内初披露した。コードネーム“003”として開発がスタートした同車は世界限定500台で、2021年末からデリバリーが開始される予定だ。
ヴァルハラはハイパフォーマンスロードカーのヴァルキリー、ヴァルキリーAMR Proに次ぐ、アストンマーティン第3弾のミッドエンジンハイパーカー。今回もレッドブル・アドバンスドテクノロジー社と、レッドブル・レーシングのデザイナーで“空力の鬼才”の異名を持つエイドリアン・ニューウェイとの共同開発が行われている。
アストンマーティンの伝統である“V”の頭文字を冠するヴァルハラは、カーボンファイバー構造のボディを採用し、徹底的な軽量化が図られた。また、そのエアロダイナミクスなどには最先端のF1テクノロジーが反映されており、特徴的なフロントチンスポイラーや大型のリヤディフューザーなどにより、公道走行可能なクルマとしては最高レベルのダウンフォースを発生する。
パワートレインはV6ガソリンターボエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドを搭載。また、サーキット専用モデルのヴァルカンに採用され、ニュルブルクリンク24時間レースなどで性能を証明してきたシーリングオイルシステム“ネクセル”も装着される。このシステムを搭載した公道走行可能な市販車はヴァルハラが世界初となる。
■スタイリングとエアロダイナミクスは基本的にヴァルキリーと共有ながら、コンセプトは独自路線
エクステリアはヴァルキリーの空力要素を受け継ぎながら、他のハイパーカーとは一線を画したデザインが取り入れられた。
イギリスの老舗ブランドは、NASAによって検証されている最先端の航空宇宙技術“モーフィングテクノロジー”を最新ハイパーカーの開発に応用したという。これは“Flex Foil”と呼ばれる、次世代航空機の翼全体を滑らかに変形させながら飛行する技術で、アストンマーティンは自動車メーカーとして初めて、このテクノロジーを採用した。
アストンマーティンのデザイン・ディレクター、マイルス・ナンバーワンは「ヴァルハラはヴァルキリーの影響を強く受けているが、独自のクルマである」と語る。
「開発にあたり、アストンマーティンの血統を正統に継承しながら、ヴァルキリーのエッセンスをさらに色濃く抽出することに注力し、革新的なデザインを追求したんだ」