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クルマ ニュース

投稿日: 2019.09.18 07:00
更新日: 2019.09.13 17:36

ホンダ・シビック タイプR、速さと快適性が同居するFFスーパーカー【ベースマシン一刀両断!!】

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クルマ | ホンダ・シビック タイプR、速さと快適性が同居するFFスーパーカー【ベースマシン一刀両断!!】

 モータースポーツ専門誌のauto sport本誌では現在、スポーツカーをはじめ、ホットハッチ、セダン、スポーツクーペなどあらゆる市販ロードカーを“ぶった切る”ピリ辛・市販車インプレッションを不定期連載している。同企画に登場するのは、モータースポーツの中でも、いわゆる“箱車レース”と呼ばれるカテゴリーにおいて、レーシングマシンのベースとなるロードカーたちだ。

 今回はそんな『ベースマシン一刀両断!!』シリーズの第3回目、ホンダ・シビック タイプR編をお届けする。

* * * * * * * *

『タイプR』は、かつてローカルサーキットの主役だった。それも当然。スポーツカーとレーシングカーの中間というのが、そのコンセプトだったからだ。歴代モデルは軽量化とエンジンのファインチューン、そしてレーシーなアイテムで飾られた。

 現行型はシビックとしては10代目、シビックタイプRとして5代目にあたる。今回はベースモデルと同時に開発が進められたため、エボリューションモデルというより、スペシャルエディションと表現するのが適当だろう。ゆえにチューニングカー感はなく、完成度が高い。

 320psを発生するK20Cは、ホンダのエンジン屋としてのプライドを感じさせる。2.0リットルターボは数多くあるが、ほとんどがダウンサイジング指向であり、運転を楽しめるものではない。

 しかし、K20Cはアクセルペダルの動きに忠実に応えようとしてくれる。NAのタイプRエンジンのようなソリッド感はないが、それでも他メーカーとは比較にならない。とくに、シャープな回転落ちや、低回転域でのダイレクト感はターボとは思えないほどで、6速MTの操作も楽しくなる。

先代FK2から引き継がれたK20Cは、FK2の310psから320psへとパワーアップ(トルクは40.8kgmで変わらず)。ドライブモードを切り替えると、サスペンションの味付けとともにスロットルのレスポンスも変化する。
先代FK2から引き継がれたK20Cは、FK2の310psから320psへとパワーアップ(トルクは40.8kgmで変わらず)。ドライブモードを切り替えると、サスペンションの味付けとともにスロットルのレスポンスも変化する。

 高回転域への伸びも、ダウンサイジングターボとはまるで違ったものだ。ターボラグは、ベースモデルの1.5リットルターボのほうがむしろ大きい。NAエンジンの良さとは結局、優れたリニア感とレスポンスが生む自在感によるものであり、K20Cはそれを必死に“再現”したに違いない。

 K20Cよりも“NAらしさ”が欠落したNAのスポーツエンジンは少なくないと言える。

 また、サスペンションのセットアップは、3代目シビックRのFD2を知る人なら驚愕するほど快適なレベルに仕上がっている。可変ダンパーを組み合わせたことも大きいだろうが、ここは2代目のEP3以来の英国製タイプRの伝統が活かされている。

 ドライブモードは、スポーツが基本で、コンフォートと+Rに切り換えることができる。コンフォートは初期のダンピングが不足しており、いつまでもピッチングが止まらないため、逆に快適性が低下する。一方の+Rはサーキット向けのキャラクターだが、良路であれば問題なく使用できる出来だ。

TCRカテゴリー最高峰の世界ツーリングカー・カップ(WTCR)はもちろん、日本でもスーパー耐久シリーズのST-TCRクラスでおなじみのシビック タイプR TCR。TCRの場合、サスペンションの基本形式はレギュレーションにより変更できないため、FK8となってリヤサスがマルチリンクとなった恩恵も大きいと思われる。
TCRカテゴリー最高峰の世界ツーリングカー・カップ(WTCR)はもちろん、日本でもスーパー耐久シリーズのST-TCRクラスでおなじみのシビック タイプR TCR。TCRの場合、サスペンションの基本形式はレギュレーションにより変更できないため、FK8となってリヤサスがマルチリンクとなった恩恵も大きいと思われる。

■乗り味も車内も快適に進化。車両との一体感がもたらす操縦の楽しさは継承


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