メルセデス・ベンツの最小コンパクトである『Aクラス』に最大過給圧2.1バール、421馬力を発生する世界最強の量産2リッター4気筒直噴ターボを搭載したホットハッチ『メルセデスAMG A45S 4MATIC+』が登場。そして同セダンボディを持つ『Aクラスセダン』には「感性を刺激するメルセデスAMGの新しいモデルシリーズ」と謳われる『メルセデスAMG A35 4MATICセダン』が設定され、ともに10月23日より受注が開始されている。
メルセデスAMG社のブランドスローガン“ドライビングパフォーマンス”を体現した究極のホットハッチとして誕生した『メルセデスAMG A45S 4MATIC+』には、完全新設計の2リッター直列4気筒ターボのM139を搭載。
量産2リッター4気筒エンジンとしては世界最高の421PS、最大トルク500Nmを発生し、ピークトルクは5000~5250回転で、レブリミットは7200回転に設定するなど、直噴ターボとしては異例の自然吸気に近い特性を備えることで、エモーショナルな加速感を味わうことができるという。
このピュアスポーツカー並みのエンジン性能を実現すべく、従来型と異なりターボチャージャーとエグゾーストマニホールドをエンジン後方に、インテークマニホールドなどの吸気系をエンジン前方に配置。これにより、エンジン搭載位置を下げ低重心化を図るとともに、空力的にも有利な構成となった。
シリンダーブロックはクローズドデッキ構造を採用し、最大160barの燃焼圧に対応。ライナーにはピストンとシリンダーの間に発生する摩擦を低減する目的で、F1由来の特許技術であるNANOSLIDEのコーティングを施し、コンプレッサーとタービンのシャフトには、AMG GT4ドアクーペの63Sにも採用されているローラーベアリングを採用した。
このタービンの冷却にはオイルと冷却水だけではなく外気も利用するため、エンジンカバーをエアディフレクターとして働くよう設計するとともに、ボンネット下にはダクトを設定。メルセデスAMG本社があるドイツ・アファルターバッハで“One man-one engine”という哲学のもと、厳格な品質基準に従ってひとりのマイスターが1基のエンジンを最初から最後まで責任を持って手作業で組み上げるという生産方式を採用している。
その圧倒的パワーを支える駆動系とシャシーも強化され、トルク配分比が前後100:0から50:50までの範囲で変化するAMG 4MATIC+を採用。リヤデフ内臓のAMG TORQUE CONTROLにより、前後だけでなく左右間のトルク配分を行うベクタリング機構も備える。