SUV人気は、2020年も継続していくだろう。国内では、2019年の主役だったと言っても過言ではないトヨタRAV4とスズキ・ジムニーの人気は継続中。2020年1月に開催された東京オートサロンの会場でも、この2台のカスタム車両が目立っていた。
そして、ここに来て人気ランキングの上位に名を連ねてきたのがダイハツ・ロッキー&トヨタ・ライズ。“ちょうどいい”サイズや扱いやすさが評価されているのだろう。
今回はオートスポーツweb的に今後の動向から目が離せない国産SUV5台をチョイス。それぞれの“見せ場”を掘り下げながら、紹介していこう。愛車選びの参考になれば幸いだ。
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■トヨタ RAV4
世界的なSUVブームが続くなか、2019年4月に5代目にフルモデルチェンジを実施したトヨタRAV4。最新のパワートレインとプラットフォームを採用し、広さや収納力というSUVとしての機能性をしっかりと押さえながら、求めやすい価格帯を実現。2019-2020年の日本カー・オブ・ザ・イヤーも受賞した、2019年を代表する1台といえる。
エクステリアのデザイン性の高さも印象的だが、新型RAV4の最大のトピックは、世界初の4WDシステム『ダイナミックトルクベクタリングAWD』の採用だろう。
『ダイナミックトルクベクタリングAWD』は、走行状況に応じて前後トルク配分、後輪トルクを左右独立で制御することが可能。それに加えて、4WD走行が不要な状況下では後輪に動力を伝達させないディスコネクト機構が施されており、いわばFF状態となって燃費向上に貢献する。この機能は『G“Z パッケージ”』と『アドベンチャー』に装備されている。
室内は印象相応の広さで、荷室の容量はクラストップレベルの580リッターを確保。後席は6対4分割可倒式で、荷室の床面を2段階に調節できる2段デッキボートを採用するなど、乗員人数や荷物の量に応じて、フレキシブルに対応してくれる。
安全装備も合格点。全車に最新の予防安全パッケージ『Toyota Safety Sense』と車載通信機DCMを標準で装備する。また、トヨタスマートセンターと24時間365日通信が可能で、事故や急病時には専門オペレーターに繋がる。安心面の高さもうれしいポイントだ。
モデリスタやTRDなどの純正ブランドをはじめ、新型RAV4に関連するアクセサリーパーツは数多く展開されている。2020年1月に開催された東京オートサロンの会場でも、カスタマイズされたRAV4が数多く見られたことからも、注目の高さが伺える。
ボディカラーの多彩さも、新型RAV4の人気の要因のひとつ。通常のモノトーンはもちろん、2トーン仕様も個性的だ。車両価格帯は265万6500円~388万8500円。
このRAV4は2020年夏にはプラグインハイブリッド車が発売される予定だ。2.5リッターのエンジンに新開発の大容量リチウムイオン電池とモーターの組み合わせで、最高出力は302psを発生。0-60Mile(0-96km/h)加速は5.8秒を達成している。
駆動用電池に蓄えた電力を最大1500Wの出力で家電などへ供給できる外部給電機能も装備されるとのこと。昨今、甚大化する災害への対応力も兼ね備えている。
公式サイト https://toyota.jp/rav4/index_a.html
■スズキ・ジムニー
2018年7月に登場した4代目となるスズキ・ジムニー。発売から1年半以上が経過しているにも関わらず、今だに納期は1年前後かかるという、圧倒的な人気を誇っている。
2020年1月の東京オートサロンの会場でも、トヨタRAV4に匹敵、もしくはそれ以上に目立っていたジムニー。カスタムのベース車両としては、益々伸び盛りだろう。
搭載される1.5リッターターボエンジンは縦置きFRレイアウトで、フロントタイヤ後方に配置されることで、悪路での走行安定性を向上させている。加えて路面状況に合わせて2WDと4WDを任意に切り替えて走行することが可能だ。
また左右輪のどちらかが空転した場合には、空転した車輪にブレーキが作動しエンジントルクを保持するブレーキLSDトラクションコントロールシステムが専用にチューニングされている。
外観は角ばった唯一無二のスタイル。死角の減少に貢献しているAピラーのデザインや35mmの幅で調整できるチルトステアリングなど、各所にドライバーフレンドリーな設計が施されている。
角ばったエクステリアと呼応するように、内装も直線的でシンプルなデザインを採用。荷室は後席を前倒しすると、最大で容量は352リッターまで広がる。9.5インチのゴルフバックを横にふたつ置くことができる広さなので、活用度は高い。
また、荷室の床面にはリッド開閉式のボックスが設けられていて、工具や運転用シューズなどを入れておくのにピッタリだ。
安全面では一部グレードを除き、スズキセーフティサポートが標準装備される。標識認識機能は、走行中に単眼カメラが認識した最高速度、はみ出し通行禁止、車両進入禁止、補助標識「終わり」の標識に反応し、ブザー音とメーター内表示でドライバーをアシストしてくれる。
このほか衝突被害軽減ブレーキや誤発進抑制機能など、スタンダードとなりつつある先進安全機能も採用された。
RAV4と同じく、ジムニーのボディカラーのバリエーションも豊富な展開。モノトーン9色、2トーンルーフ4パターンの全13色が用意されているため、選ぶ楽しさが広がる。車両価格は148万5000〜187万5500円だ。
モデルライフの長い、ジムニーのことなので、今後は特別仕様車も順次登場するだろう。まだまだ話題は尽きない。
このジムニーについては、オートスポーツwebのYouTubeチャンネルでも取り上げているので、ぜひチェックを。