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クルマ ニュース

投稿日: 2020.02.26 17:30
更新日: 2020.02.26 17:58

公道からサーキットまでを網羅するマクラーレン600LT、青い炎を魅せる極上のマシン/最新スーパースポーツカー試乗レポート

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クルマ | 公道からサーキットまでを網羅するマクラーレン600LT、青い炎を魅せる極上のマシン/最新スーパースポーツカー試乗レポート

 驚くべき速さと、目を見張る美しさ。スーパースポーツカーは、このふたつの要素を兼ね備えた特別な存在だ。『オートスポーツweb 最新スーパースポーツカー試乗レポート』では、クルマ好きなら誰もが憧れる数々の至高のマシンの中から注目の1台をピックアップして、その走りの印象を伝えていきます。
 
 ハンドルを握るのは、モータージャーナリストの吉田拓生さん。第4回目は、『マクラーレン600LT』を取り上げます。

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■21世紀に語り継がれるロングテールの新章のスタート

 マクラーレンにとって“LT”というアルファベットは、特別な意味を持っている。それはポルシェにとっての“RS”であり、BMWにとっての“M”のようなものである。

 LTは“ロングテール”を意味している。マクラーレンの長い尻尾、それは熱心なレースファンにしか理解できないマニアックさを秘めている。1997年のル・マン24時間レースに登場したマクラーレンF1-GTR“ロングテール”と呼ばれるロングノーズ・ロングテールを与えられたレーシングカーこそが、LTの源泉だからである。

 2011年にスタートを切ったマクラーレンのスーパースポーツカー・プロジェクトにおいて、これまで4台のLTモデルがリリースされている。

 2015年の675LTクーペと、そのスパイダー、そして2019年にリリースされた600LTのクーペとスパイダーがそのラインアップだ。

マクラーレン600LT/600LTスパイダー
マクラーレン600LT/600LTスパイダー

 とはいえややこしいのは、現代のLTがあえて主張するほどロングテールではないことだろう。マクラーレンF1では、リヤオーバーハングが500mm近くも延長されていたのだが、675LTでは33mm、600LTでは74mm延長されているに過ぎないのだ。

 当然のようにその事実を把握しているマクラーレンサイドは、現代のLTに『軽量、ハイパワーでサーキット走行に適したモデル』という注釈をつけているのである。

 600LTはマクラーレンのスポーツ・シリーズの570Sクーペをベースとして完成している。パワーは570Sクーペと比べて、プラス30psの600psの大台に到達している。

 さらに、600LTは専用チューニングのサスペンションによって、ピレリPゼロ トロフェオRタイヤのハイグリップに対応しているのだ。

 カーボンファイバー製のバケットシートで味わう600LTは、まさにスペックどおりの高性能を体感させてくれるマシンだった。コーナリング時のみならず直進している時ですら、軽さやエンジンパワーより強烈なタイヤのグリップの方が強く感じられる。

 ダウンフォースの掛かり方も、車体全体の感度の高さもベースとなった570Sとは明らかに別物といえる。少しオーバーペースでコーナーに飛び込んでも、拍子抜けするほどフラットなコーナリングが遂行されるだけなのである。
 
 さらに極めつけは、リヤウイングの手前で上方排気されるエキゾースト・システムから青く鋭い炎が吹きあがること。バックミラー越しで見るアフターファイヤーに興奮しないクルマ好きなどいるはずがない。

 600LTは、新たな伝説を築きつつあるマクラーレンLTの名に相応しいスーパースポーツカーなのである。

マクラーレン600LTのコクピット
マクラーレン600LTのコクピット
マクラーレン600LTのリヤスタイル
マクラーレン600LTのリヤスタイル

■マクラーレン600LT 諸元

車体
全長×全幅×全高 4604mm×1930mm×1194mm
ホイールベース 2670mm
車両重量 1356kg
駆動方式 RWD
トランスミッション 7速DCT
サスペンション形式 前/後 ダブルウイッシュボーン
ブレーキ 前/後 ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ F 255/35R19  R 285/35R 20
エンジン種類 V型8気筒DOHCツインターボ
総排気量 3799cc
最高出力 441kW(600ps)/7500rpm
最大トルク 620Nm(63.2kgm)/5500ー6500rpm
最高速度 328km/h

■Profile 吉田拓生 Takuo Yoshida

自動車雑誌の編集部を経て、2005年からフリーのモータージャーナリストとして活動をスタート。自動車、ヨット、英国製品に関する文章を執筆。現代のスポーツカーをはじめ、1970年以前のヒストリックカー、ヴィンテージ、そしてレーシングカーの試乗レポートを得意としている。


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