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投稿日: 2020.03.30 17:00
更新日: 2020.06.01 14:35

見た目も乗り味もある意味で深い驚きがある! MT車好きに評価して欲しい1台トヨタ・カローラスポーツ【ベース車両一刀両断‼︎】


クルマ | 見た目も乗り味もある意味で深い驚きがある! MT車好きに評価して欲しい1台トヨタ・カローラスポーツ【ベース車両一刀両断‼︎】

 モータースポーツ専門誌のauto sport本誌では現在、スポーツカーをはじめ、ホットハッチ、セダン、スポーツクーペなどあらゆる市販ロードカーを“ぶった切る”ピリ辛・市販車インプレッションを不定期連載している。同企画に登場するのは、モータースポーツの中でも、いわゆる“箱車レース”と呼ばれるカテゴリーにおいて、レーシングマシンのベースとなるロードカーたちだ。

 今回はそんな『ベースマシン一刀両断!!』シリーズの第15回目トヨタ・カローラスポーツ編をお届けする。車名でもスポーツを意識しているカローラスポーツ。スタイリッシュな外見をしたこのクルマは、実際に英国のツーリングカーレースでも活躍しているのだが、その実力はいかに……。

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 最近の日本車のなかで、トヨタ・カローラスポーツは独自性を感じさせる外観だ。下膨れ感が多少強いものの、グラマラスなボディには既視感がない。鋭いスポーティさはないが、まとまりの良さは見てのとおりだ。

 ドアを開けて乗り込むと、適度な包まれ感のあるコックピットが迎えてくれ、内装にはスポーティな雰囲気が漂う。サイズは小さいものの、サポート性の高いシートも気分を盛り上げてくれる。トヨタのデザイナーは時間をかけて丁寧な仕事をしたようだ。

 しかし、カローラスポーツとの甘美な時間はここまでだ。

 1.2リッターターボエンジンは、“ダウンサイジング”と呼ぶには低速トルクがあまりにも不足しており、ターボラグも大きい。特に6速MTとの組み合わせだと、出来の悪いCVTのようなラバーバンドフィールが出てくる。アクセルオンから加速が始まるまで、ラグがとても大きいのだ。

 この6速MTには、変速や発進時にアシストしてくれる機能が与えられている。これはたしかに有効だが、MTのスキルアップにつながらない。

 つまり、初心者は自在に操って楽しむレベルまで上達しないし、それ以前に繊細なコントロールを阻害されるので、MTの楽しみも少ない。これは知覚の衰えた老人向けの機能なのか?

 そもそも、エンジンそのものが楽しみを欠いているので、MTの良さは感じにくい。ダウンサイジングを謳うなら、1.2リッターであればトルクもターボラグも大幅に改善できる3気筒であるべきだ。

 そういう意味では、どの回転域でもトルク感がないハイブリッド的なフィーリングだ。ちなみに、ハイブリッドのほうがパワフルで伸びやかな加速をしてくれる。

 トルク感がないので、クルマがずっと大きく重く感じる。当然、加速力もないので、アクセル開度はつい大きくなってしまい、結果として燃費もイマイチ。

 ダウンサイジングターボのキモは、ターボラグの小ささと非過給領域でのトルク確保なので、その両方ができていないから性能も燃費も良くなるはずがないのである。

2018年夏にデビューしたカローラスポーツ。現在は1.2リッターターボのほか、1.8リッターハイブリッドがラインアップされている。MTが選択できるのは1.2リッターターボのみ
2018年夏にデビューしたカローラスポーツ。現在は1.2リッターターボのほか、1.8リッターハイブリッドがラインアップされている。MTが選択できるのは1.2リッターターボのみ
カローラスポーツに採用されている6速のiMT(インテリジェント・マニュアルトランスミッション)は、「マニュアル車の“操る楽しさ”を高めるため」に、エンジン回転数を制御。変速時のほか、発進時にもアシストしてくれるため、クラッチ操作だけでスムーズにスタートできる
カローラスポーツに採用されている6速のiMT(インテリジェント・マニュアルトランスミッション)は、「マニュアル車の“操る楽しさ”を高めるため」に、エンジン回転数を制御。変速時のほか、発進時にもアシストしてくれるため、クラッチ操作だけでスムーズにスタートできる

■走らせた印象は、スポーティな見た目とは対照的な味付け


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