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クルマ ニュース

投稿日: 2021.03.13 16:30
更新日: 2021.03.13 16:45

【新車情報】国産スポーツワゴンの勝ち組、スバル・レヴォーグの魅力を深掘り

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クルマ | 【新車情報】国産スポーツワゴンの勝ち組、スバル・レヴォーグの魅力を深掘り

 市販車の最新ニュースや購入ガイドなどをオートスポーツwebならではの視点で掘り下げる『オートスポーツweb市販車深掘り企画』。今回は、国産ステーションワゴンの代表モデル、スバル・レヴォーグを取り上げます。
 
 2014年に登場した初代レヴォーグはサイズ、デザイン、走りや装備まで全方位で支持を集め、国産ステーションワゴンで唯一の“勝ち組”といえる1台へ成長しました。その成功をもとに、2020年秋に2代目となった新型レヴォーグの“凄さ”を深掘りします。

* * * * * * *

■著名モデル『レガシィ』からバトンが渡された新しいスポーツワゴンの登場

 1990年代から2000年代にかけて、圧倒的な人気を誇っていたステーションワゴン。なかでもスバル・レガシィツーリングワゴンの人気はピカイチで、多くのファンを持つ“勝ち組”モデルとして君臨していた。

スバル・レガシィツーリングワゴン 2.5i EyeSight S Package(2012年5月)
スバル・レガシィツーリングワゴン 2.5i EyeSight S Package(2012年5月)

 その後、レガシィは世界戦略車に成長したことでボディサイズが拡大され、これまでレガシィを支えていた国内のオーナーの趣向とは少々異なるモデルになってしまった。

 そこで、高性能かつスポーティなワゴンを求める従来のレガシィユーザーを救済するために生まれたのが、いまやこのカテゴリーで人気を独走しているレヴォーグだ。

2014年4月に登場したスバルの初代レヴォーグ
2014年4月に登場したスバルの初代レヴォーグ
2014年4月に登場したスバルの初代レヴォーグ
2014年4月に登場したスバルの初代レヴォーグ

 初代レヴォーグは2014年に大きくなりすぎたレガシィを補完するために登場、佳き時代のレガシィツーリングワゴンを現代流にリファインしたようなモデルだ。

 スバル伝統のシンメトリカルAWDに加えて、1.6リッターターボの170ps仕様と2.0リッターターボの300ps仕様の2タイプを設定。ボディサイズは5代目レガシィより小ぶりに設計されるなど、“日本の高性能ワゴン”という魅力を前面に押し出していた。

 一世代、もしくは二世代もの間、レガシィの再来を待ち侘びていたユーザーが多かったこともあって、初代レヴォーグはデビュー直後から販売も好調に推移。ミドルクラスの国産ステーションワゴンの中では、ひとり勝ちとも言っていいほどの独走状態だった。

■新型は“日本の高性能ワゴン”をキープしながら走行面が劇的に進化

 その初代モデル(先代)の大成功を引き継いで登場したのが、2020年秋に登場した2代目レヴォーグだ。エクステリアのイメージはキープコンセプト路線を採用したため、見た目の印象は大きくは変わらないが、クルマの中身は完全に別物。特に走行メカニズムは大きな進化を遂げている。

スバル・レヴォーグのリヤスタイル
スバル・レヴォーグのリヤスタイル

 注目したいのは、シャシー性能が大幅に向上したこと。SGPと名付けられた新世代プラットフォームに、骨格を組み立ててから外板パネルを溶接するインナーフレーム構造の組み合わせで、ボディ剛性が大きく向上している。これにより走行時の安定感やキャビンの静粛性は、先代よりも1枚上手の印象を受ける。

ボディ全体の骨格部材を組み立てた後に外板パネルを溶接するフルインナーフレーム構造を採用したことで、現行レヴォーグのボディ剛性は大きく向上した。その恩恵は走りにも大きな好影響を与えている。
ボディ全体の骨格部材を組み立てた後に外板パネルを溶接するフルインナーフレーム構造を採用したことで、現行レヴォーグのボディ剛性は大きく向上した。その恩恵は走りにも大きな好影響を与えている。

 乗り心地の変化も大きなポイント。先代のサスチューンはハード志向で、コーナー時の確かな挙動は頼もしい限りだったが、お世辞にも乗り心地が良いとはいえなかった。

 ところが現行レヴォーグは頼もしい挙動はそのままに、路面から伝わる当たりが劇的に改善している。スタンダードなバネサス仕様も、電子制御サス仕様も、基本的には硬めの味付けだが、路面の凹凸は上手にいなしてくれて、ことさら硬さを感じさせない。ロングドライブでも運転疲れを感じにくい、洗練された乗り心地を手に入れている。

 パワーユニットも刷新された。先代は1.6リッターターボ(170ps/250Nm)と2.0リッターターボ(300ps/400Nm)というふたつの水平対向4気筒エンジン車を設定していたが、現行レヴォーグは新開発のCB18と名付けられた1.8リッターターボ(177ps/300Nm)に一本化されている。

全グレードに新開発1.8リッターターボエンジンを搭載。177ps/300Nmと十分なパワースペックに加えて、環境性能も意識した設計が特徴。今後のスバルを代表するエンジンだ。
全グレードに新開発1.8リッターターボエンジンを搭載。177ps/300Nmと十分なパワースペックに加えて、環境性能も意識した設計が特徴。今後のスバルを代表するエンジンだ。

 トランスミッションはリニアトロニックの改良型だが、 約8割の部品を変更し、変速比幅も約30%拡大している。その相乗効果もあって、今風のダウンサイジングターボらしい低中速域からアクセル即応性に優れた特性を示す。

 先代の2.0リッターターボ車のような圧倒的な加速感を楽しむタイプではないが、1.6リッターターボ車よりも、幅広い速度域で扱いやすくなっている。

 スバル車の弱点である燃費に関しても、ゆったりと回していく乗り方ならば、WLTC総合燃費(13.6〜13.7km/L)に近い数字は期待できるほど改善された。

 ただ、軽快に吹き上がる特性は健在なので、回してしまった時の燃費の落ち込みはやや大きめ。痛し痒しのジレンマを感じてしまう人も多いかもしれない。

 装備機能の大幅強化も見逃せない。通信連携対応のインフォテインメント機能や、インテリアの質感の向上が図られたほか、スバルの代名詞『アイサイト』も大きくパワーアップしている。

現行レヴォーグのアイサイトの検知方式は、ステレオカメラとレーダー併用型へと進化。
現行レヴォーグのアイサイトの検知方式は、ステレオカメラとレーダー併用型へと進化。

 センシング方式は、ステレオカメラ+ミリ派レーダー併用タイプとなり、人やクルマなどの障害物の検知能力が大幅に強化された。高速走行時の運転支援機能も、より高度な操舵支援と渋滞時ハンズオフ走行まで可能な『アイサイトX』にも対応した。

 最新の国産モデルは、運転支援機能が充実していることが当たり前だが、現行レヴォーグの運転支援機能は、国産モデル全体の中でもトップクラスの実力を持つ。

 先代のアイサイトにも操舵支援まで対応するツーリングアシストは備わっていたが、現行レヴォーグは機能面はもとより、作動時の制御の安定感も明らかに上だ。

 装備機能や内装加飾がひとクラス高まったこともあって、先代に比べると現行レヴォーグの車両価格帯は少し上がってしまったが、それに見合うだけの進化ぶりは大変魅力的なものだ。

広々とした室内空間に加えて、現行レヴォーグはパネルやトリム類の質感も向上している。
広々とした室内空間に加えて、現行レヴォーグはパネルやトリム類の質感も向上している。

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