1982年に『190クラス』として登場以来、1993年には現代へと続く『Cクラス』の系譜へと発展したメルセデス・ベンツの主力FRモデルが5代目へと刷新された。セグメントのベンチマークとして大幅な進化を果たし、従来より強化されたISG(インテグレイテッド・スターター・ジェネレーター)やプラグインハイブリッド(PHEV)により全モデル電動化を果たすとともに、新型『Sクラス』譲りの最新技術を多数採用し、7月下旬から2グレードのみ先行予約受付が開始される。
日本でも“ベストセラー”として4年連続Dセグメントの販売No.1を記録した『Cクラス』が、フラッグシップモデルで採用された新技術を多数搭載した新世代モデルへと移行。サポートの精度を高めた安全運転支援システム、縦型11.9インチのセンターディスプレイによる直感的な操作設定、そしてDセグメント初のAR(Augmented Reality=拡張現実)ナビゲーションや指紋、声の生体認証によるシートポジション等の設定など、新規軸を満載したモデルへと生まれ変わった。
エクステリアは先代モデルと比較して全幅拡大を10mmに抑えながら、全長を65mm伸長して伸びやかなシルエットに。ラインやエッジを大幅に削減し、曲線を描く彫刻的な面により特殊な陰影を生み出すとともに、サイドウインドウ下端に近いショルダー部に“キャットウォークライン”の愛称を持つキャラクターラインを通すことで、車高を低くスマートに見せる効果がもたらされた。
また、左右それぞれ130万個の照明モジュールを備えたウルトラハイビーム付きDIGITALライトは、微小な鏡により光を屈折させることで照射方向をきわめて正確にコントロール。従来の84万画素から130万画素へと向上したことで、対向車や道路標識に光が当たらないように調整するハイビームアシストの精度が高まり、フォグライトモードやハイウェイライト、シティライトなどの照明が最大限効果的なものへと進化している。
一方のインテリアも、上下に分割されたダッシュボードには、翼のような形状に航空機のエンジンナセルを想わせる、丸みをつけた横長の新デザイン・エアアウトレットが配置されスポーティな雰囲気を演出。そのダッシュと縦型の11.9インチのメディアディスプレイを6度ドライバー側に傾けた新デザインが採用されている。
また、運転席に備わる12.3インチの大型コックピットディスプレイは自立型のフローティングマウントとなり、ディスプレイは3つのスタイル(ジェントル、スポーティ、クラシック)と3つのモード(ナビゲーション、アシスタンス、サービス)の中から選択、カスタマイズすることが可能となっている。
2018年からメルセデス各モデルに順次搭載されてきたAI音声認識機能のMBUX(メルセデス・ベンツ ユーザー エクスペリエンス)に加え、日本で販売されるDセグメント・モデルで初のARナビゲーションも採用。目的地を設定して行先案内をする場合、地図上に進むべき道路がハイライト表示されるのと同時に、前面に広がる現実の景色にナビゲーション画面の一部が投影され、より直感的にどの道路に進むべきかを判断することが可能となる。