メルセデス・ベンツの電動ブランドとして展開されるメルセデスEQから、同社初の電気自動車専用プラットフォームを採用し、日本で販売されている電気自動車最長の、航続距離700kmを誇るフラッグシップ『EQS』が上陸。ダッシュボード全面に広がるディスプレイ“MBUXハイパースクリーン”の搭載や、量産自動車として世界でもっとも優れたCd値0.20を達成し、メルセデスAMGブランドでも初のEVとなる『EQS 53 4MATIC+』や、弟分となるミドルサイズセダン『EQE』とともに、9月29日より予約受注が開始されている。
そのモデル名に冠された“S”の文字が示すとおり、ラグジュアリーサルーンの最高峰を担う『Sクラス』のEV版とも解釈できる新型『EQS』は、専用プラットフォームを設計開発するだけなく、EVならではのパッケージング有用性を活かしたエクステリアを採用。そのデザインだけでなく、空力という機能性も兼ね備えた先進の優美さが表現されたという。
グリーンハウスを跨いで続く「ワン・ボウ」(弓)のラインとサッシュレスドアにより、クーペのようなシルエットを形成するその外観は、エンジンやトランスミッションを縦置きする必要がないことから、メルセデスの典型的なシルエットとは異なるキャブフォワードデザインを採用。
超音波センサーやカメラ類、レーダーセンサーなど運転支援システムのさまざまなデバイスが組み込まれたブラックパネル上部は、左右フェンダーまで回り込んだシェル形状とし、高速巡航時にボンネットが浮く現象を抑えて空力的に有効な機能性も備えるなど、空気抵抗係数となるCd値で0.20の優れた効率を実現する。
一方のインテリアでは、3枚の高精細パネル(コックピットディスプレイ、有機ELメディアディスプレイ、助手席側有機ELフロントディスプレイ)とダッシュボード全体を1枚のガラスで覆うワイドスクリーンで構成した“MBUXハイパースクリーン”を最大の特徴とし、いわゆるゼロレイヤーデザインを採用。
幅141cmにわたって広がる大きなスクリーンには、防キズと清掃を意識したコーティングも施され、触覚フィードバックや力覚フィードバックなどの直感的タッチ操作機能を搭載。タッチスクリーン上の特定の点に指が触れるとアクチュエーター(センターメディアディスプレイに8個、助手席用ディスプレイに4個内蔵)が働き、まるで機械式スイッチを押したときのような、はっきり分かるフィードバックを感じることができる。
さらに両ディスプレイとも異なる操作支援機能として力覚フィードバックも搭載され、力覚センサーとなる金属製発泡材がデバイスに内蔵され、ガラス面を押す力の大きさに応じて応答が変化する。