フォードは8月17日、2024年のレースデビューが予定されている『マスタングGT3』にインスパイアされた超高性能な公道走行可能マシン、『マスタングGTD』を発表した。

 マスタング史上最強800馬力以上の最高出力を発揮し、ニュルブルクリンク北コース“ノルドシュライフェ”で7分以内のラップタイムを目標に設定。来年度に2025年モデルが発売されるこのマスタングGTDは、世界最高のパフォーマンスカーに対抗できるクルマとして宣伝された。

「マスタングGTDは、スーパーカーに対するあらゆる先入観を打ち砕くものだ」

 フォードとマルチマチック社が共同開発したこの限定ロードカーについて、フォードの社長兼CEOであるジム・ファーリーはこのように述べた。

「これは私たちにとって新しいアプローチだ」と同氏は続ける。

「我々はサーキット用のロードカーを開発したのではなく、ロード用のレーシングカーを開発した。マスタングGTDは、当社のマスタングGT3レースカーからレーシング・テクノロジーを取り出し、カーボンファイバー製マスタングのボディで包み込み、ストリート向けに解き放つものである」

 フォード・パフォーマンスとマルチマチックのファクトリードライバーであるジョーイ・ハンドとハリー・ティンクネルがそれぞれ開発した5.2リットル・スーパーチャージドV8は、ほぼ50:50の重量配分を実現するためにリヤにマウントされた8速デュアルクラッチ・トランスアクスルと、軽量カーボンファイバー・ドライブシャフトを介して驚異的なパワーをホイール、そして路面に伝える。

 アクティブ・エアロダイナミクスと、先進のデュアルライドハイト・ショート&ロングアーム・フロントサスペンション、およびマルチリンク・リヤサスペンションの採用もこのクルマの特長のひとつだ。

 マスタング“GTD”というモデル名は、来季2024年からマスタングGT3が参加するIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のクラス名にちなんで名付けられている。

 史上最速のロードゴーイング・マスタングを目指して開発されている“GTD”について、フォード・パフォーマンス・モータースポーツ・グローバル・ディレクターのマーク・ラッシュブルックは、「私たちは、その皮の下にあるレーシング・テクノロジーにこだわった」と語った。

「目の前を通り過ぎたときに見えるものよりも、それを動かしているものの方が魅力的だろう」

「エンジニアリング、エアロダイナミクス、パワートレインの働きを見れば、マスタングGTDはまるで公道用のロケットシップだ」

カーボンファイバーでできたGTDバッジ
カーボンファイバーでできたGTDバッジ
デジタルディスプレイやトラックデーに最適化されたレカロ製シートが備わるコクピットは、3Dプリンターで作られたチタン・パドルシフター、ロータリーダイヤルシフター、シリアルプレートによって補完されている。これらのチタンパーツすべて、退役したロッキード・マーティン『F-22』で使用されていたチタン部品から作られる。
デジタルディスプレイやトラックデーに最適化されたレカロ製シートが備わるコクピットは、3Dプリンターで作られたチタン・パドルシフター、ロータリーダイヤルシフター、シリアルプレートによって補完されている。これらのチタンパーツすべて、退役したロッキード・マーティン『F-22』で使用されていたチタン部品から作られる。
トランクスペースにはセミアクティブ・サスペンション、油圧制御システム、レースカーからインスピレーションを得たカバーを使用したトランスアクスル冷却システムが設置される。
トランクスペースにはセミアクティブ・サスペンション、油圧制御システム、レースカーからインスピレーションを得たカバーを使用したトランスアクスル冷却システムが設置される。

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