今回の年末年始は、曜日の並びもよく9連休（もしくはそれ以上）という方も多いはず。そんなまとまった長い休みにお勧めのモータースポーツを題材にした名作映画をご紹介しよう。
モータースポーツを題材とした映画は少なからず存在するが、今回は、現在日本国内で視聴可能（DVD販売・レンタル、映像配信）で、実在するサーキットやマシンでのシーンが登場する映画から10作品をセレクト。
懐かしい名作映画は、出演する俳優やそのストーリーもさることながら、今では見られなくなったレーシングカーや風景、特に改修される前の懐かしいサーキットのピットや周辺施設等をみるだけでも楽しめる。もちろん、古い時代を知らない若いモータースポーツファンにも、今現在とは違う景色・風景がかえって新鮮に見えるはず。
もちろん映画は、時間的な制限があるエンタテイメントなので極端な誇張表現や強引な展開など、詳しいモータースポーツファンにとっては、現実離れしたようなストーリー展開に違和感を感じることもあるかもしれないが、その辺は軽くスルーして、登場する懐かしい車両や看板、ロゴ、小物等マニアックなネタを探すなどして楽しんで観ていただきたい。
●テーマ１：ル・マン24時間レース
まずは、年明けにも新作として公開される映画の題材にもなっているル・マン24時レースを取り上げた2作、『栄光のル・マン』と『ミシェル・ヴァイヨン』。制作された時代が異なるので、この2作を見比べてみるとサーキットやその周辺施設の違いが一目瞭然だ。
『栄光のル・マン』
1970年に開催されたル・マン24時間レースの実際の映像も使ったスティーブ・マックイーン主演の映画。マックイーン演じる主人公がドライブするのはガルフカラーのポルシェ917K。対するライバルはフェラーリ512Sだ。
ストーリー：事故による負傷から1年後、レースに復帰するためにフランスに戻ってきたアメリカ人のドライバーは、同じ事故で死亡したレーサーの未亡人に心惹かれていた……。フランスロケによる映像には、世界最高峰のマシンとサーキットに引き寄せられる男たちの持つ独特な魅力があふれている。
『ミシェル・ヴァイヨン』
もともとはコミックやアニメで展開されていたものを『TAXi』や『トランスポーター』シリーズの制作でも知られるリュック・ベッソンが脚本を手掛けた。こちらも映画撮影のために、2002年に実際のレースにエントリーさせている。
ストーリー：走るために生まれてきた男、ミシェル・ヴァイヨン。勝つために生まれてきた男、リーダー。2人の宿命の対決が今、始まる。ステージ1は亀裂の走る氷結湖上でのラリー。ステージ2は目もくらむ崖っぷちでのラリー。死と隣合わせの激しいレース・バトルが次々と展開する。そして戦いはステージ3、ル・マン・24時間レースへ。勝つために手段を選ばないリーダーは、ミシェルのパートナーを事故死させ、父親を誘拐する。果たしてミシェルは父親を救い出し、勝利を手に出来るか!?
●テーマ２：アメリカンレース
続いては、アメリカのレースシーンを題材とした映画。インディカー・シリーズを舞台とした『レーサー』とNASCARを舞台とした『デイズ・オブ・サンダー』。
デイズ・オブ・サンダーはトム・クルーズ主演で、「もうひとつのトップガン」とも言われている作品。ちなみに、トップガンの続編映画も間もなく公開される予定だ。
『レーサー』
1960年代のインディ500が舞台。主演のポール・ニューマンは、のちに自らデイトナ24時間やル・マン24時間に出場し、またチームを作りCARTに参戦するほどのモータースポーツ好きとして知られるが、すべてはこの映画がきっかけだったと言われている。
ストーリー：一流ドライバー・フランクは全米各地を転戦するプロ・レーサー。美人のエローラと出逢い結婚するが、レースでは不運続きで勝てなくなる。インディアナポリス500マイルレースに出場が決まり汚名挽回を計るべく、寝食を忘れてフランクは準備に没頭する。いよいよレース当日。ライバル、アーディングとの戦いはいかなることに……。
『デイズ・オブ・サンダー』
1989年から1990年にかけて撮影されたNASCARを舞台とした作品。トップガンの大ヒットで有名になったトム・クルーズがクローズアップされることが多いが、実際のレースに参戦する車両で予選中に撮影を行う他、実際のレース現場であったエピソードもストーリーに取り入れられるなど、モータースポーツマニアもうならせる内容となっている。
ストーリー：カーレースにすべてを賭けた若者の青春を描く、「もう一つのトップガン」とも言うべき話題作。主演のトム・クルーズは原案も担当、彼自らハンドルを握ったレース・シーンは5.1チャンネルで再生するとまるでサーキットに立っているかのような臨場感を観る者に味わせてくれる。
