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 スーパーフォーミュラとの初併催となった今回のKYOJO CUP。前日の土曜日の第2戦に続く7月21日(日)、第3戦決勝レースが富士スピードウェイで行われ、斎藤愛未(Team M 岡部自動車 D.D.R VITA)が2連勝。富下李央菜(KTMS VITA)が2位で初表彰台、3位の平川真子(RSS VITA)も今季初めての表彰台を獲得する結果となった。

 KYOJO CUPは、女性ドライバー限定の”ガチンコ勝負”レースで、さまざまなキャリアを持つ女性たちがモータースポーツに挑戦する舞台となっている。第3戦のスターティンググリットは1番手に下野、2番手に斎藤、3番手に翁長が続き、午後1時、昨日同様曇り空のもと、12周の決勝レースがスタートした。

斎藤愛未が2連勝。2位以下はペナルティの波乱で富下李央菜、平川真子が今季初の表彰台【KYOJO CUP第3戦】
決勝レースは午後1時にスタート。オープニングラップは下野が出遅れ、翁長がトップに。

 レースはポールポジションの下野璃央(Dr. DRY VITA)が出遅れ、2番グリッドの斎藤愛未、3番グリッドの翁長実希(Car Beauty Pro RSS VITA)が下野に襲いかかり、オーバーテイク。3台が前日の第2戦同様にスタート直後から順位を争い、コカコーラコーナーまでサイドバイサイドを展開すると、翁長がアウト側からトップにおどり出る。

 2周目に入ったホームストレートでは、スリップストリームを使った斎藤がトップに立ち、翁長が2番手へ後退。一方、コカコーラコーナーでは、佐藤こころ(ELEVレーシングドリームOSスハラVITA)がマシンを止め、リタイアとなった。

 一方、上位の3台によるバトルは続き、3周目にはホームストレートで斎藤のアウト側についた下野がトップに立ち、さらにアウト側にいた翁長がが斎藤を抜いて2番手に浮上。斎藤は3番手となる。

 そして5周目のストレートでは下野のアウト側に翁長、さらにアウト側に斎藤がつけ、TGRコーナーで斎藤がトップを奪還。下野、翁長はサイドバイサイドの戦いを繰り広げ、翁長が2番手を守り、下野が3番手に順位を下げた。また、後方を走行していたSALLY(TRADE TECH VITA)がストレートエンドでスピンを喫し、車体の右側をガードレールにぶつけることになったが、すぐにコースに復帰している。

 SALLYに続き、6周目には後方を走る清水愛(ハイスピードエトワールR VITA)がストレートエンドでスピン。先頭を走る斎藤もラインを外すミスがあったが、トップを守っている。その翌週のホームストレートでは、トップの斎藤のアウト側に翁長、さらにアウト側に下野がならび、下野が再度トップに浮上。翁長は2番手をキープ、斎藤が3番手に後退する。その後も上位3台による順位争いがストレートを通るごとに展開されていく。

 レースも残り2周となった10周目、ホームストレートで下野のアウト側についた斎藤が、今レース3度目のトップに浮上。2番手に下野、3番手に翁長が続いて最終ラップに突入した。

 スリップストリームを使った下野が斎藤をかわし、3度目のトップに浮上するも8周目同様、コカコーラコーナーのアウト側で再びコースアウトを喫する。このすきに斎藤が4度目のトップに返り咲き、下野が順位を下げると、3番手の翁長との2番手争いが白熱。ダンロップコーナーでは2番手を死守した下野だったが、スープラコーナーで翁長がイン側に入り2番手を譲ることとなった。

斎藤愛未が2連勝。2位以下はペナルティの波乱で富下李央菜、平川真子が今季初の表彰台【KYOJO CUP第3戦】
斎藤、翁長、下野のトップ争いは、最終ラップまで続いた。

 トップを走行する斎藤は、ミスなく最終周回を走り切りチェッカーを受け、前日に初優勝を飾った斎藤が第2戦につづく優勝を飾ることとなった。

 斎藤とバトルを繰り広げた翁長、下野はそれぞれ2位、3位フィニッシュとなったが、翁長は走路外走行、下野は走路外走行時の追い抜きで、それぞれ5秒追加のペナルティが課せられることに。

 このため、4位の富下李央菜(KTMS VITA)、5位の平川真子(RSS VITA)がそれぞれ2位、3位に繰り上がり、斎藤、富下、平川のトップ3となった。

斎藤愛未が2連勝。2位以下はペナルティの波乱で富下李央菜、平川真子が今季初の表彰台【KYOJO CUP第3戦】
第2戦につづき、第3戦で優勝した斎藤愛未(Team M 岡部自動車 D.D.R VITA)と、チーム監督の三浦愛

 今回の第3戦は前日の第2戦と合わせて1セットのタイヤでレースを行っているため、多くのドライバーがタイヤの摩耗やマネジメントを気にしていたが、表彰台の3人にとっては大きな影響はなかったようだ。

「昨日は最後の課題をクリアできないままゴールとなってしまって、たまたま勝てたんじゃないかと思われた方もいらっしゃったと思いますが、今日はしっかり最後まで戦って勝てたので、速さも強さもしっかり証明できたと思います。すごく嬉しい優勝です」とレース後に話した斎藤愛未。この後に備えるスーパーフォーミュラで、夫の坪井翔への大きな援護射撃となったとともに、前日からの2連勝で、240万円の賞金を稼いだ週末となった。

「(次戦にむけて)ポールもファステストもとれていなくて、まだ心残りもあるので、頑張ります」と斎藤。

 次戦のKYOJO CUP第4戦レースは、8月17日から富士スピードウェイにて開催予定だ。

■KYOJO CUP 第3戦 決勝結果

Pos. No. Driver Car Laps
1 17 斎藤愛未 Team M 岡部自動車 D.D.R VITA 12
2 225 富下李央菜 KTMS VITA 12
3 44 平川真子 RSS VITA 12
4 86 下野璃央 Dr. DRY VITA 12
5 114 翁長実希 Car Beauty Pro RSS VITA 12
6 87 山本龍 おさきにどうぞ☆VITA 12
7 50 永井歩夢 BBS VITA 12
8 38 佐々木藍咲 LHG Racing DRP VITA 12
9 112 池島実紅 SPIRIT VITA 12
10 37 金本きれい KeePerアポロ電工フジタ薬局VITA 12
11 761 岩岡万梨恵 フクダ電子VITA 12
12 13 髙野理加 ORC☆サウンドキッズVITA 12
13 213 Burton Hana PRIX WORKSHOP VITA 12
14 36 荻原友美 KNC VITA 12
15 18 坂上真海 CRUX RYUREN VITA 12
16 34 保井舞 中央電材エムクラフトVITA 12
17 559 織戸茉彩 MAX ORIDO VITA 12
18 28 樋渡まい Car Beauty Pro RSS VITA 12
19 24 藤島知子 ENEOS MOMO BBS VITA 12
20 779 関あゆみ 栄建設 TBR VITA 12
21 144 山口心愛 ファーストガレージ大和設備工業VITA 12
22 118 及川紗理亜 IDMS Racing DRP VITA 12
23 7 おぎねぇ 小倉クラッチB-MAXワコーズVITA 12
24 730 前田琴未 ハイスピードエトワールR VITA 12
25 4 岡本悠希 グッドスマイル初音ミク VITA 12
26 703 清水愛 ハイスピードエトワールR VITA 12
27 77 金井宥希 PMR Harem VITA 12
28 73 SALLY TRADE TECH VITA 11
29 76 佐藤こころ ELEVレーシングドリームOSスハラVITA

・ペナルティ
CarNo.86は、富士スピードウェイ一般競技規則第5章第17条1.3.(ランオフエリア走行後追越し)違反により、タイムペナルティ5秒を課す。
CarNo.114、761は、富士スピードウェイ一般競技規則第5章第17条3.(走路の安全規定(黒白旗提示後の総路外走行))違反により、競技結果に対して5秒加算のペナルティを課す。

斎藤愛未が2連勝。2位以下はペナルティの波乱で富下李央菜、平川真子が今季初の表彰台【KYOJO CUP第3戦】
斎藤が2連勝。2位の富下李央菜は初の表彰台、3位の平川真子も今季初の表彰台となった。

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