2025年KYOJO CUPの最終戦となる第5戦が11月8~9日に富士スピードウェイで開催され、前回大会でシリーズチャンピオンを獲得した下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)が2レースで優勝。有終の美を飾ってフォーミュラ導入初年度のシーズンを締めくくった。

■序盤で7台がリタイア。波乱のスプリントを制した下野が今季7勝目

 8日の9時30分から行われた公式予選は、雲の多い晴れ空のもとでスタートを迎えた。今大会の予選でも最初にトップタイムを記録したのは下野となり、周回を重ねるたびに自身のトップタイムを塗り替えていく。しかし、5周目の計測では斎藤愛未(BigBoss W TOM’S KYOJO with AIWIN KCMG01)がトップタイムを更新。0.131秒差で下野を上回って暫定首位に浮上した。

 ただ、下野の勢いはセッション後半を迎えても衰えることはなく、6周目の計測で斎藤から首位を奪還。ピットに戻った下野はタイヤの内圧調製を行ってコースに復帰し、最後のアタックで1分44秒707を記録する。これが公式予選の最速タイムとなり、第4戦に続いて今季3度目のポールポジションを獲得した。斎藤は0.216秒差で2番手となり、3番手に翁長実希(Kids com KDDP KC-MG01)が続いた。

2025年KYOJO CUP第5戦 下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)
2025年KYOJO CUP第5戦 ポールポジションを獲得した下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)

 分厚い雲がサーキット上空を徐々に覆い始めて気温と路面温度が低下するなか、10周のスプリントレースは14時40分に開始。マシントラブルによって出走が叶わなかった池島実紅(TGM Grand Prix KC-MG01)を除く19台がグリッドに並んだ。

 フォーメーションラップでは、タイヤの熱入れのためにブレーキングをしていた金本きれい(ミハラ自動車エムクラフト RT KC-MG01)が TGRコーナーの立ち上がりでスピンを喫し、早くも戦線を離脱。ガードレールの開口部付近にマシンを止めたことで進行に影響はなく、そのままローリングスタートが切られた。

2025年KYOJO CUP第5戦 スプリントレースのスタート
2025年KYOJO CUP第5戦 スプリントレースのスタート

 加速で後続を引き離した下野を先頭にグリッド順で3台が連なる後方では、白石いつも(AIWIN Re-Kobe KCMG01)と平川真子(docomo business ROOKIE KC-MG01)による4番手争いが勃発する。並走状態でTGRコーナーを通過した2台は続くコカ・コーラコーナーでもバトルを展開するが、白石の左リヤと平川の右フロントが接触して両者はスピンを喫した。

 さらに、2台の接触のあおりを受けた後続車両の5台が冷えた路面状況のなかでスピンや接触を喫し、コース上には合計7台のマシンが停止。オープニングラップからセーフティカー(SC)が導入される事態となった。

 レースは6周目にリスタートを迎え、隊列へ復帰を果たした平川と細川由衣花(富士山静岡レーシング KC-MG01)を含む13台で後半戦が争われた。ラップリーダーの下野が再びリードを築く一方、12番手までポジションを下げた平川が着実に順位を上げていく。

 平川は9周目のダンロップコーナーでシタルウイ・リムナンタラック(INGING 2W Singha Sittipol Nexzter KC-MG01)を攻略すると、山本龍(ARF☆おさきにどうぞ☆KC-MG01)を猛追。入賞をかけたバトルが白熱するなかレースは10周目に突入し、後続に対して2秒以上のタイムギャップを築いた下野が今季7勝目を飾った。2位に翁長、3位に斎藤が続いている。

2025年KYOJO CUP第5戦 山本龍(ARF☆おさきにどうぞ☆KC-MG01)と平川真子(docomo business ROOKIE KC-MG01)
2025年KYOJO CUP第5戦 山本龍(ARF☆おさきにどうぞ☆KC-MG01)と平川真子(docomo business ROOKIE KC-MG01)のバトル

 入賞争いを制したのは山本となり、わずか0.032秒という僅差で8位を獲得。しかし、危険な追い越しを行ったと判断された岩岡万梨恵(FUKUDA racing KC-MG01)が5秒のタイムペナルティを受けたことで山本が7位に繰り上がり、今季初の入賞を果たした。一方、平川は9位でチェッカーを受けたものの、他車への衝突とコースアウトによって30秒のタイムペナルティが科されて13位となった。

 最終戦の初戦を制し、第3戦のスプリントレースから続く連勝記録を伸ばした下野は、「(1位という結果に対して)ほっとした気持ちが大きいかもしれません」とコメント。

「毎回のことですが、スタートで後ろを引き離せたことが決め手になりました。明日は今週初の雨だと思うのでデータや車載映像、前回の雨のレースなどを見て予習して、しっかりと備えたいと思います」

2025年KYOJO CUP第5戦 下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)
2025年KYOJO CUP第5戦 スプリントレースを制した下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)
2025年KYOJO CUP第5戦 スプリントレース暫定表彰式
2025年KYOJO CUP第5戦 スプリントレース暫定表彰式

■約9.4秒の大差をつけた下野が雨のファイナルを制し、今季最終戦で有終の美

 2025年シーズンの最後の一戦となる12周のファイナルレースは9日の13時から開始。早朝からサーキットに立ち込めていた霧に代わって降り出した雨の影響を受け、SCの先導でスタートが切られた。3周目にSCのライトが消灯すると、ラップリーダーの下野がGR GTコーナーで加速。ここから後続に対する間合いを徐々に広げ、レースをリードしていく。

2025年KYOJO CUP第5戦 ファイナルレースのセーフティカーラン
2025年KYOJO CUP第5戦 ファイナルレースのセーフティカーラン

 上位勢はスタートから順位変動がなく、下野を先頭に翁長、斎藤が続く一方で、平川が6周目のGR GTコーナーで岩岡をパス。8番手に浮上すると、翌周のダンロップコーナーでイン側から山本を攻略して7番手につけた。この間、平川の背後を走行していた岩岡も山本のオーバーテイクを試みるが、山本がポジションを死守。2台のバトルは8周目のTGRコーナーで決着し、岩岡が8番手に順位をあげた。

 中団勢の順位争いが白熱するなか、9周目のダンロップコーナーでは織戸茉彩(TGM Grand Prix KC-MG01)とシタルウイが接触。マシンを止めた織戸は自力で走行を再開したものの、入賞圏外の19番手に順位を下げる事態となった。

 翌周のパナソニックオートモーティブコーナーでは、9番手の山本がコースオフを喫して入賞圏外に後退する。これにより、入賞争いを展開していた細川が9番手、白石が10番手にそれぞれ順位を上げたが、2台は激しいポジション争いを続行。11周目の100Rでは白石が並びかけるも細川が9番手を守り、引き離された白石は背後に迫る永井に追われる展開に。

 しかし、白石のパスを試みた永井歩夢(NBAありそ鮨しKYOJOフォーミュラ KC-MG01)がブレーキをロックさせてスピン。ダンロップコーナーでマシンを止めたことで10番手争いは白石に軍配が上がった。そんななか、先頭では下野が独走状態でチェッカーを受けて今季 8 勝目を飾り、フォーミュラ初年度の最終レースをトップで締めくくった。2位は翁長、3位は斎藤となり、9位でレースを終えた細川は今季初入賞を果たした。

2025年KYOJO CUP第5戦 白石いつも(AIWIN Re-Kobe KCMG01)、永井歩夢(NBAありそ鮨しKYOJOフォーミュラ KC-MG01)、細川由衣花(富士山静岡レーシング KC-MG01)
2025年KYOJO CUP第5戦 ファイナルレースの9番手争い

 全5大会10レース中、8レースでトップを獲得する快挙を達成した下野は「チャンピオンを獲ったからには優勝しないといけないという思いがあり、フリー走行から真剣に取り組んで決勝まで走りました」とレースウイークを振り返った。

「10戦中8勝という結果で終わったので、第2戦で勝てなかったのは悔しかったです。ただ、その他のレースでは運もあったとは思いますが、実力を発揮することができました。今後はフォーミュラの初代チャンピオンとして、プロを目指す女子たちに憧れられるようなドライバーになりたいです」

2025年KYOJO CUP第5戦 下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)
2025年KYOJO CUP第5戦 下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)
2025年KYOJO CUP第5戦 下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)
2025年KYOJO CUP第5戦 ファイナルレースを制した下野璃央(Dr.Dry with Team IMPUL KC-MG01)
2025年KYOJO CUP第5戦 ファイナルレース暫定表彰式
2025年KYOJO CUP第5戦 ファイナルレース暫定表彰式
2025年KYOJO CUP シリーズ2位の翁長実希、王者の下野璃央、3位の斎藤愛未
2025年KYOJO CUP シリーズ2位の翁長実希、王者の下野璃央、3位の斎藤愛未

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