Naoyuki Hata

 9月17日、富士スピードウェイで今季からスタートした女性によるレース『KYOJO-CUP』の第2戦が行われたが、この一戦に出場した16台のうち、あるユニークなキャリアをもつドライバーが参戦していた。

「いつかは自分も出てみたい」──。

 KYOJO-CUPの開幕戦を見て、そう思った女性も少なからず存在するのではないだろうか。そんな思いを、さっそく実現させたドライバーが存在する。それが今回の第2戦で、28号車INCELL×SD-STYLEのVITAをドライブした、細川由衣花だ。ただのルーキードライバーではない。彼女の夫はスーパーGT等で活躍するプロのレーシングドライバー、細川慎弥なのだ。

「遊びでドリフトをやったり、主人とレンタルカートをちょこっと乗ったりしたことはありますが」とは言うものの、由衣花にレース経験は皆無。夫である慎弥が行っているキッズカート講習会を手伝ううちに、自分でもレンタルカートに乗るようになり、自ら走ることにも興味を覚えたタイミングと、このKYOJO-CUPの感動がうまくシンクロしたのだという。ただし、それから4か月……。すでにレースを始めている人なら長いインターバルながら、初めてとなると、短いインターバルなのは間違いない。

「走りはじめは主人にS2000で引っ張ってもらったんですが、主人もどこまでいっていいのか分からないみたいで(笑)。クルマがメチャクチャ動くな、怖いなぁという状態で、でもけっこういっているんだけどなぁ……と思ったら2分18秒台(笑)。その時に速い子たちのタイムが2分3秒と聞いていたので、あと15秒縮められる自信はなかったんですが、とりあえず2本目は自分だけで走ってみて12秒台。それから2週間ちょっと開いて、おととい9秒台までいって、そこから今日、6秒の前半までいけたんです」と由衣花。それがレースウイークの金曜日のことだ。

 12秒もの短縮は、きっと慎弥の的確な指導の賜物なのだろう。加えて運動神経の良さも、著しい進歩の理由のようだ。

「以前、水泳を本気でやっていて、いちおう強化選手にまでなったんですが、腰がおかしくなっちゃってドクターストップがかかり、止めることになっちゃって。自分がやり始めたことに対して、突き詰めたものになっていなかったので、モヤモヤ感は残っていました」と由衣花。もしかしたら、レースをやることは必然だったのかもしれない。

KYOJO-CUP第2戦に参戦した細川由衣花
少しずつタイムアップをみせていった

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